(その1の続き) OS製3.5インチゲージの”クラウス”。その詳細を見てみます。 OS製クラウス ハンドブレーキと、ドレンコックレバー
→はハンドブレーキです。右に倒すとブレーキが効きます(調整不良のため修理します)。
作りはOS製コッペルと同じです。
↓はドレンコックレバーです。手前に引くとドレンコックが開きます。押すとドレンコックが閉まります。
先端の部分にシリコン製のチューブが被せてあります。熱くなく操作しやすいです。でも、OS製コッペルのように、
上下に動かす(上で開き、下で閉まる)方がやりやすく、一目で開閉が分かります。
前後動では開いているのか閉まっているのか、わかりにくいです。 OS製クラウス 汽笛への蒸気管、逆転機、ハンドポンプからボイラーでの送水菅
→は汽笛弁を押すと、ここを蒸気が通り汽笛に送られ、汽笛が鳴ります。
←は逆転機です。この逆転機はテコ式で掛金ハンドルを握って扇形に沿って動かします。前に倒すと前進し、
後ろに倒すと後進します。発進時はフルギアにしますが、走行時は、センター位置(ミッドギア)に近づけると、
シリンダに送る蒸気の締切がはやくなり蒸気の節約になります。実物では細かく歯が刻んであるようですが、
OS製クラウスもコッペルも前後進共に、フルギアともう1歯の計2歯です。
ライブスチームの場合はこの程度で実用上は支障がないようです。
↓は右側のサイドタンク内にあるハンドポンプから送られてきた水が通る銅パイプです。
この先はボイラーの入り口に付いている逆止弁に接続されています。逆止弁内を通ってボイラーに入ります。
クラウスの給水用の逆止弁は運転室内のボイラー下部ではなく、煙室手前のボイラーの横腹に付いています。
次とその次の写真を参照してください。 OS製クラウス ハンドポンプのレバーと、逆止弁
右の↓はハンドポンプのレバーです。ハンドポンプはサイドタンク内にあり、
レバーを前後動するとボイラーに水が送られます。ハンドポンプの中には吸水側、
送水側のそれぞれに1個、逆止用のステンレスボールが入っています。これが座に吸着してしまうことがあります。また、
空気を噛んでしまうことがあります。空気を噛むとラムを押し込んでも戻ってしまいますので、すぐに不調に気づきます。
そうなった時はサイドタンク内に熱いお湯を入れると良いと聞きます。
長く走行しない場合は、時折、ハンドポンプを操作すると良いのでしょう。
また、ハンドポンプの中にゴミが入り、ステンレスボールと座との間に挟まると、ステンレスボールが座に密着できず、
送水できなくなります。吸水口には塵濾し(フィルター)が付いていますので、簡単には入りませんが希にあるようです。 OS製クラウス サイドタンクと、逆止弁
→は逆止弁です。
2つ前の写真の銅パイプがサイドタンクとボイラーの間を通って逆止弁に接続され、ここからボイラーに入ります。
ボイラーの反対側にも逆止弁がついており、そちらは軸動ポンプから送られてきた水のボイラーへの入り口です。
クラウスの給水機能はこの2つで、インジェクタやドンキーポンプは付いていません。写真の左側はサイドタンクです。
この中にハンドポンプがあります。 OS製クラウス 煙室戸を開けると・・・
煙室戸を開けました。→と 上側の←はブロアーです。
運転室内のブロアーバルブを開けるとボイラーの蒸気がこのパイプを通ってきて、煙室内でUの字に曲がり、
煙突の下から上に向かって吹き上げます。これにより煙室内に真空が生じ、それを補うため火室下部より空気を取り入れ、
石炭が活発に燃焼することができます。走行中は、ドラフトノズル(吐出管)より排蒸気を放出しますので、ブロアーバルブは閉めます。
下側の←には雄ネジがきってあり、煙室戸の真ん中の穴を通って外に出て、
雌ネジがきってある煙室戸ハンドルをねじ込んで煙室戸を密着します。しっかりとねじ込んで密着させないと、
ブロアーやドラフトにより生じた真空により、隙間から空気を取り込んでしまいます。 OS製クラウス ブロアーノズルと、ドラフトノズル(吐出管)
←はブロアーノズルです。先端部が細くなっています。
→はドラフトノズル(吐出管)です。シリンダの排蒸気を煙突の下から上に向かって放出します。
これにより煙室内に真空が生じ、それを補うための火室下部より空気を取り入れ、
石炭が活発に燃焼することができます。 OS製クラウス サイドタンクの排水口、汽笛、ブレーキ、灰箱開閉レバー
左側の↑は汽笛です。運転室内の汽笛弁を押すと蒸気が送り込まれて、
ピーと鳴ります。実物も”ピー”と鳴ったのでしょうか?
真ん中の↑はハンドブレーキホークです。ブレーキの調整はなかなか難しくて、
実用になっていません。時間を見つけて修理します。
右側の↑は灰箱の開閉レバーです。バネで上に押し付けられていますが、
レバーを下に押すと灰が落下します。火格子はここから取り出せます。
←は右側のサイドタンクの排水口です。圧力がかかりませんので、プラグは手で閉めただけです。 OS製クラウス ボイラーの安全弁
□内はボイラーの安全弁です。2連になっており、
約7Kg/cm2で吹き出します。OS製コッペルは約5Kg/cm2で吹き出しますので、
クラウスは2Kg/cm2高圧です。どうして、クラウスはコッペルより高圧なのでしょうか?ボイラーの水容量が小さいのに。
ちなみにボイラーの水容量は700ccです。今度、OS製品に詳しい倶楽部のメンバーの方に伺いたいと思います。
(その3に続きます) |