ライブスチームの運転


588. ライブスチーム(模型蒸気機関車)試運転時のチェック事項  (その1)  (R3.6.12掲載)

 所属する倶楽部のメンバーの方が長年にわたって製作されてきました、 セントラル鉄道製 5インチゲージ 68621(8620形)が完成し、 昨年11月と12月に試運転のお手伝いをさせていただきました(その模様は、551.セントラル鉄道製 5インチゲージ 68621(8620形) 第1回試運転を参照してください)。 また、今年4月には5インチゲージ C57128の試運転のお手伝いをさせていただきました(その模様は、577.令和3年4月 5インチゲージ C57128の試運転を参照してください)。
 これらのお手伝いの機会をいただいて、”試運転において、どんなことをチェック・確認したらよいのか?”、 あらかじめチェック表を用意しておくといいと思い、作成してみることとしました。もちろん、完成版ではありません。たたき台・素案です。


OS製コッペル
1.準備時にチェックする事項、2.スチームアップ時にチェックする事項、3.走行時にチェックする事項、4.走行終了後にチェックする事項、5.総合評価 の5つに分類して考えてみます。チェック表の出来具合を検証するため、 まずは、私のOS製コッペルをチェック・評価してみます。試運転ではありませんが、ご容赦ください。
 評価は、〇:良い/問題なし  △:やや良い  ×:問題有り/改善要  ー:該当なし とし、 必要に応じて、コメントを付記します。


 まずはじめは、1.準備時にチェックする事項です。 機関車に火を入れる前までにチェックする事項です。
項番1:運搬する自動車への積み込みから積み降ろし作業まで、問題なく安全にできるか?。
 [解 説]
  運転会場に機関車を保管してあるケースは少なく、多くは自動車に積載して運搬することになります。 重量物である機関車や乗用台車などを積み込み、移動し、運転会場に着いたら、積み下ろし作業を行います。 この積み込み・積み下ろしが安全にできるか?。また、車両を自動車にチャンと固定しておかないと、移動中に破損する恐れがあります。 これらの点を評価します。
 [評 価]
  私のOS製コッペルの場合、保管場所は車内ですので、積み込むのは、乗用台車や工具・石炭などです。 これは、よさみ鉄道倶楽部の定例運転会が開催される、フローラルガーデンよさみ(愛知県刈谷市)における、 積み下ろし作業中の写真です。コッペルが収納されている、木箱を片側ずつ渡し用の木板に乗せ、 少しずつ車内から引き出し、そして現地にあるリフト付きの台車に乗せているところです。 特段の問題はなく、評価は〇:良い/問題なしです。


項番2:エンジンとテンダーを確実に連結できるか?。また、連結は、やりにくくないか?。
 [解 説]
  テンダー機関車の場合にチェックする項目です。テンダー機関車の場合、エンジンとテンダーを切り離した状態で運搬し、 運転会場で連結するケースがほとんどだと思います。 その連結は確実にできるか、また、その連結がやりにくくないか、評価します。
 [評 価]
  私のOS製コッペルはタンク機関車ですので、評価はー:該当なしです。


項番3:エンジン側とテンダー側、機関車側と次位に連結した乗用台車側のパイプの接続は、確実にできるか?。また、やりにくくないか?。
 [解 説]
  テンダーの水槽から、エンジン側にある軸動ポンプやインジェクターへ送水するパイプ、軸動ポンプからテンダーの水槽への戻り用のパイプ、 テンダーにハンドポンプを搭載している場合のボイラーへ送水するパイプの接続は、確実にできるか?。 また、接続はやりにくくないか、評価します。 なお、タンク機関車の場合においても、次位に連結した乗用台車に水槽を積載し、 機関車に送水するパイプがある場合は評価します。
 [評 価]
  私のOS製コッペルはタンク機関車ですので、評価はー:該当なしです。


項番4:機関車と車両や、車両同士の連結は、確実にできるか?。また、やりにくくないか?。
 [解 説]
  機関車と乗用台車などの車両との連結や、車両同士の連結が確実にできるか?。また、やりにくくないか、評価します。
  
 [評 価]
  コッペル側の板カプラー()と、 乗用台車側の板カプラー()をカプラーボルト()で連結します()。 カプラーボルト()を下から、乗用台車側の板カプラーの穴と、コッペル側の板カプラーの穴に差し込んで、 カプラーボルトの穴にRピン(スナップピン)()を横から差し込んで抜けないようにします。 なお、高さを合わせるため、乗用台車側の板カプラー()を下に少し曲げてあります。 コッペルの朝顔形連結器()はダミーとし、実際の連結に使用していません。 評価は〇:良い/問題なしです。


項番5:摺動する箇所への注油等は、やりにくくないか?。
 [解 説]
  機関車の摺動する箇所にマシンオイルを注したり、グリースを塗布しますが、その作業がやりにくくないか、評価します。
 
 [評 価]
  左側の写真は、高架レールの下側から撮影したもので、写真の右側がコッペルの前側で、左側が後ろ側です。 内が軸動ポンプの駆動部です。アップで撮影したのが、右側の写真です。 フィードポンプピストンシャフトと、エキセントリックタンブラーの接続(接触)部分()と、 エキセントリックとエキセントリックタンブラーの接触部分()にたっぷりと注油します。 この作業は高架レールの下に寝そべって行いますので、注したオイルが自分に垂れ落ちてくることがあり、 評価は〇とはいいにくく、△:やや良いとします。


項番6:シリンダーに給油する給油器へスチームオイルは、入れにくくないか?。
 [解 説]
  シリンダーにはスチームオイルを給油しますが、その給油器のタンクへスチームオイルが入れにくくないか、評価します。
 
 [評 価]
  Aは機械式給油器で、@がその蓋です。 タンクへスチームオイルを入れるため、蓋を取って、運転室の屋根に置いたところです。 OS製コッペルの機械式給油器は運転室の左上部にありますので、走行中でも残量を確認することができますし、 補充しやすいです。タンクにいっぱい入れたところが、右側の写真です。 評価は〇:良い/問題なしです。


項番7:ドンキーポンプに給油する給油器へスチームオイルは、入れにくくないか?。
 [解 説]
  ドンキーポンプを搭載している場合にチェックする項目です。 ドンキーポンプにもスチームオイルを給油しますが、その給油器のタンクへスチームオイルが入れにくくないか、評価します。
 [評 価]
  OS製コッペルの、ドンキーポンプの給油器は置換式です。 非公式側の第2動輪の後方、サイドタンクの下にあります。 タンクの下のプラグ()と、上の蓋()を開けて水を抜いた後、 下のプラグ()を付けてからスチームオイルを上から入れます。 特段の問題はなく、評価は〇:良い/問題なしです。


項番8:テンダー(タンク機の場合はサイドタンク等)の水槽へ水は、入れにくくないか?。
 [解 説]
  走行開始前に、テンダー(タンク機の場合はサイドタンク等)の水槽にたっぷり水を入れておきますが、 入れにくくないか、評価します。
 [評 価]
  OS製コッペルにはサイドタンクとボトムタンクがあり、サイドタンクとボトムタンクは繋がっており、 サイドタンクから水を入れます。写真はサイドタンクの給水口に漏斗を差し入れたところです。 10リットルのタンクを持ち上げて入れるのは重いので、私は10リットルのタンクから4リットルのタンクに入れてから、注ぎ入れています。 評価は〇:良い/問題なしです。

(その2に続きます)  


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