5インチゲージのライブスチームとなると、たとえB形タンク機であっても一人で持ち上げることは困難です。
私が保有しているOS製コッペルはB形タンク機ですが43kgあり、車の後部に載せたままにしています。
機関車が大きくなるほど重くなるほど、その運搬が困難になり、皆さんそれぞれ工夫されています。
そうした問題の対処かと思われるのが、OS製フォルテとドルテです。機関車が3分割でき、その組立・分割共に
容易そうです。実は、別テーマの「25.機関車の下側」において、フォルテとドルテも取り上げる予定でしたが、
下側は4100形やS6とは異なり、むしろ、ボイラーを外して上からみた状態の方が作り・機構がよく分かり、
面白いと思いましたので、別のテーマとした次第です。 OS製ドルテ 下側前
□内は、軸動ポンプを駆動するエキセントリックです。 OS製ドルテ 下側後ろ
チューブが見えます。(↓)水の通り道かと思われます。 OS製ドルテ 蒸気と水の接続箇所(下側)
蒸気と水の接続点は4つあります(□内) OS製ドルテ 蒸気と水の接続箇所(上側)
□内は上側の接続点4つです。 OS製フォルテ 蒸気と水の接続箇所(下側)
フォルテも蒸気と水の接続点は4つあります(□内) 接続接点は何の通り道でしょうか?推定してみます。 <蒸気系> ・加減弁を開けた時のボイラーの蒸気の、弁室への通り道 ・ブロワーバルブを開けた時のボイラーの蒸気の、ブロワーへの通り道 ・シリンダーから排出された蒸気の、煙突への通り道 <給水系> ・ハンドポンプからの給水の、ボイラー(逆止弁)への通り道 ・軸動ポンプからの給水の、ボイラー(逆止弁)への通り道 以上だとすると、5点になります。1点多いです。どこが違うのでしょうか? 今度よく見てみます。 それにしても、単に載せるだけ重力だけで、高圧や走行時の振動に耐えるとは凄い技術です。 OS製ドルテのボイラー
煙菅は上から5本 5本 5本 2本の計17本のようです(□内)。 OS製フォルテのボイラー
フォルテも煙菅は上から5本 5本 5本 2本の計17本のようです(□内)。 OS製ドルテ ボイラーを外した上から
左側の水タンクの後部にハンドポンプのレバーが見えます。右側の水タンクの後部には軸動ポンプのフィードバックバルブが見えます。 OS製ドルテ ボイラーを外した上から
灰受けは外してあります。 OS製フォルテ ボイラーを外した上から
灰受けは外してあります。左側の水タンクの後部にハンドポンプのレバーが見えます。右側の水タンクの後部には軸動ポンプのフィードバックバルブが見えます。 OS製ドルテ 軸動ポンプを上から
軸動ポンプにチューブと銅パイプの配管が見えます。チューブは水の取り入れ、銅パイプはポンプの出側でボイラーへ向かうのでしょう。 OS製フォルテ 軸動ポンプを上から
フォルテもドルテ同様、軸動ポンプにチューブと銅パイプの配管が見えます。チューブは水の取り入れ、銅パイプはポンプの出側でボイラーへ向かうのでしょう。 配管には銅パイプのほかにチューブも使われています。圧力のかからないところでしょう。 私のOSコッペルでは軸動ポンプが不調になることがあり、機関車を立てて修理する時があります。 また、軸動ポンプの一部はボトムタンク内にあり、もしその部分の部品を交換する事態になれば、 ボイラーをおろす大がかりな修理となります。 それに比べてフォルテとドルテの場合ははるかに容易に修理できそうです。これは3分割による大きなメリットです。 ライブスチームに故障はつきもので1週間前に快調に走ったといっても今日もちゃんと走る保証はありませんし、 一度修理したからといってもなんども故障しますので、修理のやりやすさは大きなメリットだと思います。 更に3分割できるとなると、自宅のわずかなスペースで修理できます。私のコッペルは車からおろせないので、 修理する場合は狭い車の中で行うしかなく、大変不便です。 また、機関車の後ろ側には給水の取り入れ口が付いており、大きな水タンクからここに接続すれば長時間の運転も容易です。 動輪3軸のフォルテとドルテはおしりを左右に揺らしながら走ります。その姿はアヒルが歩く姿に似ており、 可愛く愛くるしい機関車です。 |