ライブスチームの運転


494. アスターホビー製 1番ゲージ スクールズ  (その2)  (R2.6.21掲載)

  (その1の続きです)

スクールズの運転室
 
スクールズの運転室を見てみます。 ご覧のとおり、3.5インチゲージや5インチゲージの石炭焚きの機関車と比べて、シンプルです。


 @ : 加減弁(レギュレーターバルブ)
      同じような弁が、2つ並んでいます。運転室に向かって、左側が加減弁です。加減弁はネジ式で、 3.5/5インチゲージの機関車のものと、大きさに違いがありますが、形状は概ね同じかと思います。 一方、運転操作上は、大きな違いがあります。3.5/5インチゲージの機関車の場合は、 テンダーもしくは機関車の次位に連結した乗用台車に乗って運転操作しますので、 適宜、開閉調整ができます。しかし、このスクールズでは、 走行中に、このバルブを回して、開閉調整することは困難です。


      
      これは、私の”8550”の写真です。走行中においても、少しでも操作が、し易くなるように、 加減弁にハンドル()を付けたものです。 それほど速度が出ていなければ、ハンドル操作ができます。但し、見栄えは少し悪くなります。


      
      ハンドルの取り付け部をアップした写真です。 タップで雌ネジを切って、2ミリのネジ2本で取り付けました。 はじめはネジ1本でしたが、弁を開閉していたら、ネジが緩んできたため、 ネジを2本にしました。


 A : 通風弁(ブロアーバルブ)
      運転室に向かって、右側が通風弁です。 こちらも、3.5/5インチゲージの機関車のものとは、大きさに違いがあるだけかと思います。 一般に走行中は全閉状態です。


 B : 給水逆止弁(チェックバルブ)
      この機関車には、ハンドポンプなどの給水装置を装備していませんが、 給水逆止弁が付いています。ので、外付けのハンドポンプを接続して、給水することが可能です。 但し、水面計は付いていなく、水位が分かりませんので、現実的には、 ここから給水することはないかと思います。


運転室の下方の写真です。 第2動輪が見えます(→ ←)。 ”スクールズ”は、狭火室の機関車のようです。


 
テンダーです。前方には燃料タンクがあり、 このプラグ()を外して、燃料用アルコールを入れます。 これは()、燃料タンクの弁で、 プラグ()を外すときは、必ず閉めておきます。 左に回して弁を開けると、燃料タンク内の燃料用アルコールは、燃料タンクの下にあるサンプに送られます。


公式側です。軸配置は、4−4−0、2B、アメリカンです。


第1動輪(主動輪)の上にある、ネームプレートには、 ”WINCHESTER”とあります。 イングランドの地名でしょうか。


 弁装置の動作について、5インチゲージの機関車を何台も設計・製作されている、 所属する倶楽部のメンバーの方の解説をお聞きしたことがあります。が、 チンプンカンプンで私には理解不能と思っていました。 が、田口さまの著書「蒸気機関車の作り方(少年技師ハンドブック)」をあらためて読んでいたところ、 動くメカニズムや設計方法が書かれているのを見つけて、勉強しています。 そこで、機関車を横に倒して、動輪を手でゆっくりと回して、弁装置の各部品の動きを観察してみました。

 ピストンが死点に達する前に、 ピストンの行程より位相が進んでいる弁心棒)が、 ピストン棒)と逆方向に動くこと、 つまり、まだピストン棒()が左方向に動いているときに、 弁心棒()が右方向に動きはじめることを目で確認しました。 ピストンが死点に到達してから、弁を開き(給気)はじめるのではなく、 死点に到達する前から、弁を開き(給気)はじめているということになります。 なお、この機関車の弁装置は、スリップリターンクランク式で、 カットオフは75%です。逆転機はありませんので、常にピストン行程の75%で弁が閉じられ、 膨張行程に移ることになります。


テンダーです。側面には大きく、 SOUTHERN 901とあります。 SOUTHERNは鉄道会社名かと思います。 車輪は3軸で、日本の8620形のテンダーに似ているように思います。 日本の設計者がイギリスの蒸気機関車を意識していた?、のかもしれません。


(その3に続きます)  


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