(その7の続きです)
68621の試運転を行っています。
機関車の前面に、”試運転”の表示をしています。
お客さまに”試運転がゆえ、運客をしないこと”を表示しているのです。
68621の製作にたずさわれた、倶楽部のメンバーの方も、試運転に立ち会われました。
そして、運転されました。さぞ感慨深いことと思います。
オーナーさまのご厚意で、私も運転させていただきました。
セントラル鉄道製8620形については、以前、倶楽部のメンバーの別の方が、
製作・完成された機関車を運転させていただいたことがあります。
が、数年前のことです。
普段、運転しているOS製コッペルの加減弁ハンドルがネジ式に対して、
この機関車はテコ式です(←)。
実機同様に手前に引くと、加減弁が開いて動き出します。が、加減弁を開きすぎると、動輪が空転してしまいます。
また、速度が上がり過ぎて、加減弁ハンドルを戻すと、今度は速度がガクッと落ちてしまいます。
テコ式の加減弁ハンドルの扱いには、慣れと工夫が要ります。
新車で煙管が綺麗なこともあってか、ボイラー蒸気圧の上がり具合いは良好です。
但し、狭火室の縦長の火室を全面に渡って、活発に石炭を燃焼させる必要があります。
使用した石炭はウェールズ炭(ビーンズ)ですので、強い通風が必要です。
そのため、走行中もブロアーバルブを少し開けたままとしました。
なお、使用したのは、右側の写真の、メジャーの右側のショベルです。
私がOS製コッペルで使用しているメジャーの左側のショベルでは、
小さくて適当でないと思います(写真はウェールズ炭(ビーンズ)を掬った状態です)。
単機の走行で、乗用台車を連結していませんので、蒸気を余して、安全弁を噴かしてしまいます。
水面計とボイラーの圧力計を見つつ、安全弁が噴きそうであれば、右手を伸ばして、
非公式側運転室下にある、フィードバックバルブを全閉し、ボイラーに給水します。
テンダーの運転席に座って、前方を見た写真です。
運転中はご覧のように見えます。なお、運転し易いよう、運転室の天井の一部が切り取られています。
実は、ちょっと操作ミスをしました。停車して石炭を投炭し、水面計を確認したところ、
水位が低下していたので、ハンドポンプのハンドル(↓)を前後動して、
ボイラーに給水を試みたのですが、水面計を見ていても、一向に水位が上がってこないのです。
軸動ポンプからの給水時だけではなく、
ハンドポンプからの給水時もフィードバックバルブを閉める必要があるのです(ボイラーへの給水経路については、
553.セントラル鉄道製 5インチゲージ 68621(8620形) 第1回試運転 (その3) (R3.1.24掲載) を参照してください)。
オーナーさまに教えていただくまで、全然が気がつきませんでした。
68621の試運転には、倶楽部のメンバーの方々が集われました。
毎月第一日曜日開催の定例運転会以外で集うことは少なく、みなさんの関心の高さがうかがわれます。
試運転において、一つ問題が見つかりました。
一部の曲線と、ポイントにおいて、”先輪が脱線する”ことです。
”536〜550. 5インチゲージのC57128と、
令和2年秋の白馬ミニトレインパーク”でレポートしました、5インチゲージのC57128と同様の問題です。
数年前にセントラル鉄道製 5インチゲージ 8620形を完成させた、倶楽部のメンバー方や、
5インチゲージでC55・C62・Big Boyなど多数のライブスチームを設計・製作された倶楽部のメンバー方などが対処策について、
談議しています。
ひとまず、脱線時は一人が機関車の前部を持ち上げ、もう一人が先輪を復線し、
営業列車の運行に支障をきたさないようにします。
(その7へ戻ります) (その9に続きます)
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