(その12の続きです) C12形蒸気機関車
公式側の前部を見てみます。旧国鉄機のなかではC12は小型機ですが、
ご覧の通り堂々としています。 シリンダーの下部を見てみます。C56同様、
シリンダー排水弁の保護カバーが付けられています。
頑丈そうな保護カバーです。 主連棒(メイン・ロッド)、滑り棒(スライドバー)の溝は朱色に塗られています。
その影響もあるのか、機械美を感じます。 クロスヘッドをアップしてみます。左側がピストン棒で、
右側は主連棒(↓)です。
主連棒(↓)は、クロスヘッド・ピンと、
菊ナット(〇)で固定されています。
もし、菊ナットが緩んでクロスヘッド・ピンが抜けたら大変です。
倶楽部のメンバーの方との模型談義において、実際に起きた例があるそうです。
前進中に外れた主連棒は地面に接触して、機関車が持ち上がったそうです。 OSコッペルの軸動ポンプ
”主連棒が外れて地面に接触して機関車が持ち上がった”、話しを伺って思い出しました。
写真は、私のOSコッペルの軸動ポンプを下から見た写真です。
↓は、エキセントリックタンブラーですが、
加減弁を開いて、前進しはじめたところ、
ナットが緩んでネジ(↑)が抜けていたため、
エキセントリックタンブラー(↓)が地面に接触し、
コッペルが跳ね上がったことがありました。
40kgを越えるコッペルの重量がエキセントリックタンブラー(↓)に、
のしかかって曲がってしまいました。それ以降、運転前に、
このナット/ネジ(↑)が緩んでいないか、点検することとしました。
蒸気機関車には、たくさんのネジが使われており、走行による振動で緩んできますので、
始業前点検が重要だと実感しました。 左の写真は、加減リンクです。心向棒(↓)は、
ちょうど加減リンクの真ん中にあります。
右の写真のとおり、その時の逆転機の指針は、ミッドギア(M)を指しています。
↓は、作用棒です。加減リンクの往復運動を伝えて、
油ポンプ(機械式給油器)を駆動します。 □内が油ポンプ(機械式給油器)です。
公式側のランボード上に配置されています。
実機では、左右の、蒸気室の前後とシリンダー中央の計6箇所に送油しているようですが、
このC12では、どうでしょうか。左右の蒸気室の計2箇所でしょうか?。
ちなみに、OSコッペルでは、左右の蒸気室の計2箇所に送油しています。 OS コッペルの給油方法
OS コッペルにおいては、機械式給油器から送られてきた、スチームオイルは、
ここ(↓)を通って、蒸気室に直接入ります。
ですので、蒸気がスチームオイルと混ざるのは蒸気室内になります。 OS C21の給油方法
OS C21においては、主蒸気管(→)を通ってきた蒸気は、
機械式給油器から送られ、↑を通ってきた、
スチームオイルと、蒸気室に入る手前で、あらかじめ混ざってから蒸気室に入り、そしてシリンダーに入ります。 OS クラウスの給油方法
3.5インチゲージのOSクラウスを横置きした写真です。写真左側が前で、写真右側が後ろです。
□内が機械式給油器で、左右のシリンダーの中間に配置されています。
機械式給油器から送り出された、スチームオイルは、このパイプ(↓)を通って、
主蒸気管に接続されています。 アップしてみます。機械式給油器から送り出された、スチームオイルは、
このパイプ(↑)を通ります。
主蒸気管(→)との接続点(↑)には、
蒸気の流入を防止するため、逆止弁が付いています。
万一、流入すると機械式給油器内のスチームオイルが黄色く変色します。
ですので、もし、機械式給油器内のスチームオイルが黄色くなっていたら、蒸気の逆流が疑われます。
スチームオイルと混ざった蒸気は、主蒸気管(→)から左右の蒸気室に送られます。 蒸気室/シリンダーへの給油方法を整理しますと、どの機種も、ロスコー式(置換式)ではなく、機械式の給油器を使用しています。 OS コッペルでは、左右それぞれの蒸気室に送られ、蒸気室内で蒸気とスチームオイルが混ざります。 OS C21では、左右それぞれに送られる点は、コッペルと同じですが、蒸気室に入る前に、蒸気とスチームオイルが混ざります。 OS クラウスでは、蒸気室に入る前に、蒸気とスチームオイルが混ざる点は、C21と同じですが、 主蒸気管が左右それぞれに分かれる分岐点の1箇所で給油しています。 (その14に続きます) |