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星方武侠ラムネ&40

私はあるアニメ作品を見てノイローゼになった。
本当は、画面を見ている事さえ嫌だったのだろう。
でも、「作り手は一生懸命創っているのだから
出来るだけ最後まで見てあげなければ」と思ったのだ。
自分の望むような物など見られず、裏切られる事が解っていたのにだ。
私は、苦痛を味わいながら歯をくいしばって、その作品の最終回を見ていた。
見終わった時、『NG騎士ラムネ&40』の全キャラクター達を
守ってあげられなかった事が、悲しくて悔しくて泣きわめいていた。
気がつくと、私は少しおかしくなってしまっていた。
そのアニメ作品は、『VS騎士ラムネ&40炎』という。

自分を正常に戻す為に、『NG騎士ラムネ&40』を見た。
持っていなかった『ラムネ』のCDやLDを、かたっぱしから買い求めた。
そうする他になかったのだ。
だいぶ気持ちは落ち着いたが、完全に吹っ切れた訳ではなかった。
傷ついた心を癒すには、時間がかかるものである。
それから2年くらい経った、ある日の事だった。

深夜に放送されていたアニメを見て、「絵がなんか“ラムネ”に似ている」と思った。
主要キャラも5人で構成されている。その作品の主人公は、
ダ・サイダーのようなアウトローだ。名前はジーン・スターウィンド。
相棒は、ジムという少年。彼の純真な表情がラムネを思い出させる。
メルフィナという可憐な少女に、クタールクタール人のとんがり耳
怪力少女、エイシャ。古風な感じの鈴鹿は、私にはレスカのように見える。

「このアニメ、なんで“ラムネ”に似ているんだろう?」そう思ってスタッフ名を見て驚く。
脚本に「千葉克彦」さんとある。知らない人の方が多いかも知れないが、
千葉さんはTVの『NG騎士ラムネ&40』の脚本を何本も担当された方だ。
そして、また驚く事があった。オープニング作監に「齋藤卓也」さんの、
名前がある。(『NG騎士』の時と字が違うが、こちらが正式なのだろう)
私が深夜に見たアニメは、キャラクターデザイナーが『NG騎士ラムネ&40』
と同じ齋藤卓也さんだったのだ。何故『ラムネ』に似ていたか、判明した。
だけど、何よりも似ている理由の根本は何か?翌週はオープニングから見た。
そこに原作者として、「伊東岳彦」さんの名があったのだ。
タイトルは
『星方武侠 OUTLAW STAR』

私は『星方武侠 OUTLAW STAR』を見ながら思う。
「もし“ラムネ”をストーリー重視して対象年齢を上げて創ったならば
“OUTLAW STAR”のような感じになるのと違うだろうか?」
その時だ。約2年間苦しみ続けて来た物を、自分で断ち切れたのは。
『NG騎士ラムネ&40』はギャグだけど、冒険物なのだ。
『星方武侠 OUTLAW STAR』も冒険物である。
私は知っている、『ラムネ』のキャラクター達を誰が最初に創り出したか。
伊東岳彦さんという人なのだ。
私が見た『VS炎』は、『ラムネ』とは名ばかりの代物だったのだ。

『OUTLAW STAR』が『ラムネ』と似ているなどと書くと
『アウトロー』ファンの方に悪いだろう。別の作品には違いない。
作者の伊東氏に対しても申し訳ない。伊東氏は、何も私のノイローゼを治す為に
『OUTLAW STAR』という作品を発表した訳ではあるまい。
でもそれがアニメ化され、私が見た事で結果的にはそうなってしまった。
キャラクターデザインを『NG騎士ラムネ&40』と同じ齋藤卓也氏が担当し、
シリーズ構成を、『ラムネ』の脚本を書いていた千葉克彦氏が受け持った事で。

『星方武侠 OUTLAW STAR』の主題歌に、こういう詞がある。
「誰だってもっている筈、ゆずれないもの」
まるで、私の本心を言ってくれているような歌に思えた。

そして私は今、『NG騎士ラムネ&40』のページを公開出来ているのだ。

 

《 3DCG提供者:ちぇりお様


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