事の発端は昨年(令和4年)8月7日(日)、よさみ鉄道倶楽部の定例運転会において、OS製コッペルとクラウスを持ち込んで、
2年に1回行っているボイラーの水圧試験を行ったところ、クラウスの加減弁ハンドルが回らないことが判明したのです。
コロナ禍で運転会が中止になるなどで、運転する機会が減少し、
自宅の部屋の片隅でずっと鎮座したままとしていたことがまずかったのでしょう。
事の発端のボイラーの水圧試験
画像の手前がOS製クラウスで、
奥がOS製コッペルです。
コッペルの水圧試験が完了し、
次にクラウスの水圧試験を行いました。
通風弁を全閉し、加減弁を全閉しようと・・・。加減弁ハンドルが回らない???。
とりあえず、ボイラーを満水にし、テストポンプを接続し、テストポンプのハンドルを上下させると・・・。
テストポンプの圧力計の針が上がったのですが、すぐに下がってしまい、シリンダー付近などから水が漏れ出てきます。
どうやら加減弁が開いているようです。
加減弁が固着しないように、少し開けておいたはずで、やはり開いているものと思われます。
本来なら、加減弁ハンドルは時計回りでも反時計回りでも回るはずなのですが、どちらにもまったく回らないのです。
OS製機関車に詳しい倶楽部のメンバーの方に状況を説明し、対処策をお尋ねすると、
”炎天下において、熱湯をボイラーに入れてみてください。”とのことです。
8月24日、自宅のべランダでやってみました。
台所で、やかんに水を入れてガスコンロで沸騰させます。
そして、やかんを持ってべランダにいき、ボイラーに直接入れようと思い、安全弁を取り外しました(→)。
安全弁の口に、手持ちの最も小さい漏斗を差し込もうとするも、口が小さくて入りません。
やむなく、一旦サイドタンクの水槽に入れて、ハンドポンプで給水してみます。
取り外した安全弁の口からお湯が出てくるまで給水した後、加減弁ハンドルを回してみます。
が、まったく回りません。そこで、手では無理かと思い、加減弁ハンドルをプライヤーで掴んで回してみました。
が、ダメです。少し時間が経ってからやっても同じです。お湯がドンドン冷めていきますし・・・。
う〜〜〜ん、簡単には直りません(困)。
直らないまま、夏が過ぎてしまいました。
令和4年11月20日(日)、OS法隆寺定例運転会に参加させていただいた折、OSさまに相談してみました。
そして、”加減弁のロッドを叩いてみてください。”とのアドバイスをしていただきました。
ハンドルを叩いてしまうと曲がってしまうと思い、ハンドルを取り外して、
ロッドの中心(↑)をめがけて、金づちで叩いてみます。
何回か叩いてみましたがハンドルは回りません。しからばと、もう少し強く叩いてみます。でも、直りません。
更に強く力いっぱい叩くのは、ちょっと躊躇します。またしても、直りません。う〜〜〜ん(困困)。
それでは、これまでアドバイスしていただいた、
”ボイラーに熱湯を入れること”と、”加減弁のロッドを叩くこと”の両方を同時に行うこととし、
ボイラーに水を入れ、火を入れてみました。
場所は自宅マンションのべランダです。ところが、有煙炭の煙がモクモクとべランダから立ち昇り、これでは火事と間違われて、119番に通報されそうです。
慌てて火を消します。
しからばと、本年(令和5年)3月21日(祝)、よさみ鉄道倶楽部の定例運転会が行われるフローラルガーデンよさみのレイアウトにて行うこととしました。
ここなら、煙モクモクでも、119番に通報されることはないでしょうから。
まずボイラーにハンドポンプで給水して満水にしました。
満水にしたのはボイラーの中の全部を熱湯で満たした方が、固着した部分が外れやすいのではないかと思ったからです(実際はどうかは分かりませんが)。
満水状態からさらにハンドポンプで給水をしてみたところ、ボイラーの圧力計の針が少し上がりました(僅かな時間でしたが)。
加減弁が少し開いているはずなのになぜ上がったのでしょうか?。水が漏れ出るまでのタイムラグなのかもしれません。
通風弁が全閉になっていることと、電動ブロアーのスイッチを入れて回転することを確認した後、火を入れました。
有煙炭を適宜投炭します。何分か経過後、シリンダー排水弁から蒸気が舞い上がりました。
加減弁ハンドルを手で回してみましたが回りませんので、加減弁ハンドルを外して、ロッドの中心を金づちで叩いてみます。
しかし、回りません。固着したままです。
そして、更に蒸気圧が上がったのか、動輪が回転し機関車が前進しようとします。逆転機はミッドギアにしておいたはずなのに・・・。
実は逆転機のテコの支点を留めているネジが緩んでいるので、
バルブクロスヘッドがエキスパンションリンクの真ん中になるようにセットしたつもりだったのですが、ズレていた/ズレてしまった、ようです。
慌てて、前進しようとする機関車を掴みます。これで、加減弁が開いていることが明白になりました。
それではと、ボイラー蒸気圧が弱まったところで(よって、動輪の回転が止まりました)、一旦線路から降ろして(クラウスは両手で持ち上げられますので)、
線路上の前後にレンガを載せて、その上に機関車(排障器(ガードアイアン))を載せました(画像参照)。
そして、一旦外した電動ブロアーをセットし、有煙炭を投炭しサイドタンクの水槽に水を補給しハンドポンプで給水し、再び蒸気圧を上げます。
やがて、浮かせた動輪が回転をはじめました。フィードバックバルブに繋がっている配管が外してあったので、そこから水が出てきます。
軸動ポンプは正常なようです。配管を接続して、軸動ポンプから給水してみます。
そして、加減弁のロッドの中心を金づちで叩いてみます。まだ、ダメです。
適宜、投炭と、軸動ポンプ又はハンドポンプからの給水を続けます。
そして、火を入れてから40分ぐらい経過したでしょうか。
もう一度、加減弁のロッドの中心を金づちで数回叩いてみました。
そして、加減弁ハンドルをロッドに挿し込んで手で回してみると、回りました。軽く回りました。
全閉すると、動輪の回転が止まります。開くと、動輪が回転しはじめます。
やっと直りました!!!。
(その2に続きます)
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