今回のテーマは、”5インチゲージ 4100形の修理”です。 4100形は、急勾配線用のE型タンク機です。動輪直径が小さく速度はでませんが、運客可能な大型ゲージの場合、 安全性から最高速度は時速5〜6Kmですので不都合はなく、むしろ小さい分、ピストンの往復運動回数が多くなり、 通風が得られやすくなりますので、好都合かと思います。また、力持ちですので、多くの方を運客でき、ライブスチームに向いた機種かと思います。 ただし、多軸(5軸)ですので、急カーブは苦手でしょう。 この4100形は自作されたもので、製作された方が市に寄贈されたものと伺っています。 不具合が発生すると、熱心な所属する倶楽部のメンバーの方が修理されています。 5インチゲージ 4100形
保管場所から、修理しやすいよう、高架線路に移動してきました。 煙室戸が開いています。カンヌキがうまくかからず、煙室戸が閉まらないのを修理されるのです。 4100形の前の線路上に、修理するための工具が並んでいます。 修理開始です。煙室の前部を取り外そうとされていますが、くっ付いてしまっているようで、
そのため、スプレーオイルを吹きかけています。 煙室に沿って、円状にスプレーオイルを吹きかけておられるようです。 スプレーオイルの吹きかけが完了したようです。オイルが浸み込むのを待つようです。 オイルが浸み込む間、4100形の細部を見てみます。写真は後方から見たところです。 斜め後方から見たところです。5インチゲージですので、正確な縮尺は8.4分の1ですが、
それより小さく製作されているように感じます。 4100形の運転室
運転室内の機器を推定してみます。@:逆転機? たぶん逆転機かと思われます。 A:レギュレーターバルブ(加減弁) テコ式です。 B:ボイラーの圧力計 走行時、運転室の上から見える位置に配置されています。 C:ブロアバルブ(通風弁)? たぶんブロアバルブかと思われます。 D:水面計 水位が見やすいよう、円筒ガラスの向こう側には、白を背景に赤線が斜めに入れられています。 E:焚口戸 横方向に開きます。 F:フィードバックバルブ フィードバックバルブは、以前は運転室内にはなく、 走行中の開閉調整が出来ませんでしたが、この位置に改善されました。随分、運転しやすくなったことと思われます。 G:シリンダー排水弁作用テコ 形状からシリンダー排水弁の作用テコかと思われます。 レギュレーターバルブ(加減弁)
レギュレーターバルブはユニークな作りです。
先端の手を触れる部分(→)は木製のようですので、熱くならなくて良さそうです。 水面計
水面計のアップです。円筒ガラスの向こう側に、斜めの赤線(←)が見えます。
今はボイラーに水が入っていませんが、水が入っていると水位が見易くなります。 フィードバックバルブ と シリンダー排水弁作用テコ
〇は、フィードバックバルブで、
□内は、シリンダー排水弁作用テコか思われます。 ボイラーの圧力計
運転室の上から、ボイラーの圧力計が見えます。走行中も見易そうです。 (その2に続きます) |