ライブスチームの運転


194. 倶楽部のメンバー宅訪問  (その13)  (H29.8.2掲載)

  (その12の続きです)

C12形蒸気機関車
C12
公式側の前部を見てみます。旧国鉄機のなかではC12は小型機ですが、 ご覧の通り堂々としています。


C12
シリンダーの下部を見てみます。C56同様、 シリンダー排水弁の保護カバーが付けられています。 頑丈そうな保護カバーです。


C12
主連棒(メイン・ロッド)、滑り棒(スライドバー)の溝は朱色に塗られています。 その影響もあるのか、機械美を感じます。


C12
クロスヘッドをアップしてみます。左側がピストン棒で、 右側は主連棒()です。 主連棒()は、クロスヘッド・ピンと、 菊ナット()で固定されています。 もし、菊ナットが緩んでクロスヘッド・ピンが抜けたら大変です。 倶楽部のメンバーの方との模型談義において、実際に起きた例があるそうです。 前進中に外れた主連棒は地面に接触して、機関車が持ち上がったそうです。


OSコッペルの軸動ポンプ
OSコッペル
”主連棒が外れて地面に接触して機関車が持ち上がった”、話しを伺って思い出しました。 写真は、私のOSコッペルの軸動ポンプを下から見た写真です。 は、エキセントリックタンブラーですが、 加減弁を開いて、前進しはじめたところ、 ナットが緩んでネジ()が抜けていたため、 エキセントリックタンブラー()が地面に接触し、 コッペルが跳ね上がったことがありました。 40kgを越えるコッペルの重量がエキセントリックタンブラー()に、 のしかかって曲がってしまいました。それ以降、運転前に、 このナット/ネジ()が緩んでいないか、点検することとしました。 蒸気機関車には、たくさんのネジが使われており、走行による振動で緩んできますので、 始業前点検が重要だと実感しました。


C12 C12
左の写真は、加減リンクです。心向棒()は、 ちょうど加減リンクの真ん中にあります。 右の写真のとおり、その時の逆転機の指針は、ミッドギア(M)を指しています。 は、作用棒です。加減リンクの往復運動を伝えて、 油ポンプ(機械式給油器)を駆動します。


C12
内が油ポンプ(機械式給油器)です。 公式側のランボード上に配置されています。 実機では、左右の、蒸気室の前後とシリンダー中央の計6箇所に送油しているようですが、 このC12では、どうでしょうか。左右の蒸気室の計2箇所でしょうか?。 ちなみに、OSコッペルでは、左右の蒸気室の計2箇所に送油しています。


OS コッペルの給油方法
コッペル
OS コッペルにおいては、機械式給油器から送られてきた、スチームオイルは、 ここ()を通って、蒸気室に直接入ります。 ですので、蒸気がスチームオイルと混ざるのは蒸気室内になります。


OS C21の給油方法
C21
OS C21においては、主蒸気管()を通ってきた蒸気は、 機械式給油器から送られ、を通ってきた、 スチームオイルと、蒸気室に入る手前で、あらかじめ混ざってから蒸気室に入り、そしてシリンダーに入ります。


OS クラウスの給油方法
クラウス
3.5インチゲージのOSクラウスを横置きした写真です。写真左側が前で、写真右側が後ろです。 内が機械式給油器で、左右のシリンダーの中間に配置されています。 機械式給油器から送り出された、スチームオイルは、このパイプ()を通って、 主蒸気管に接続されています。


クラウス
アップしてみます。機械式給油器から送り出された、スチームオイルは、 このパイプ()を通ります。 主蒸気管()との接続点()には、 蒸気の流入を防止するため、逆止弁が付いています。 万一、流入すると機械式給油器内のスチームオイルが黄色く変色します。 ですので、もし、機械式給油器内のスチームオイルが黄色くなっていたら、蒸気の逆流が疑われます。 スチームオイルと混ざった蒸気は、主蒸気管()から左右の蒸気室に送られます。


 蒸気室/シリンダーへの給油方法を整理しますと、どの機種も、ロスコー式(置換式)ではなく、機械式の給油器を使用しています。 OS コッペルでは、左右それぞれの蒸気室に送られ、蒸気室内で蒸気とスチームオイルが混ざります。 OS C21では、左右それぞれに送られる点は、コッペルと同じですが、蒸気室に入る前に、蒸気とスチームオイルが混ざります。 OS クラウスでは、蒸気室に入る前に、蒸気とスチームオイルが混ざる点は、C21と同じですが、 主蒸気管が左右それぞれに分かれる分岐点の1箇所で給油しています。


(その14に続きます)  


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