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眠っている娘

 「眠る女」の1番のポイントは、やはり「」だと思います。この娘は、酔って寝ていると考えるべきなのでしょうか?酔って寝る不埒な女性を描きたかったのでしょうか?それとも、物思いに耽っているのでしょうか?また、この人物は、本の記載のように「召使い」なのでしょうか?それにしては、あまりに堂々と寝ている気がします。


 私は、この娘を妻・カタリータでないかと考えてみました。ほとんどの人は、それを否定すると思います。宝石類も全くつけていませんし、私自身も、「やっぱり無理があるかなあ〜。」と思います。ただ、私には身近に、夜ワインを飲んで、ベットにもいかないで、ソファで、ウトウトする人物がいるのです。毎日彼女を見るたびに、私は、「この女性は、奥さんだろう。」と思ってしまうのです。天国にいるフェルメールに直接聞きたい気持ちでいっぱいです(^-^)。
 
 
 家事に疲れて、寝る前の、唯一の楽しみは、「ワイン」という奥さん方もいらっしゃるのではないでしょうか?確かに、顔の赤みは、お酒によるものと考えるのが妥当でしょう。彼女の頭は、右腕でしっかりと支えられてます。むしろ、私が1番Catch eyeしたいのは、その左手です、そえられるように置かれた左手が、「彼女の悩み」をあらわしているように思えます。


 フェルメールは、「眠る女」以外に、眠っていると思われる女性を描いていません。そういう意味では、最初で最後のものでした。
 



マウスポインタを写真の上に載せてみてください。

普通に観られます。

 「着ている衣装の上品さから考えて、この女性は家事を切り盛りしている奥方である。」(⇒VERMEER・酔って眠る娘・26ページ)私が考えたことと、同じことが記載されてました。確かに、身なりは良いようです。しかし、この作品以降に、フェルメールが描いた女主人とは、明らかに違う女主人です。


 そうなるといつもの女主人が登場するのは、どの作品からなのでしょうか?多分、黄色のマントを着て、いつもの女主人が登場するのは、真珠の首飾りの女が最初と思います。この作品から数年後のことです。


 フェルメールが、「眠る女」を描いた時、ニコラース・マースの怠惰な召使いの右隅の召使い(⇒VERMEER・酔って眠る娘・27ページ)を参考にしたことは、間違いないと思います。また、1696年の財産目録では、この絵のタイトルは「酔って、眠っている召使い」です(⇒フェルメール・眠る女・42ページ)。これらのことが、この娘を召使いとしていたのでしょう。


(2002年7月9日作成)


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