ライブスチームの運転


559. セントラル鉄道製 5インチゲージ 68621(8620形) 第1回試運転  (その9)  (R3.2.14掲載)

  (その8の続きです)

 
 一部の曲線と、ポイントにおいて、”先輪が脱線する”ことに対処するため、 機関庫に戻ってきました。 そして、写真の通り、先輪を浮いた状態にして、先輪・先台車をチェックしています。 5インチゲージで多数のライブスチームを設計・製作された倶楽部のメンバーの方より、 先輪が下を向く/下がり具合いが少ないとのことです。 言われてみれば、線路上にある第1動輪と比べて、先輪の下がり具合いが少ないように見えます。


 
機関車の下にもぐって、先台車を下から見てみます。 写真の右方向が機関車の前方で、左方向が機関車の後方です。 これ()が、先台車の心向棒の中心ピンです。 左側の写真の中心ピン付近をアップして見たのが、右側の写真です。 このピン()を中心に先台車が左右動/上下動をします。


先台車を取り外すのに、支障となるブレーキ関係部品などを取り外した後、 先台車を取り外しました。取り外した部品を無くさないよう、注意します。 なお、写真左下のオレンジ色の毛布は、床に横になって作業をするとき、下に敷くために用意されたものです。


 
取り外した先台車です。 心向棒の中心ピンが入るこの穴()の径を大きくして、ガタをつくります。 直径8mmから8.5mmに広げ、更に9mmまで広げました。


 
穴の径を大きくするのに使用した、ボール盤です。 ドリル刃は最初に8.5φを使用しましたが、先輪の下がり具合いをもっと大きくするため、 次に9φを使用し貫通させました。


 床に横になって、先台車を取り付けています。取り外したブレーキ関係部品なども取り付けます。 ”先台車を取り外す→心向棒の中心ピンが入る穴の径を大きくする→先台車を取り付ける”、 一連の作業は全て、 5インチゲージのC55・C62・Big Boyなど多数のライブスチームの設計・製作された倶楽部のメンバーの方が、 お一人で行われました。作業されている様子を見ていると、自然と手が無駄なくテキパキと動いていき、驚きました。 私はただ見ているだけでした。


改善の具合いを確認するため、本線に向かっています。火室の火は消えていますので、 手で押しています。ちなみに逆転機は前進にし、シリンダードレンコックは開いています。


本線上を手で押してみた結果、曲線での脱線は、なくなりました。 心向棒の中心ピンが入る穴の径を大きくして、ガタをつくった成果だと思います。 しかし、残念ながらポイントでの脱線は改善されません。


営業列車の走行に支障をきたさないよう、支線に退避しました。 そして、オーナーさまを交えて、倶楽部のメンバーの方々が、再び改善策について、談義しています。 数年前にセントラル鉄道製8620形を完成させた、倶楽部のメンバーの方が行った、 バネを入れて、先輪を線路に押し付けるよう、改善を行うこととなりました。


 
改善策が固まったところで、第1回試運転を終了します。 ボイラーとテンダーの水を抜き、煙室戸を開けて煙管掃除を行います。 改善策対処後は、きっと快走することと思います!!!。


(その8へ戻ります)  


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