ライブスチームの運転


704. 加減弁ハンドルが回らない!!! (その2)  (R5.4.15掲載)

 (その1の続きです)

 OS製クラウスの加減弁ハンドルが回らないことが分かったのは昨年8月7日(日)で、 修理できたのは今年3月21日(祝)で、約7ヶ月半かかってしまいました。 その間、悶々とした日々が続きました。 今回のことを教訓とし、今後に備えて(加減弁ハンドルが回らなくなることは、2度と起こって欲しくないのですが)、 ネジ式加減弁のハンドルが回らなくなった場合の対処策を整理してみたいと思います。

<ネジ式加減弁のハンドルが回らなくなった場合の対処策>
 @はじめに、加減弁が全閉になっているのか、開いているのかを調べ、加減弁ハンドルを回してよい方向を確かめる。
  ・ボイラーを満水にして、シリンダードレンコック(シリンダー排水弁)を開けておき、 通風弁やドンキーポンプグローブバルブやインジェクターグローブバルブやターボジェネレータグローブバルブなどは全閉しておき、 更にハンドポンプで給水してみます。 シリンダードレンコックから水が排出されたら加減弁が開いているのかもしれません。 そうではなく、シリンダードレンコックから水が排出されず、ボイラーの圧力計の針が上がるのであれば、加減弁が全閉になっているのかもしれません。
  ・次にその状態で(ボイラーに水が入っている。シリンダードレンコックは開いている。通風弁などは全閉されている。)、火を入れます。 そして、もし、シリンダードレンコックから蒸気が出てきたら、加減弁が開いている可能性が高いので、加減弁ハンドルを閉める方向に回してかまわないかと思われます。 もし、シリンダードレンコックから蒸気が出てこないのであれば、加減弁が全閉になっている可能性が高いので、 加減弁ハンドルを閉める方向に回してはいけなく、開ける方向に回した方がよいと思われます。 ここまでで、加減弁ハンドルを回してよい方向が分かりました。

 A加減弁ハンドルを外して、ロッドの中心を金づちで叩く。
   
  ・次に、この状態(ボイラーに火が入っている)で、加減弁ロッドを金づちで叩きます。 誤って加減弁ハンドルを叩かないよう、外しておいた方がよいと思います。 加減弁ハンドルを留めていたネジも外したままとします。 その状態で、ロッド()の中心を金づちで叩きます。 でも、火を入れてから間もないと、まだ直らないかもしれません。時間がかかります。 私のOS製クラウスでは、火を入れてから約40分後に数回叩いて直りました。


<留意事項>
 ○加減弁ハンドルを回す方向に注意する。
  ・前述のように、加減弁ハンドルを回してよい方向に回します。 全閉状態なのに更に閉める方向に回したら、ロッドが折損してしまうかもしれません。

 ○熱湯をボイラーに入れて、ロッドの中心を金づちで叩くことを試してみてもよい。
  ・OS製クラウスにおいて、私はサイドタンクの水槽に一旦給水(熱湯)してからハンドポンプで給水しましたので、 その間に冷めてしまったのかもしれません。この方法で直ったらラッキーです(もし、直らなかったら、前述の対処策を実施する)。

 ○マンションのベランダで機関車に火を入れない。
  ・石炭の煙がべランダから立ち昇り、火事と間違われて、119番に通報されるかもしれません。

 ○加減弁が開いている状態で火を入れると、 逆転機が前進もしくは後進になっていると、機関車が走り出すかもしれません。
  ・火を入れる前に、@逆転機をミッドギアにしておくこと、Aシリンダードレンコックを開けておくこと、 Bブレーキをかけておく、と良さそうです。あるいは、動輪を浮かせた状態で、火を入れる方法もあります。

 ○加減弁ハンドルをペンチで掴んで回さない方が無難です。
    
  ・私は手ではなかなか直らなかったので、つい強くペンチで掴んで回してしまったので、 加減弁ハンドル()が歪んでしまいました(画像参照)。 最後はペンチを使わなくても、直りました。 おまけに、何回も加減弁ハンドルを外したり付けたりしているうちに、ワッシャーを無くしてしまいました。

 ○加減弁ロッドを力いっぱい叩かなくても、直ります。
  ・ロッドを力いっぱい金づちで叩かなくても、直りました。

 火を入れても、すぐに直るとは限りません。焦らずにじっくりと、そのときを待ちます。
   
  ・OS製クラウスにおいて、火を入れてから40分ぐらい経過した後、ロッドを叩いたところ、直りました。 その間、ボイラーの圧力計と水面計を注視して、投炭や給水を適宜行い、そのときをじっくりと待ちます。 必要に応じて、電動ブロアーで通風を効かせます。 焦って、加減弁ハンドルをペンチで掴んで回さない方がいいと思います。

 対処策を整理してみましたが、最も良いのは、加減弁ハンドルが回らなくなるような事態を引き起こさないことです。 それには、部屋の片隅に置きっぱなしにするのではなく、走らせることです(少なくとも(火を入れなくとも)、 @手で機関車を前後動させて、動輪や車輪を回転させる/ピストンを前後動させる/軸動ポンプを動かす、A加減弁や通風弁を開閉操作する、Bハンドポンプを動かす、などを行う)。 動かさない機械は壊れてしまうのですね。 今回のことを反省し、速やかに不具合のある逆転機などの修理を行い、OS法隆寺定例運転会において、OS製クラウスを走らすこととしたいと思います。

(その1へ戻ります)  


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