(その6の続きです) 駅に到着しました。ボイラーの水位、蒸気圧共に問題はなく、
これから運客を開始します。 お母さまとお子さまが乗車され、
運営スタッフの発車の合図で汽笛一声、
走りはじめます。 よく見ると、乗車待ちの小さなお客さまが、
発車していくマウンテンに注目しているようです。
”蒸気機関車”と分かっているのかな?。 トンネルを抜けた地点です。写真では分かりづらいのですが、 ここは、このレイアウトの最大の難所です。右カーブで連続急勾配なのです。 私は、コッペルで運客しているとき、歩く速度より遅く、止まりそうな速度で越えていきます。 時には、「私のせいかしら」と、 おっしゃるお客さまがいらっしゃいます。 必ず女性です。男性から聞いたことは一度もありません。 たとえ、お相撲さんの体型に近い男性でも、おっしゃたことはありません。 女性のなかでも、太った方(失礼しました)は絶対おっしゃらなく、 私から見ると、中肉で普通の体型の方が、なぜか、おっしゃるのです。 微妙な女性心理のようです。 ちなみに、「私のせいかしら」と、おっしゃたお客さまには、 すかさず、「人の目では分かりづらいのですが、 ここはカーブで上り勾配なのです。」と応えています。 たぶん、そう聞いて、その女性は安心/納得されるのではないかと思っています。 横道?にそれました。この箇所では、大量の蒸気を使用しますので、 フィードバックバルブは全開している(つまり、ボイラーに給水しない)ことが多いです。 最高地点直前です。この後は直線の下り勾配で、速度の出やすい箇所です。 速度オーバーにならないように気をつけます。 コッペル運転時は、加減弁は僅かに開けておき、 そして、蒸気の使用量がかなり減り、給水のチャンスですので、 フィードバックバルブを全閉して(つまり、軸動ポンプで給水)、ボイラーに給水します。 それでも、安全弁が噴きそうになることがあります。 そのときは、水面計を見て、まだボイラーに給水の余地があるのであれば、ハンドポンプでも給水し、 満水近くで給水の余地がなければ、焚口戸を開けます。 また、お客さまを乗せた乗用台車を何輌も牽引しているときは、 乗用台車に後ろから押されますので、速度が出る前に加減弁を絞った方がいいと思います。 なお、マウンテンでは、第4動輪の車軸の回転運動を、テンダーの全車輪に伝達する構造からか、 惰行走行は、しづらいようです。シェイが惰行走行をしないのに、ちょっと似ています。 まもなく、駅です。
「停車するまで、しっかりと手摺につかまっていてくださいネ。」 1周走行して、発車した駅に戻ってきました。そして、お母さまとお子さまが降車され、
次のお客さまが乗車されました。お父さまとお子さまのようです。 お父さまとお子さまを乗せた、マウンテンの列車が、鉄橋を通過中です。 (その8に続きます) |