今回のテーマは、”5インチゲージのC571”です。動輪舎さまのC56より大きいです。実機がC56より大きいので当然ですが。
普段よく見ているのはOS製ですので、それと比べると大きいというより、”巨大”です。
その”巨大”な蒸気機関車C571を石炭を焚いて走らせようというのです。 5インチゲージ C571
実機のように見えます。「やまぐち」号のヘッドマークを掲出すると、
もっと良いかもしれません。 このC571はパーパス製のようです。ごく少数しか製作されていないようで、写真などもほとんど見たことがありません。 わずかに「庭園鉄道年鑑86/87」(昭和61年 プレス・アイゼンバーン発行)において、 技巧舎さまの”全国庭園鉄道一覧”の中で写真が掲載されているのしか私は知りません。撮影場所は静岡県富士市のようです。 そのうちの1両を所属する倶楽部のメンバーの方が入手されまして、走行のお手伝いをさせていただきました。 <5インチゲージ ”C571”の仕様> 全長 ・・・・・・・ 2433mm 高さ ・・・・・・・ 470mm 幅 ・・・・・・・・・ 335mm 重量 ・・・・・・・ 301.4kg (機関車191.4kg + テンダー110.0kg) 動輪直径 ・・・ 208mm シリンダー ・・ 直径(ボア):56mm 行程(ストローク):76mm 弁装置 ・・・・・ ワルシャート式弁装置(Walschearts valve gear) 給水方式 ・・・ 軸動ポンプ2基、ハンドポンプ 給油 ・・・・・・・ 機械式 ボイラー ・・・・ 飽和式 大煙管4本 小煙管17本 水容量:14リットル 火格子 ・・・・・ 長さ:約23cm 幅:約13cm TMS誌に掲載されたメーカーの広告では ”1/8” とありますが、1/8.4ではないかと思い、計算してみます。 全長から 実機は20280mmですので、実機のサイズ/ 模型のサイズ=縮尺 20280mm / 2433mm = 8.34 高さから 実機は3945mmですので、実機のサイズ/ 模型のサイズ=縮尺 3945mm / 470mm = 8.39 動輪直径から 実機は1750mmですので、実機のサイズ/ 模型のサイズ=縮尺 1750mm / 208mm = 8.41 シリンダー ボアから 実機は500mmですので、実機のサイズ/ 模型のサイズ=縮尺 500mm / 56mm = 8.92 シリンダー ストロークから 実機は660mmですので、実機のサイズ/ 模型のサイズ=縮尺 660mm / 76mm = 8.68 数値は同じではありませんが、全長・高さ・動輪直径は、ほぼ”1/8.4”のようです。ボア・ストロークは”1/8.4”よりやや小さいです。 全体としては、”1/8”というより、”1/8.4”といった方がよさそうです。 自動車上のC571
オーナーさまの自動車の荷台です。左に機関車が、右にテンダーが見えます。
重量物ですので頑丈な運搬容器に納まっています。
オーナーさまと私の二人がかりで、自動車から運転会場へ運び入れます。 自動車にはリフトが付いています。そのリフトと、運転会場のリフト台車2台を使って、
運転会場のレールに載せようとしています。自動車のリフトとリフト台車2台で高さを合わせつつ、
レールの高さに合わせます。レールはご覧のように高架になっていますので、このように運び入れることができます。 まず、機関車を自動車から降ろして、レールに載せます。
200kg近くある重量物ですので慎重に運び入れます。万一、倒れてきたら支えようとしてはいけません。
避けないといけません。大怪我しますので。そのぐらい大きいのです。 C571のテンダー
機関車に続いて、テンダーも運び入れます。テンダーとはいえ、100kgを超える重量物ですので、
こちらも慎重に運び入れます。 レールに載ったC571
やっと運び入れました。一人で運び入れるのは無理でしょう。 C571の前面です。 C571の後面です。 機関士側の前側です。 機関助士側の前側です。 ”貴婦人”といわれているC57。この模型のC57でも細身のボイラーから、そう言えるように感じます。 製作されたパーパスさまもこの点を充分に意識されて、設計・製作されたのかもしれません。 実機C571は1937(昭和12年)3月22日、川崎車輌で製造されました。79年経ちます。 0系新幹線は昭和39年の東海道新幹線の開業時に走行しましたが、 今は1輌・1編成も走行していないことを考えると、今もC571が走行する姿は”老骨にムチをうって”の世界です。 保有しているJR西日本さまには、感謝すると共に今後も出来るだけ長く走行させていただければと思います。 一方、こちらのC571は製作から何年経つのでしょうか?手元のTMS誌1984年2月号にパーパスさまの広告が掲載されています。 もし、その頃製作されたのであれば、32年経ちますが・・・。 ところで、どなたが最初にC57のことを”貴婦人”と、おっしゃたのでしょうか? ぞっこん、”シゴナナ”に惚れ込んだのかもしれません!!! (その2に続きます) |