ホーム目の構造・断面像

目の構造・断面図


 
 上の図は、参点製薬がよく私たちに配ってくれるものから拝借しました。

 丁度眼球を輪切りにした図です。眼球というのは、その名のとおり、ほぼ球体で、コンタクトレンズなどを置く角膜から、目の奥視神経の乳頭までが、約24mm前後と言われています。これを眼軸といいます。近視の人の場合は、これが長くなって来る人もいます。

 眼科で指す眼球というものに含まれるのは、角膜・強膜・ぶどう膜・網膜です。ぶどう膜は、場所によって虹彩・毛様体・脈絡膜と名前を変えますが、根本的には同じものです。
 よくシロウトの人が、茶目というのは、角膜という透明な窓を通して、虹彩を見ています。上の図の水晶体というところの前の茶色の部分です。黒目というのは、同じく角膜という透明な窓を通して、水晶体を見ています。水晶体も透過組織ですので、奇麗な間は、目の奥を覘くことになるから、黒く見えるのです。しかし、お年よりになって白内障になってくると、黒目が白く濁って来ます。
 では、一般に白目というのは、どこを指すのでしょうか?白目は、結膜と言って、眼球ではなくて眼球の付属組織なのです。上の図に大文字で記載しました。
 ですから、白目(結膜)の下には、強膜という、同じ白い組織があって、そこからが眼球なのです。上の図の灰色の部分です。


 
 よく、コンタクトレンズを装用される人が、レンズの位置がわからなくなり、「目の後にまわりませんか?」という質問を受けます。上の図の赤褐色の部分であるところに留まるので、手術で結膜を切ったり、外傷で結膜を破るような損傷を受けない限り、眼球の後にコンタクトレンズがまわることはないのです。
 結膜は、袋状というのは、一般に見えている白目(球結膜)と、あっかんべえして見える白目(眼瞼結膜)は、同じ組織で、つながっているということです。ですから、鏡の前で、あっかんべえしてみてください、つながっているのがわかります。それは、下瞼ですが、上瞼も同じようになっています。全て、上の図の赤褐色の部分です。
 ですから、瞼を反転してみれば、コンタクトレンズがあれば、出てくるわけです。
 コンタクトレンズがずれた場合は異物感が残ることが、ほとんどで、その場合は、瞼を反転してみれば、ある場合は必ず出て来ます。
 異物感があるのに、レンズがないことがあります。それは、探している間に、角膜や結膜を痛めてしまって、傷のために異物感が出ていることがほとんどです。
 眼科医が丁寧に診れば、間違いなく、正しい判断が下せるはずです。詳細に丁寧に診察して、説明しても、疑う患者さんがいらっしゃられます。私の経験では、そのため、同じことを3回も行いました。時間もドンドン過ぎて、カルテも10枚以上たまっていきました。その時は、本当に泣きたくなりました。一生懸命診て、ビデオを見てもらい、説明しても納得してもらえない、それは辛いことです。


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