ホームフェルメールと巨匠たちピーテル・デ・ホーホ(1)(2)

ピーテル・デ・ホーホ(2)

 
 この絵は、とても好きです。きっと、外で遅くまで遊んで(ボール遊び?)、怒られることを不安にして帰って来た子供(四歳ぐらい)を、暖かく母親が迎えている構図だと思います。夏にオランダに行った時の経験で、夜10時頃まで暗くならないんです。ですから、この絵の描かれた時間も、ひょっとしたら夜8時くらいかもしれません。ドアを開けて、すぐにお母さんを見ている子供が、とてもかわいいです。


 また、ドアを開けて見える景色が奇麗で、外の植木が描かれています。左窓からの光の描写も見事です。


 この絵は、ワシントンのナショナル・ギャラリーにあります。今年(2002年)の冬には、是非観てみたいと思います。1658〜60年頃に制作されており、キャンバスに描かれた油絵で、縦51cm×横60cmです。


 多分、デ・ホーホがデルフトに住んでいた時に描いたものだと思います。彼の優しさ、暖かさが伝わって来ます。大変好感が持てる絵です。ただ、この優しさが、アムステルダムに移った後、精神を病み、54歳の若さで、精神病院で死ぬことにつながったのかもしれません。

寝室 寝室(部分)

 
 デ・ホーホとフェルメールは、ほぼ同じ時代を生きていますが、決定的な違いがあります。フェルメールがほとんど子供を題材にしなかった(14人の子供がいながら・・・)のに対して、デ・ホーホは子供が絵の中にしばしば登場して、動いています。次のページでは、彼の家庭を題材とした代表作品のひとつ『タンスの側に立つ婦人たちのいる室内』について述べたいと思います。


(2002年10月1日作成)


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