日本に分布する雪割草にはミスミソウ、スハマソウ、ケスハマソウ そしてオオミスミソウがあります。すべてキンポウゲ科の植物で「属」 としてはミスミソウ属というのが適当なのでしょうか。ものの本にはス ハマソウ属と呼んでいるものもあるようです。これは分類上の問題で、 趣味家の私どもにはよく分からない分野です。 ミスミソウというのは「三角草」ですが、一般的には葉先が尖って ているのでそのように呼ぶようです。一方スハマソウは「洲浜草」です。 これは葉先が丸まっていて渚のような形をしているからとのことです。 ただし、葉型による厳密な区分というのは難しいかもしれません。暖か 地方では尖っているミスミソウの葉も寒い地方では丸まっていたりする こともあるようです。 ケスハマソウの場合も丸い葉には毛の生えたいればそうかというと、 毛の無いものもあるようで、本当に分からなくなると最終的にはDNA 鑑定ということなってしまうようです。オオミスミソウは葉先の尖った 大型のミスミソウということになりますが、オオミスミソウの場合は、 葉先の尖ったもの、丸まったもの千差万別です。そのあたりがオオミス ミソウの面白いところで、花にしても葉にしても変異の多さがオオミス ミソウの魅力でしょう。オオミスミソウという名前もオオスハマソウと しようとしたところ、オオスハマソウは既に韓国の雪割草「マキシマ」 がそう呼ばれていて、仕方なくオオミスミソウと呼ぶことにしたと聞い たことがあります。そうしてみると、日本語名からあまり出生を想像し な方がよいかもしれませんネ。 分布は上記地図のとおりですが、私が各地を廻って調べたわけでは なく、国際雪割草協会でお世話になっている馬淵智生先生の分布図を 参考に不自由なマウスで描いたものです。ですから、微妙な違いはあり ますし、まだまだ、新しい発見はあるかもしれません。 こうしてみると雪割草の育て方は決して一律ではないと言えるかと 思います。太平洋側と日本海側では気候が違いますし、関東・東北と関 西でも違う。一口に関西と言ってもケスハマソウが自生する瀬戸内地方 はまた違う。それぞれ工夫が必要なのでしょうが、今のところ我家のオ オミスミソウとケスハマソウはほとんど同じ環境で育てています。それ でも毎年花を着けてくれますし増殖しています。若干の個体差はあるよ うですが両者は結構丈夫なのでしょう。ただ、鉢の花というのは本物で はないのかもしれないと思うことがあります。オオミスミソウを育てて いると、その年の作によって花が違います。同じ株でも環境の違いによ って花が異なるというのは、雪割草の特色の1つなのかもしれません。 そうだとすると生育するのに適した自生地で咲く雪割草には、鉢栽培は なかなかかなわないということでしょうか。 |
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