ライブスチームの運転


55. 5インチゲージ C571  (その6)  (H28.3.31掲載)

  (その5の続き)

走行開始
走行開始
この地点は上り勾配、かつ右カーブで、このレイアウトで最も厳しい地点です。 以前、この地点でC571が脱線しましたので、慎重にテストしました。 火を入れる前にこのC571のオーナーさまと共に、この地点まで転がしていき、脱線しないかテストしてみました。 幸い今回は脱線しませんでした。が、このカーブはC571にとってはキツいことには変わりはありません。


走行開始
カーブを上りきれば直線となり、かつ下り坂になります。今度は速度の出しすぎに注意を要します。 特に直径の大きな動輪ですので、速度オーバーしそうですので。線路脇には注意喚起のため、「徐行」の標識が配置されています。


しばし休憩
しばし休憩
青空の下、憩うC571。大きな動輪に細身のボイラーのC57らしさを感じます。


不具合い (その1)
不具合い (その1)
 今回、約1年ぶりに走行してみて、不具合がなければ、 1週間後の倶楽部の定例運転会(毎月第1日曜日)で運客する予定なのです。
 が、いくつか不具合が見つかりました。運転中、蒸気圧維持がいまいちでして、 ”私の運転操作方法に問題があるのかな?”と思っていたのですが、運転終了後にその原因が分かりました。 原因は2つありました。一つ目がこの写真です。見た目では分かりません。それゆえ、なかなか気がつかなかったのです。 実は、煙室戸ハンドル(↑)のネジが緩んで、 煙室戸がきちっと閉まっていませんでした。煙室内が密閉されず、 ピストンを動かした蒸気が吐出管から勢いよく出て、煙突から排出されることにより生じる真空を補う空気は、 火室下部から取り込むべきところを、一部煙室戸の隙間から吸い込んでいたものと思われます。


不具合い (その2)
不具合い (その2)
もう一つの原因の箇所がこの写真です。こちらも見た目ではあまり分かりませんので、 なかなか気がつきませんでした。


煙室内部をアップして見てみます。
不具合 (その2)
 @:ブロアーノズル
 A:吐出管(ドラフトノズル)
 B:主蒸気管(スチームパイプ)
 C:ペチコート

 ブロアーノズル(@)の向きがズレていました。煙突に向かっているべきところ、 少し運転室側に曲がっていました。 運転終了後、煙突の上から中を覗いてみたときに、気がつきました。 走行中もドラフトの弱さを補うために、少しブロアーバルブを開いていたのですが、 ブロアーバルブを閉めて走行したときと、ほとんど違いが無かったので、”変だな?”と思っていたのですが、 その原因が判明しました。以前、煙管を掃除したときに、ブラシがブロアーノズルに触れて曲がったのかもしれません。 今後、煙管掃除する時は気をつけてやることとします。


 煙室戸ハンドルを回して煙室戸をしっかりと締め、ブロアーノズルの向きを直して、テスト走行を終了しました。 そして、1週間後の所属する倶楽部の定例運転会に臨みました。 その模様を倶楽部のメンバーの方が撮影され、YouTubeにアップされましたので、紹介します。 映像は4本(その1からその4まで)あります。

検索キーワード : 20160306よさみその1
 <解説>
  駅でお客様を乗せて、汽笛を鳴らして発車するところから映像がスタートしています。発車後も安全弁が噴いています。 蒸気圧の上がり具合いが良いです。蒸気を安全弁から放出するのはもったいないので、 テンダーに付いているハンドポンプを操作し給水しています。軸動ポンプでも全量給水しています。 左にカーブし、緩やかな坂を登っていくところで、乗客のお父様が左手を振っています。 お母様が左側の柵の外から撮影されているのかもしれません。そうであれば、ご家族で楽しんで頂いていることになります。 私も大変嬉しいです。
 <映像中の運転操作>
  ・汽笛弁 : 発車時、加減弁ハンドルを開ける前に鳴らしています。
  ・逆転機 : 前進フルギア。発車後もそのままにしています。発車して、まもなく上り勾配ですし。
  ・加減弁ハンドル : 全閉状態から、開けます。発車すると速度をみながら少し絞り調整しています。
  ・通風弁 : 常時、少し開けた状態です。 ← この点はその7でご紹介します。
  ・フィードバックバルブ : 常時、全閉。つまり軸動ポンプから出た水の全量をボイラーに給水しています。
  ・ドレンコック : シリンダは暖まっていますので、発車時も開けていません。
  ・ボイラー蒸気圧 : 5.0〜5.5Kg/cm


検索キーワード : 20160306よさみその2
 <解説>
  その1と同様、駅でお客様を乗せて、汽笛を鳴らして、テコ式加減弁ハンドルを引いて発車するところからスタートしています。 ネジ式逆転機は前進フルギアに入れています。 倶楽部の運営スタッフがお客様に手を振って見送っています。 乗用台車を4輌連結し、多くのお客様を乗せています。 ”その1”より重さを感じて運転しています。 安全弁が噴くくらい、蒸気圧が上がっており、 蒸気圧低下の心配はしていません。 ブロアーバルブは常時少し開けています。1週間前と違って、修理したので、ちゃんと効いているようです。右にカーブし、 トンネルに入る直前で汽笛を鳴らしています。いい音です。
 <映像中の運転操作>
  ・汽笛弁 : 発車時、加減弁ハンドルを開ける前に鳴らしています。そして、トンネルに入る直前でも鳴らしています。 柵外で見学されている方へのアピール(?)と、乗客の皆さまに楽しんでいただくためのサービス(?)の意味も込めて鳴らしています。 でも、もし、蒸気圧が低下していたら汽笛は鳴らせません。乗客の皆さまに楽しんでいただくためのサービスどころではありませんので。 惜しみなく汽笛を豪快に鳴らすことができるのは、快調に蒸気圧が上がっている時でないと、できません。 お客様はそんな事情はまったくご存知ないことでしょう。でも、機関士の私としては、 そんなことはお客様には一切言わずに、さりげなく、それが実現できれば一人で満足感を味わうことができるのです。
  ・逆転機 : 前進フルギア。発車後もそのままにしています。発車してまもなく上り勾配ですし。
  ・加減弁ハンドル : 全閉状態から、開けます。発車すると速度をみながら少し絞り調整しています。
  ・通風弁 : 常時、少し開けた状態です。開け加減の調整はしていません。
  ・フィードバックバルブ : 常時、全閉。つまり軸動ポンプから出た水の全量をボイラーに給水しています。
  ・ドレンコック : シリンダは暖まっていますので、発車時も開けていません。
  ・ボイラー蒸気圧 : 5.0〜5.5Kg/cm


検索キーワード : 20160306よさみその3
 <解説>
  エンドレスのレイアウトを1周走行してきて、まもなく駅に到着するところです。 相変わらず安全弁が噴いていますので、ハンドポンプを操作し給水しています。 軸動ポンプからの給水がやや不調で、入りが不充分なのです。駅に到着しますので、 ハンドポンプの操作をやめて、テコ式加減弁ハンドルを戻して速度を落としていきます。 線路上に人が居ないか前方を注視しながら駅に進入し、そして停止します。 多くのお客様に乗っていただいていますので、乗用台車に押されますし、 また、C57だけでも約300Kgですので、すぐには止まれません。 両足を地面につけても止まりませんので、慎重に操作します。
 <映像中の運転操作>
  ・汽笛弁 : 映像では鳴らしていませんが駅に進入しますので、もし線路上、 もしくは線路の近くに人が居たら鳴らして知らせます。
  ・逆転機 : 前進フルギアのままにしています。
  ・加減弁ハンドル : まもなく駅ですので、駅の手前で少し閉めて、速度により適宜調整しながら駅に進入し全閉し停車させます。
  ・通風弁 : 常時、少し開けた状態です。開け加減の調整はしていません。
  ・フィードバックバルブ : 常時、全閉。つまり軸動ポンプから出た水の全量をボイラーに給水しています。
  ・ドレンコック : 閉めています。
  ・ボイラー蒸気圧 : 5.0〜5.5Kg/cm


検索キーワード : 20160306よさみその4
 <解説>
  ”その2”の映像後も、右カーブかつ、登り坂が続きます。登りつめると直線になり、 下りになります。映像は下りはじめて、まもないところからスタートしています。 下りで、かつウェールズ炭を使っているせいか、煙がほとんど出ていません。 上り坂から下り坂になり速度が上がりましたので、乗客の子供達が「早いっ!!」と 言っています。お客様が手を振っています。撮影している倶楽部のメンバーか、 あるいは運営スタッフに手を振っているのでしょう。この地点は駅の裏側で半周回ってきたところです。 駅の2番線からはOS製フォルテが発車したところで、その後ろにはOS製S6(SUPER-6)が見えます。 1番線では、名鉄3400系 通称”いもむし”が待機しています。 OS製フォルテはお客さまが乗っている乗用台車を元気よく牽引していきます。 一方、右側では先ほどC571が通過した地点を、OS製ドルテが下ってきました。 駅の2番線ではOS製S6(SUPER-6)がテンダーに給水中のようです。安全弁が噴いていますので、蒸気圧充分でしょう。 お客様がやってきたようです。乗車後、すぐに発車できるでしょう。
 <映像中の運転操作>
  ・汽笛弁 : 鳴らしていません。
  ・逆転機 : 前進フルギアのままにしています。
  ・加減弁ハンドル : 映像の少し手前の下り勾配となった時に少し閉めていますが、全閉にはしていません。 実車ほど、転がりませんので、少し開けています。
  ・通風弁 : OS製コッペルの場合は下り勾配ですので、全閉状態から少し開けますが、 このC571では常時少し開けており、映像中も操作していません。
  ・フィードバックバルブ : 常時、全閉。つまり軸動ポンプから出た水の全量をボイラーに給水しています。
  ・ドレンコック : 閉めています。
  ・ボイラー蒸気圧 : 4.5〜5.0Kg/cm


(その7に続きます)  


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