ライブスチームの運転


33. 3 1/2 inch gauge RobRoy steam locomotive(その2)  (H28.1.13掲載)

 (その1の続き)

 3.5インチゲージ ”RobRoy”を見ていきます。

”RobRoy”の火格子
”RobRoy”の火格子
火格子は1個で、長さ:87.3mm(3 7/16インチ)  幅:46.0mm(1 13/16インチ)です。
OS製クラウスの火格子は2個で、長さ:75.0mm  幅:72.0mmですので、少し長いですが幅は狭いです。 面積は、RobRoyが4016mmに対して、クラウスは5400mmで、クラウスの8割もありません。 蒸気圧の維持はクラウスでも難しいですが、もっと難しそうです。英国にはウェールズ炭などの高カロリーの石炭があるようですので、 その高カロリーの石炭を焚く前提で設計されているのでしょうか?


”RobRoy”の火格子
火格子を立てて上から撮影しました。少しテーパーがついています。写真の上側を上にして置くのでしょう。


”RobRoy”の火格子
火格子を完成しているボイラーの火室部にあててみました。中に入りません。


”RobRoy”の火格子
火格子は、横方向は入るのですが縦方向が入りません。ボイラーの火室部分の中に置くのではなく、 ボイラーの下のアシュパンの上に置くようです。


”RobRoy”のボイラー(横)
”RobRoy”のボイラー(横)
 キットには完成しているボイラーがついていました。長さ約300mm、円筒部の外径82mm、 内径78mm、銅板の厚みは2mmのようです。よく見ると火室部は前方向を下に傾斜しています。 一般に実物は前方向を下に傾斜していますので、それと同様のようです。製作本を見てみると、 アシュパンが前方向を下に傾斜しており、その上に置く火格子も当然傾斜することになります。 OS製クラウスやコッペルはたしか水平のような気がしますが・・・。


”RobRoy”のボイラー(上)
”RobRoy”のボイラー(上)
 ボイラーを上から見てみます。写真の左側が前で、右側が後ろです。 は蒸気ドームが付く部分です。□内は安全弁(2個)を付けます。 〇内はマニホールドを付けます。


”RobRoy”のボイラー(前 煙室側)
”RobRoy”のボイラー(前 煙室側)
 加減弁を開けた時、蒸気ドーム内の蒸気がを通って、 スーパーヒーターに入っていきます。はブロアバルブを開けたとき、 マニホールドから蒸気が送られ、ここに出てきて、煙室内のブロアに送られます。 大煙管2本(外径約19.1mm(3/4インチ) 内径約17mm)、小煙管7本(外径約9.5mm(3/8インチ) 内径約8mm)が見えます。 飽和式ではなく加熱式で、蒸気ドーム内の蒸気は、大煙管内のスーパーヒーターを通り、 過熱された後、蒸気室(STEAM CHEST)/シリンダに送られます。


 OS製クラウスも過熱式ですが、小煙管は7本で、直径(外径)は12mmです。 OS製コッペルは飽和式で、煙管は12本あり、直径(外径)はクラウスと同様に12mmです。 それでは、SUECHIKAの1番ゲージライブでは、どうでしょうか? 手元の資料によると、C62は過熱式で煙管3本のみで外径19mm、 D52は飽和式で煙管5本で外径16mm、C59は過熱式で煙管4本のみで外径16mm、 D51は飽和式で外径16mmが3本と外径12mmが2本となっています。
 それに比べると、小煙管の外径約9.5mm、内径約8mmは細く感じます。 よく走行しているOS製コッペルで太平洋炭を焚いた場合の煙管の詰まり具合いを考えると、 RobRoyに太平洋炭を焚いたのではすぐに煙管が詰まりそうです。 常時はウェールズ炭を焚いたとしても、蒸気圧低下時は私は太平洋炭を焚きたいのですが、 圧力を回復させることができても、煙管を詰まりやすくなるリスクを背負うことになりそうで、運転の難しそうな機関車です。

(その3に続きます)


トップページへ戻る