ホーム作品(11)(12)(13)>眺望の川に映る影

眺望の川に映る影

 「デルフトの眺望」のひとつのポイントは、川に映った建物や船の陰だと思います。このCatch eyeでは、ほぼ中央にロッテルダム門南門が来ています。この南門は今はなく、同じような光景を見るためには、1km離れた東門付近に行かないと、見れないらしい(⇒フェルメールとオランダの旅・デルフトを眺望する・74ページ)。まあ、江戸時代に江戸で描かれた富士山の絵を、同じ東京に観にいって、同じ物が見れるはずはないです。


 水面に写る影は、長くて明らかでない。このことは、遠くから描いていることを如実に現すことだと思います。フェルメールほど写実にたける画家なら、近くから描いていたら、水面に建物の絵を描くと思うのです。このことは、オペラグラスを使って、水辺を見下ろす高い位置から描いた(⇒VERMEER・デルフトの眺望・16ページ)ことを、支持することにつながります。ただ、最初は南門の影を水面に映そうとしたらしいです((⇒VERMEER・デルフトの眺望・16ページ)。


 ただ、船の影は、色濃く描かれています。この写真ではよくわかりませんが、南門の下の2隻のニシン漁船には、水面の反射をあらわす点描法的技法が施されている((⇒フェルメール・デルフトの眺望・60ページ)、そうなので、しっかりと観て来たいと思います。



マウスポインタを写真の上に載せてみてください。

普通に観られます。

 こうやって、Catch eyeしてみると、手前の水面の影が暗いのに対して、背面の新教会のあたりが、明るく輝いているのが、良くわかります。


ホーム   戻る