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考察 NG騎士ラムネ&40

二代目勇者と呼ばないで!?

 1990年の4月、私は『NG騎士ラムネ&40』というTVアニメを視聴させて頂きました。
今から、25年程前の事になります。

 第1話を視聴後、「この作品、最終回は必ず見逃すまい」と思った事を今でも記憶しております。
最後に40人集まる事から、付いているタイトルです。
その40人が何者で、どの様な映像で40人も登場させるのか観せて頂こうと思ったのです。
それから、最終回で”別れ”を観る事になるのだろう、と思いましたね。
 主人公は普通の小学四年生、馬場ラムネくんです。
普通でない所があるとしたら、日常の生活に退屈していた事でしょう。
ラムネくんは、憧れていたワクワクする冒険をやり遂げました。
そう、『NG騎士ラムネ&40』はTVゲームの世界へ行ったというお話なのでした。
ラムネはゲームの世界に居る女の子(ミルク)を好きになり、別れてしまったのです。

 第1話でヨッコーラ王に「勇者の血を引くラムネスよ」と言われ、戸惑っていた彼(ラムネ)です。
守護騎士キングスカッシャーが、勇者ラムネスの言う事をどんな事でも聞いてくれる時点で
ラムネは勇者の筈ですが、何しろタイトルにある様に”NG”の勇者です。
そんな訳で、初期の頃は私も心配して勇者になったラムネくんを見守っていました。
 私は、馬場ラムネくんの余りなズッコケぶりに
「キングスカッシャー搭乗時以外でも、勇者らしく見えた方が…。」と感じていて
キングスカッシャーの力を使わず主人公を勇者らしく描く必要はあるかな?と思っていました。
(旅をする子供の成長が、主体にあるのは解る事です。)
第14話以後から、そういう回はありましたね。(第16話など)
私が、ラムネくんを勇者の器と認めたのは第19話になりますが、
後に、馬場ラムネを勇者と思わなければならなく事態が、ストーリー上に起こります。
 第22話「最高だミャー!タマQ…その愛」で、聖地ラムネッカにおいて
五千年前にゴブーリキを倒した勇者の映像(ラムネのご先祖様)が登場するのです。

 本放送当時、『NG騎士ラムネ&40』の第1話視聴後に気にしていた事と言えば
(1) ダ・サイダーを、どの様な展開で主人公側に寝返らせるのか。
(2) 妖神ゴブーリキはいつ頃出て来るのか?      でした。
 「勇者の血を引くラムネス」と、第1話で言われたセリフですが (『ドラゴンクエスト』ですね)
前の勇者の設定は余り気にしませんでした。

 以前にも勇者が居たという設定は、初期から在った物と思いますが (1)の件は勇者伝説に
ダ・サイダーが便乗した型になりました。(上手く処理されたとは思ってます。)
勿論、この勇者伝説が出て来た事により、ラムネを勇者に思えなかった視聴者も
自然と認めざるを得なくなります。ミルクとココアも、かつては勇者に力を貸した乙女である事が
視聴者に理解される事となります。(レスカも、勇者伝説に便乗です。)
 然し、私はスタッフがこの勇者伝説の絵を出した事で、一つの不安を感じました。
「主役達が五千年前の勇者達に、食われてしまわないか…?」と言うものです。

視聴者の目が、主役達より脇役である五千年前のキャラに移ってしまうと、
『NG騎士ラムネ&40』はある意味失敗してしまうかも…。
「出来れば、五千年前の勇者達を余り動かさない方が良いけど??」
そう思い、続きの第23話は冷や冷やしながら観ていた事を覚えています。
(発生した矛盾も気になってしまい、冷や冷やして観ていました。)

 (2)の、妖神ゴブーリキの出し方に、当時は結構度肝を抜かれました。
ジャンルは、”ギャグメカアクション”ですが、「これだとゴブーリキ戦は、シリアスメカ戦だな。」と、
第26話を観て思いました。次の第27話の後味の悪い終わり方が、印象に残りました。
「この終わり方は、子供番組なら普通ダメだけど、どうする気かなぁ…。」と思ったものです。

 五千年前の勇者達を動かさなかった事で(止め絵)、主人公である現代の勇者ラムネスが
思っていた程、食われた感が無かった様に思います。(22話〜27話)
この点は、今でもスタッフを評価してます。
(動かしたのは先代勇者ラムネスのみ、第37話に1カットだけだった事。)
前の勇者がどうであったかは『NG騎士ラムネ&40』では、特に語らなくて良い筈ですから。
 けれど、視聴者が馬場ラムネを「二代目ラムネス」と認識するなら、失敗したのかも知れません。
見た目が格好良い五千年前の勇者に、視聴者は目移りしたのでしょう…。
主役は、馬場ラムネの勇者ラムネスなのです。ラムネは前の勇者の事を了解して勇者になった
訳ではなく、先代あっての勇者ラムネスでもなさそうです。
その時代、勇者ラムネスは彼(ラムネ)だった。そんな描かれ方です。
『NG騎士ラムネ&40』で、二代目ラムネスというキャラ名はないのです。

 私はラムネスを、二代目とは呼べません。
妖神ゴブーリキ復活の兆し表れた時、招かれたのは馬場ラムネだったのです。
『NG騎士ラムネ&40』では、「先代勇者ラムネス」と呼ばれているラムネのご先祖様も、
妖神ゴブーリキが現れた五千年前の呼び名は「勇者ラムネス」だったでしょう。

小説版にも目を通しましたが、二代目表記は無かった様に思います。
小説版『NG騎士ラムネ&40XX』に(先代ラムネスが登場するが故に)1ケ所、「二代目」表現が
あったかも知れません。でも所詮1ケ所程度で、キャラの名前が変更になった訳ではありません。
(因みに、TVシリーズと小説版では勇者の設定が変えられています。)


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