(その7の続きです) 石炭焚きの場合、午後1時からの運転会再開までのお昼休み中、どのように対応したらよいのか、悩みます。 大別すると、一旦、火を落として、再度スチームアップを行うか、あるいは、火を落とさずに保火し続けるか、ですが、 私はこれぞといった名案が見つかっていません。 一方、オガ炭焚きの場合は、ブロアーバルブを全閉しておいても火が消えることがありません。 また、ボイラー蒸気圧も比較的容易に維持することができます。 ただし、出下がりにならないよう、注意を要します。 加減弁を開けて走り出すと、ボイラー蒸気圧がみるみる下がってしまう事象で、石炭焚きで保火した場合も同様に、注意を要します。 お昼休み中に、”火室内の勢いがなくなり、粘りがなくなってしまう”ことが原因のように思います。 画像は、午後1時になり、つくで駅でお客さまの乗車を待っているところです。 運客を再開し、本線を走行しています。 本線走行中ですが、煙が見えません。 本日の運客を終えて、戻ってきました。 次位の乗用台車を切り離しています。
奥はOS製Super-6です。 そして、乗用台車の裏側のブレーキを拝見させていただきます。
主に木材が使われており、ブレーキは後方の車輪のみ、効くようです。 Aはブレーキレバーハンドルですが、てこの原理を使っています。 Aは力点、Bは作用点、 Cが支点です。 ブレーキレバーハンドル(力点A)を前方に押す(→)と、 支点Cを中心に円弧を描くように動き、 作用点(B)で繋がっている中心の木材が前方に引かれます(→)。 中心の木材が前方に引かれる(→)と、
中心の木材の逆テーパー部により、左右の木材を車輪方向に押し付けます(↑ ↓)。 車輪方向に押し付けられた木材に取り付けられている、
自転車用と思われるブレーキシュー(←)が車輪に接触し、
車輪の回転を止めようとします。 これ(→)は、ブレーキをかけないとき、
ブレーキシューを車輪から離す方向に引く(縮む)ためのバネと思われます。 火を落とし、火格子を取り出されました。寸法を測ってみます。
横は10cmぐらいです。 縦は15cmぐらいです。
面積は、10 × 15 = 150cm2 です。 パーパス製5インチゲージ C571の火格子
こちらは、以前撮影したパーパス製5インチゲージ C571の火格子です。
横(幅)は約13cm、縦(長さ)は約23cmです。
面積は、13 × 23 = 299cm2で、93000はC571のほぼ半分です。火を完全に落としたので、ボイラーの水を抜いています。 煙室戸を開けられました。 煙室内を見てみます。 これらの配管(→ ←)は主蒸気管で、蒸気はそれぞれ左右の蒸気室/シリンダーに向かいます。 こちら(→)はブロアーの配管です。 これ(←)は吐出管で、中心の穴からシリンダーの排蒸気を噴き上げて、通風を効かせます。 また、中心の穴の周囲にはおそらく通風孔はあり、ブロアーバルブを開けると生蒸気を噴き上げて通風を効かせるものと思われます。 煙管は上から5本、4本、5本、4本の計18本で、大煙管は無いようですので、飽和蒸気式のようです。 電動ドリルを利用して、煙管を掃除しています。 ”三重 亀山 線路園”さまのレイアウト
オーナーさまにお会いするのは2回目です。
はじめにお会いしたのは、昨年(令和4年)6月12日(日)、はじめて、”三重 亀山 線路園”さまにお邪魔したときです。
そのとき、オーナーさまが持参されたのがヨ8926です(画像参照。運転しているのはオーナーさまではありません。)。
その時以降、”どうして車掌車を動力車にされたのか?”、疑問に思っていました。
今回、その理由をオーナーさまに伺ってみました。すると、思いがけない返答が返ってきました。
「蒸気機関車で運客走行されている方が(ボイラー蒸気圧低下などで)走行困難になったときに、後ろから推すため」だそうです。
ボイラー蒸気圧低下のため、なかなか発車できないとか、運客走行中に停車してしまうのは、カッコウのいいことではありません。
周りの方は、まさか非動力車である車掌車が推進しているとは思わないでしょう。
オーナーさまの心優しい人柄が、この車掌車にさりげなく表れているのです。定例運転会は無事故で怪我もなく、終了することができました。倶楽部のメンバーのみなさま、前日の線路設備と当日の運客走行、お疲れさまでした。 そして、ありがとうございました。 (その7へ戻ります) |