ライブスチームの運転


828. 3.5インチゲージ OS製クラウスの試運転 (その7)  (R6.9.4掲載)

 (その6の続きです)

 試運転の結果を、以前作成した「ライブスチーム 試運転時のチェック表(素案)」で、整理しています。
1.準備時にチェックする事項の続きです。

項番10:バルブの動作確認(続き)
項番10ー4:ドンキーポンプグローブバルブを開閉できるか?。
 [評 価]
  ドンキーポンプを搭載していませんので、評価は、ー:該当なしです。


項番10ー5:インジェクターグローブバルブを開閉できるか?。
 [評 価]
  インジェクターを搭載していませんので、評価は、ー:該当なしです。


項番10ー6:ターボジェネレーターグローブバルブを開閉できるか?。
 [評 価]
  ターボジェネレーターを搭載していませんので、評価は、ー:該当なしです。


項番11:手ブレーキで、ブレーキがかかるか?。
 [評 価]
  OS製クラウスの手ブレーキハンドル()は、運転室の後方公式側寄りにあります。 時計回りに回すとブレーキがかかり、反時計回りに回すと緩むことを確認します。 今回は、チェックしなかったので、評価は、保留します。


項番12:テンダーや乗用台車などの、列車のブレーキは効くか?。
 [評 価]
  タンク機関車であるOS製クラウスの列車のブレーキは、次位に連結したOS製軽量乗用台車で効かせます。 ブレーキレバー()を引いて、効き具合いを確認・評価します。 評価は、〇:良い/問題なしです。


項番13:逆転機は正常に動作するか?。
 [評 価]
  OS製クラウスの逆転機はテコ式で、前進の各位置、ミッドギア、後進の各位置にセットできること(留め置くこと)を確認・評価します。 評価は、〇:良い/問題なしです。


項番14:火格子は火室にセッティングしにくくないか?。
 
 [評 価]
  OS製クラウスの火格子を火室にセッティングすることは、なかなか難しいです。 アッシュパンを開いて、そこから他方の手を差し入れて、火格子を下から支えて、所定の位置にセットしました。 評価は、△:やや良としますが、何か上手い方法はないものかと思います。


項番15:補助ブロアー(電動ブロアー、コンプレッサーなど)は正常に動作するか?。
 [解 説]
  スチームアップを行うには、電動ブロアーやコンプレッサーなどの補助ブロアーにより、人工的に通風を作る必要があります。 その通風(人工通風)をチャンと作れるか、確認・評価します。
 [評 価]
  スチームアップにおいて、補助ブロアーとして、電動ブロアーを使いました。 ファンの回転がやや弱い感じがしましたが、スチームアップできました。 今後は、予備の乾電池を用意しておくこととします。 評価は、〇:良い/問題なしです。 なお、煤や灰などがこびりついてきますので、適宜掃除します。


 ここまでが、1.準備時にチェックする事項です。 次は、2.スチームアップ時にチェックする事項です。 火を入れた後にチェックする事項です。
項番1:ボイラーの圧力計は、正常に動作するか?。
 [評 価]
  画像は、スチームアップにおいて、1kgf/cm2に達したところです。 評価は〇:良い/問題なしです。 なお、ボイラーの圧力計は小さくて必ずしも正確ではないので、2年に一度行うボイラーの水圧試験時に、 テストポンプの圧力計、又は取り付けた精度の高い圧力計の指針との差を記録・記憶しておくといいと思います。


項番2:ブロアーは正常に効くか?。
 [評 価]
  スチームアップ時において、ボイラー蒸気圧が3kgf/cm2を超えたところで、 ブロアーバルブを少し開いて、電動ブロアーから自ブロアーに切り替えました。 そして、更に蒸気圧が上昇し、スチームアップを完了しました。 評価は、〇:良い/問題なしです。 なお、水圧試験において、若干の水漏れがありましたので、今後、注視していくといいと思います。 ちなみに、通風は強くても弱くてもよくありません。 ボイラーの蒸気圧が高いほど、通風は強くなり、蒸気圧が低いほど、通風が弱くなりますので、 蒸気圧の変動に応じて、適宜開閉調整します。


項番3:火を入れてから安全弁が吹くまでに要する時間は適当か?。
 [評 価]
  このチェック項目は、ボイラー自体だけではなく、各機器の操作(通風弁・加減弁などが全閉になっているか?、 ブロアーバルブの開き加減は適当か?、など)、補助ブロアーの使い方(通風の強さは適当か?)、 燃料の投炭量と投炭のタイミングは適当か?、などの取り扱う方の運転操作技術、 また、燃料にもよります(チャンと燃える燃料か?)。 OS製クラウスの場合、火を入れてから15分から20分程度で、安全弁が吹きます。 評価は、〇:良い/問題なしです。


項番4:ボイラー安全弁の動作確認
項番4ー1:ボイラー内の蒸気圧が、規定の蒸気圧以上になったとき、安全弁が吹くか?。
 [評 価]
  OS製クラウスの場合、4〜5kg/cm2で安全弁が吹くことを確認・評価します。 評価は〇:良い/問題なしです。


項番4ー2:ボイラー内の蒸気圧が、規定の蒸気圧まで低下したとき、安全弁が吹き止まるか?。
 [評 価]
  安全弁が吹いてから吹き止まるまで、特に異常はなく、 評価は、〇:良い/問題なしです。

 なお、あらためて、クラウスの運転説明書を読むと、ボイラー安全弁の動作について、 ボイラー蒸気圧が4kgf/cm2になったら、 弁軸心をラジオペンチ等ではさんで持ち上げ、蒸気が吹き出すことを確認するよう、記載されています。 もし、4〜5kgf/cm2になっても安全弁が吹かないようであれば、 ステンレスボールが固着しているかもしれませんので、速やかに弁軸心を持ち上げて、蒸気を吹かせます。 そして、一旦蒸気圧を下げた後、再度上昇させて、4〜5kgf/cm2で安全弁が吹くことと、 吹き止まることを確認するとよさそうです。


 
 この画像は、令和元年10月26日(土)に開催されました、OS法隆寺レイアウトでの運転会において撮影したものです。 ライブスチームの経験豊富な大ベテランの方から、運転の技術/ノウハウを勉強させていただこうと、 持ち込まれた、OS製3.5インチゲージ ブリタニアのスチームアップを見させていただいていたときの画像です。 オーナーさまは右手にペンチを持って、弁軸心をつかみ、上方へ引き上げ、 そしてペンチを離したときの画像です。 自ら蒸気の噴出が止まれば、正常に働いていると判断します。


項番5:各機器類から蒸気漏れが無いことの確認
項番5−1:加減弁から蒸気が漏れていないか?。
 [評 価]
  加減弁からの蒸気漏れはなさそうで、評価は、〇:良い/問題なしです。 しかしながら、水圧試験時、レギュレーターバルブカバー()や、 カバーナット()から、やや水が漏れているのが見つかりましたので、 火を落とした後、対処(ネジの増し締めなど)した方がよさそうです。


項番5−2:通風弁(ブロアーバルブ)から蒸気が漏れていないか?。
  通風弁から蒸気が漏れていないことをこのタイミングで確認することは、困難なことに気づきました。 火が入っているので、常に通風を効かせており、通風弁から蒸気が漏れていないか、判断するのが困難なためです。 よって、項番5−2は削除します。このタイミングではなく、ボイラーの水圧試験でチェックする方が良さそうです。


項番5−3:汽笛弁(ホイッスルバルブ)から蒸気が漏れていないか?。
 [評 価]
  OS製クラウスの汽笛は、非公式側の運転室の下、第2動輪の後方にあります()。 汽笛弁から漏れがあれば、汽笛からモヤモヤっと蒸気が見えることがあります。 評価は、〇:良い/問題なしです。 なお、通風弁(ブロアーバルブ)と同様に、このタイミングではなく、ボイラーの水圧試験でチェックする方が判断しやすそうです。

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