(その7の続きです)
午前の運客は、10時から12時までです。
12時になり、機関庫?に戻ってきました。ランチ&休憩時間です。
午後の運客は、1時から3時までです。
1時から運客を再開しますので、
”1時までの間、どのようにして、ボイラーの蒸気圧と水位を維持するのか?”が課題になります(一旦、
火を落とし、再度スチームアップを行うのであれば、この課題は生じませんが・・・)。
所属する倶楽部のメンバーの方から、昼休みの対処の仕方を訊かれたことがあります。
使用している燃料(オガ炭、有煙炭、無煙炭)によって、少し異なると思いますが、
特にウェールズ炭の場合は、難しいように思います。ウェールズ炭は強い通風を要する石炭で、
通風が無い/弱いと消えてしまいます。そこで、私は普段ウェールズ炭を使用しているOS製コッペルにおいて、
試しに木炭を焚いてみたことがあります。
午前中の運客を終えて、真っ赤に燃焼しているウェールズ炭の上に、木炭を数片入れてみたのです。
結果は、ボイラー蒸気圧は、そこそこ維持でき、また、
安全弁が噴くほどには上昇しない点は良いのですが、運客再開時間が近づいて、
ウェールズ炭を焚いて火床を作る上で、
何片か入れた、木炭の塊が邪魔に感じました。う〜〜ん、いまいちです。
現在は、木炭は使わず、ウェールズ炭だけを焚き、
ブロアーバルブはウェールズ炭が消えない程度の必要最小限開けることとし、
開け過ぎて活発に燃焼させてしまい、安全弁を噴かしてしまうことのないように努めています。
でも、なかなかうまくいきません。安全弁を噴かしてしまい、ボイラー水位の低下に拍車をかけてしまったり、
反対にボイラー蒸気圧が低下してしまい、3kgf/cm2を下回ることも、しばしばあります。
その場合は、時計を見つつ、1時少し前に安全弁が噴くくらいになるよう、
ブロアーバルブを全閉し、電動ブロアを使って昇圧しています。
なお、ボイラー蒸気圧がかなり低下し、電動ブロアを使うだけでは、
回復困難な場合は、更なる対処策として、一時的に有煙炭(太平洋炭)を焚き、
ボイラー蒸気圧が充分昇圧したら、ウェールズ炭に戻しています。
このマウンテンにおいては、スチームアップ時に少しウェールズ炭を焚いていましたが、
その後は運客中もオガ炭を焚いていました。
なお、現在のボイラー水位は、
水面計の半分より少し高い位置です(←)。
ボイラーの圧力計の針は、4.5kgf/cm2をぐらいを指しています。
ボイラーの水位、蒸気圧共に十分です。この良好な状態を1時まで保ちたいのです。
オガ炭はウェールズ炭と違って、全く通風が無くても、火が消えることはありません。
ので、ブロアーバルブを全閉しても構いません。昼休みになったら、ボイラーにしっかりと給水した状態で、
オガ炭をそこそこ入れておけば良さそうです。
機関車に火が入っているときは、機関車から目を離さないのが原則だと思っていますが、
オガ炭で保持する場合は、トイレに行く時間など、少し時間的余裕がありそうです。
ブロアーバルブは全閉ですので、安全弁が噴くほどには、ボイラー蒸気圧は上がらず、
ひいてはボイラー水位の低下は緩やかだからです。
ブロアーバルブは全閉ですので、通風はまったくなく、
煙突の上から見てみました。でも、吐出管や通風器は確認できませんでした。
1時少し前になりましたので、出庫します。
この午後の立ち上がりが難しいです。ウェールズ炭にせよ、オガ炭にせよ、難しいです。
ボイラー蒸気圧が4kgf/cm2ぐらいあって出庫しても、
走りはじめると瞬く間に、3kgf/cm2を下回ってしまうことが多々あるのです。
いわゆる”出下がり”です。
この原因は、昼の1時間の間に、火室内が痩せ細り、”粘り”がなくなったためではないか、
と思っています。粘りがないがゆえ、蒸気を使用して走行するという負荷に、耐えられないように思います。
ですので、1時より少し早い時間に出庫し、たとえ、蒸気圧が低下しても回復させる時間的余裕をもち、
また、ボイラー水位は水面計の半分程度はもって、
軸動ポンプなどからの給水開始までの時間的余裕をもって(つまり、走りはじめはボイラーに給水しない))、
出庫するのが無難だと思っています。
なお、実機の世界でも”発車直後の1分間にボイラー蒸気圧を下げないよう(”出下がり”にならないよう)戒められていた。”ようです。
写真は午後の運客を開始し、駅から出発していくところです。
オーナーさまの運転で、マウンテンが凛々しく出発していきます。
「行ってらっしゃ〜〜〜い!!!。」
(その9に続きます)
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