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机の上

 「眠る女」のひとつのポイントは、「机の上」でしょう。机の上の静物としは、「眠る女」と「牛乳を注ぐ女」と比較しても、「勝るといえども劣らず」といえる程、素晴らしいでしょう。


 まず、皿の上の果物ですが、リンゴ・モモ・ナシなどが奇麗に描かれてます。フェルメールの作品のなかで、このように果物が描かれている作品としては、「窓辺で手紙を読む女」がありますが、こちらの方が奇麗な状態で残ってます。果実は、−「邪悪の果実」−ということで、エロッチックな観点を示しているそうです(⇒VERMEER・酔って眠る娘・28ページ)。
 
 
 次に、白いデカンダですが、これもすでにコメントした作品(作品共通項目リストNo.8白いデカンダ)の中で、描かれていますが、最初に描かれたのが、「眠る女」です。「デカンダの中には、媚薬として女性を誘惑することになるワインが入っている。」(⇒VERMEER・酔って眠る娘・28ページ)


 私がCatch eyeして気になったのは、「白いデカンダのワインは、どうやって飲むの?」、ということです。ワイングラスは、ありません。ひょっとしたら、白いデカンダの前の茶色のガラスの瓶みたいなのがありますが、これに入れるのでしょうか?わかりません。

 「テーブルを覆う重々しいタベストリーは、手前で大きくたくしあげられ、盛り上がっている。」((⇒フェルメール論・《眠る女》の空間構成・85ページ)確かに、タズベリーが本格的に描かれたのも、この作品が最初かもしれません。



マウスポインタを写真の上に載せてみてください。

普通に観られます。

 「後にフェルメールの室内画のほとんどを特徴付けることになる要素、つまり、室内空間を画面と平行に配置するという要素がここに登場する。」(⇒VERMEER・酔って眠る娘・28ページ)。ある面で、フェルメールの風俗画は、この「眠る女」から始まったのかもしれません。


(2002年7月9日作成)


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