ライブスチームの運転


830. 3.5インチゲージ OS製クラウスの試運転 (その9)  (R6.9.11掲載)

 (その8の続きです)

 試運転の結果を、以前作成した「ライブスチーム 試運転時のチェック表(素案)」で、整理しています。
次は、3.走行時にチェックする事項です。 スチームアップが完了して、加減弁を開けて、走行を開始してから、チェックする事項です。 あらかじめ、線路上に障害物がないこと、ポイントが所定の方向になっていることなどの安全確認してから行います。

項番1:蒸気室から蒸気が漏れていないか?。
 [評 価]
  約40年前、私がはじめて組み立てた石炭焚き蒸気機関車OS製クラウスにおいて、 バルブチェストカバーを取り付ける際、シリコンパッキンの塗り方が悪く、 加減弁を開けたところ、バルブチェストカバーから蒸気が漏れてしまいました。 そのようなことはなく、評価は、〇:良い/問題なしです。


項番2:シリンダーから蒸気が漏れていないか?。
 [評 価]
  左右のシリンダーの前側(フロントカバー)、後ろ側(リヤーカバー)から蒸気漏れはないか、チェックします。 漏れはありませんでしたが、そもそも蒸気室からシリンダーに蒸気が送られていなかったように思いますので、 評価は保留します。


項番3:シリンダードレンコック(排水弁)の作用テコ/レバーを操作すると、凝結水が排出されるか?。
 [評 価]
  シリンダードレンコックを開けた状態で加減弁を開けましたが、凝結水は排出されませんでした。 が、そもそも蒸気室からシリンダーに蒸気が送られていなかったように思いますので、 評価は保留します。


項番4:シリンダードレンコック(排水弁)の作用テコ/レバーを操作すると、凝結水の排出が止まるか?。
 [評 価]
  前項と同じ理由で、評価は保留します。


項番5:脱線しないか?。
 [評 価]
  走行に至っていませんので、評価は保留します。


項番6:走行中における各機器の操作性の確認
 [解 説]
  停車時ではなく、テンダー(タンク機の場合は次位に連結した乗用台車)に乗って走行している状態において、 各機器が扱い易いか、確認・評価します。
項番6−1:加減弁ハンドルの操作性
項番6−2:シリンダードレンコック(排水弁)の作用テコ/レバーの操作性
項番6−3:汽笛弁(ホイッスルバルブ)のレバーの操作性
項番6−4:通風弁(ブロアーバルブ)の開閉の操作性
 [評 価]
  走行に至っていませんので、評価はいずれも保留します。


項番6ー5:ターボジェネレーターグループバルブの開閉の操作性
 [評 価]
  ターボジェネレーターを搭載していませんので、評価は、ー:該当なしです。


項番6−6:その他の機器の操作性
 [評 価]
  該当する機器はありませんので、評価は、ー:該当なしです。


項番7:水面計は見にくくないか?。
項番8:ボイラーの圧力計は見にくくないか?。
 [評 価]
  走行に至っていませんので、評価はいずれも保留します。


項番9:走行中における投炭のし易さ
 [解 説]
  走行中における投炭のし易さを確認・評価します。 線路長が短いなどで、走行中に投炭する必要がない場合は、重要ではありませんが、 線路長が長く、走行中に投炭を要する場合は、考慮した方がいいと思います。
項番9−1:石炭を掬いにくくないか?。
項番9−2:ショベルの大きさは適当か?。
項番9−3:焚口戸の開閉はしにくくないか?。
項番9−4:投炭は、やりやすいか?。
 [評 価]
  走行に至っていませんので、評価はいずれも保留します。


項番10:テンダー(タンク機の場合は次位に連結した乗用台車)の乗り心地は良いか?。
項番11:列車の前方は、見やすいか?。
 [評 価]
  走行に至っていませんので、評価はいずれも保留します。


項番12:給水装置の動作確認
 [解 説]
  ボイラーに給水する各装置について、装置毎にチャンとボイラーに給水できるか、動作確認を行い、評価します。 水面計の水位により、給水されていることを確認します。
項番12−1:軸動ポンプからボイラーに給水できるか?(機能性評価)。
項番12−2:フィードバックバルブの開閉の操作性。
項番12−3:フィードバックされた水を確認しやすいか?。
項番12−4:ハンドポンプからボイラーに給水できるか?(機能性評価)。
項番12−5:ハンドポンプの操作性。
 [評 価]
  走行に至っていませんので、評価はいずれも保留します。


項番12−6:インジェクターは正常に動作するか?(機能性評価)。
項番12−7:ドンキーポンプグローブバルブの開閉の操作性
 [評 価]
  搭載していませんので、評価は、いずれもー:該当なしです。


項番13:動輪は空転しやすくないか?。
項番14:走行時、テンダーや乗用台車などの、列車のブレーキは効くか?。
項番15:積載できる燃料(石炭等)の量は適当か?。
項番16:積載できる水の量は適当か?。
項番17:シリンダーに給油されているか?。
項番18:エンジンとテンダー、機関車と車両、車両同士の連結は、外れないか?。
項番19:走行中、異音がしないか?。
項番20:ボイラーの蒸気圧と水位の維持は可能か?。
 [評 価]
  走行に至っていませんので、評価はいずれも保留します。


 ここまでが、3.走行時にチェックする事項です。 次は、4.走行終了後にチェックする事項です。 走行を終えた後にチェックする事項です。

項番1:火格子を火室から取り出しにくくないか?。

 [評 価]
  ショベルで火室内の石炭の大方を取り出した後、火格子2個を取り出します。 評価は、〇:良い/問題なしです。


項番2:火格子に異常はないか?。
 [評 価]
  走行に至らず、短時間ではありましたが、火格子が溶けるとか、変形したりすることはありませんでした。 評価は、ひとまず、〇:良い/問題なしとします。


項番3:使用したショベルと火かき棒に異常はないか?。
 [評 価]
  走行に至らず、短時間でしたが、ひとまず、評価は、〇:良い/問題なしとします。


項番4:ボイラーの水を安全に排水できるか?。
 [評 価]
  ボイラーの水抜きはオーナーさまにお任せして、失礼しましたので、評価は保留します。


項番5:エンジン側とテンダー側、機関車側と次位に連結した乗用台車側の給水関係のパイプの接続が外しにくくないか?。
 [評 価]
  給水関係のパイプの接続はなく、評価は、ー:該当なしです。


項番6:エンジンとテンダーの連結、機関車と車両の連結、車両同士の連結は、外しにくくないか?。
項番7:テンダー(タンク機の場合はサイドタンクなど)の水槽の水は、排水しにくくないか?。
項番8:煙管、煙室、煙室戸などの掃除はやりにくくないか?。ブラシなどの掃除道具は適当か?。
 [評 価]
  これらは、オーナーさまにお任せして、失礼しましたので、評価は保留します。


項番9:運搬する自動車への積み込み・積み降ろし作業などに問題はないか?。
 [評 価]
  今回は、オーナーさまの自宅で行いましたので、評価は保留します。


 5.総合評価
  「1.準備時にチェックする事項」から、「2.スチームアップ時にチェックする事項」、 「3.走行時にチェックする事項」、「4.走行終了後にチェックする事項」まで、全体を通しての評価です。 今回は走行に至らず、評価を保留した項目も多いので、総合評価するにも至らないと思います。 まずは、スチーブンソン式弁装置の組み立てを含む、弁調整について、組立説明書を見ていただき、正しいか確認していただき、 その上で、再度試運転を行い、総合評価することとします。

 なお、今回の評価により、「ライブスチーム 試運転時のチェック表(素案)」をブラッシュアップしました。 こちらです。
     ↓
  ライブスチーム 試運転時のチェック表(素案)(マウスで右クリックして、[名前を付けてリンクを保存]すると、ダウンロード&保存できます)
今後も、ブラッシュアップしていく予定です。


最後に
 40年以上前、私がOS製クラウスの試運転を行った時、まったくうまくいきませんでした。 まず、スチームアップができませんでした。何度やってもうまくいきませんでした。 やり方が分からないのです。 自分では何が悪くて、どこをどう改善したらよいのか、さっぱり分かりませんでした。 はじめての方は、スチームアップが最初の関門ではないでしょうか。
 6.運転のポイント(H27.11.11掲載)に記したように、 機関車等の整備状態の問題、燃料(石炭など)の問題、運転操作技術の問題の3つの要素があり、 しかも、多くの場合、3要素全てに問題があるので、問題解決がより困難になります。 私の場合、入会させていただいた倶楽部(衣浦鉄道倶楽部)のメンバーの方々に教えていただきました。 はじめての方は、ベテランの方にアドバイスしていただくとよいと思います。自力では、時間ばかりが過ぎていきます。

(その8へ戻ります)  


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