KYOCERA DataScope

    現在のPONTAのメール生活を一手に引き受けてくれるニクいヤツである(笑)
    しかし、これ(DS-110)が発売された当初は
    「こんな馬鹿でかいPHSを使う奴がいるんか?」って思いました。

  ハイ!ここに居ます(爆笑)

    しかも最近になって壊しておきながら、同じ機種に変更しました(爆笑)

 DataScopeの系譜
 DataScopeの機種
     DS-110
     DS-320
     DS-110BE
     DataScope for DoCoMo
 DataScopeを使う上で
 私の所有するDataScope
 

 DataScopeの系譜(そんな大袈裟な物ではないのだけれどね)
    DataScopeというのは日本IBMが出したChipCardという超小型PDAの派生商品である。
    ChipCardはPCMCIAのカードサイズにプログラム可能な8bitCPUを搭載した商品で、
    最終的には2機種発売された
      TC-100  まんまPCMCIA type2におさまってしまうサイズの製品
      VW-200  これはPCMCIA type3と若干大きくなるが200x320ドットの液晶を持った折り畳みタイプ
    この2製品については僕はあまり詳しくないので、Google検索にリンクを張ったので
    興味がある人は見て欲しい。

    ChipCardは一部のユーザーに熱狂的に受け入れられた。
    その当時のPDAといえば割と大きな物が多かったのに対して、大きめのVW-200でさえも
    名刺サイズなのだから、(値段はともかくとして)気軽に持ち運べるPDAとして受け入れる土壌は
    あったのではないかと思う。
    それにそのままPCカードスロットに挿してデータ連携できるというのは当時は無論、現在でも
    非常にスマートに作業が行える物だったと考えられる。(残念ながらDataScopeのデータ連携はちょっと泥臭いが)

    ただ、ChipCardは基本的にはアプリケーションはユーザーが作らないと駄目だった。
    作る人にとってはそれらは楽しみでもあるのだが、作れない人にとっては使う目的が限られてしまった。
    それが結局ChipCardをマイナーなPDAに終わってしまった理由だと思うのだが。
    無論ChipCardのコンセプトは今考えてもリッチな市場を狙った物では無かったとは思うが。

    ChipCardのコンセプトを引き継いだPDAは時々は折製品化されたが、現在は系譜としては途絶えている。
    携帯電話のPDA機能がそれに相当するとも言えるが、携帯電話は決して小さくはないし、PCとの連携を
    前提にしている製品は少ない(前提にしている製品がDataScopeなのだが)
    現在でもChipCardについて、色々と語るサイトが存在するのはそれが理由とも言えよう。

    さて、ChipCardはいくつかの派生製品を生んでいる。
    ポケベルとの複合製品、バーコードスキャナの複合製品、
    そして携帯電話、PHSよ複合した製品がDataScopeである。(ああ長い前振りだった)
    ちなみに京セラによって携帯電話、PHSとの融合が図られた製品をDataScopeと呼ぶが、
    IBMが開発し、ASTELで販売された製品もある。
    AI-15である。
    こちらはこちらでかなり面白い製品(便利・・・といいきれない所がすごいのだが)なんで
    興味がある人は「AI-15の謎」というコンテンツを書いていらっしゃる人がいるので、
    一読をすると良いかも。(つか、上のGoogleでも確か先頭にヒットする筈です)

 DataScopeの機種
    で、DataScopeは京セラから販売されたわけなんであるが、私の知りうる限りでは4機種ある。

    PHS系(DDI Pocket契約)
      DS-110  :記念するべきDataScope一号機
      DS-320  :インターネットブラウザ、インターネットメール等を搭載したDS-110の機能強化版
      DS-110BE:初代DS-110よりターミナル機能を外し、インターネット機能に絞ったビジネスユース製品

    800MhzPDC系(NTT DoCoMo契約)
      DataScope for DoCoMo
              :PHS版DataScopeを携帯電話系として作られた製品、DataScope中一番出来が良いとも(笑)

    ちなみに、4機種を合わせてもそう販売台数は2千台とも3千台とも言われている。
    これじゃ商売にならんよな(苦笑)
    私はDS-110を2台、DS-320を1台(といってもこれは会社の先輩に譲る事になっている)を所有している。
    大抵の人は1台使えばもうこりごりとなるのだが、私の場合はどうしてもDataScopeでないといけない理由が
    あるので、現在でも使っている。それにだ、その当時の販売価格はDoCoMoの最新携帯もこんな値段で売らない
    という値段で売っていたので、その値段ならば、他のPDAを使う事を検討するだろうと思う。
    現在、オークションやジャンクショップで売られている値段はPDA中最安値である。
    一応それぞれの機種の特徴は後述するのだが、DS-110BEとDataScope for DoCoMoは未だに所有した事が無いので
    あまり詳しく説明は出来ないのでご承知おきを。

 DS-110
    記念するべきDataScopeの初代機種である。
    デフォルトの機能としては
    住所録搭載(PHS側の電話帳と兼用)スケジューラ搭載(toDO機能有り)、
    電卓搭載(笑)世界時計搭載(笑)、TTY手順ターミナルソフト搭載、
    Nifty-Serve(現@Nifty)PC-VAN(現BigGlove)people(現在消滅)に対する接続手順あり
    とある。
    住所録やスケジューラはロータス・オーガナイザーにより、PCと連携可能である。

    但し、発売当初としては色々と問題があった。
    1、デフォルトでは2400bpsモデムとしてしか使えない(14400bpsも使えたみたいだが、本人は使った事が無いので)
    2、PIAFS、αDATA32を使うには接続キットが必要(これがまた高い)
    3、PIAFSを単独で使う事が出来ず、PCの接続でしか使えない(しかも相手がWindows95である程度のパワーが必要)
    で、後にDOSからでもPIAFSが使えるようになったり、単体でもPIAFSが可能となったのだが、
    それでもユーザーの敷居は高かった。

    その当時は携帯電話やPHSがハングアップする事は「あってはならない物」という認識だったのだが、
    DS-110はかなりの頻度でハングした。(最低でも半年に一回はハングした)
    ハングすれば蓄積していたメールや設定、ユーザーアプリケーションはすべて消えてしまう。
    2,3回のハングを経験すれば普通の人はヘコたれるはずだ。

    また電池の持ちもPHSとは思えない消費傾向だった、何も使わなくても1週間は持たない。
    常用しているのならば3日と持たない筈である。
    しかも大問題として、一度電池切れをおこしたなら、全てのデータが吹き飛んでしまう。
    この辺りはpalm系と同じなのだが、あっちは大抵は2週間は持つのに、こっちは3日である。
    それに充電も充電器を使うのではなくてACアダプタを使うタイプなのでかなり面倒くさい。

    それでも一部の美点があった(というか、それがなければ私は絶対に使わなかった)
    DS-110ではNIFTYなどのメール受信が出来る訳なのだが、文字数の制限は(空きメモリに左右はされたが)
  システム的には全く制限がなかった。一度に受け取れるメールの数は100通を超えられないのだが、
    普通の生活をしている人ならば大きな問題にはならないと思える。

    また、これは私も実感した事なのだが、新機種のDS-320がアプリケーションが増えたにも関わらず、
    ユーザーメモリが増えていないために、空きメモリで圧迫されて自由度が低くなったと言われていた。
    インターネットブラウザ、メーラーを使わない人にとってはDS-320よりDS-110の方が明らかに使い勝手が
    良かったに違いない。

    DS-110はDS-320に比べて生産台数が多かったためか、現在でもオークションで見かける。
    現時点では新品を入手可能だが、DS-110を必要としている人は今のうちに押さえるべきかもしれない。
    (そんな人は少ないと思うのだが)

 DS-320
    あまりにも売れなかった(苦笑)DS-110の後継機として開発された機種である。
    DS-110とは色々な点で違いがあるが、それはあくまで表示上での話である。
    以前ならばテキストメニューで表示する物をアイコン表示にするとかである。
    ソフト的にはDS-110を拡張する事で同等な機能を手に入れる事が出来た。

    それでも大きな点を列挙すると
    1、インターネットブラウザ・メーラーを標準装備
    2、標準でαDATA32、PIAFSに対応(単独でも使用可能)
    3、Pメール(ポケベルみたいなメール)の送受信に対応(DS-110では受信のみがデフォルト対応)
    4、ユーザーアプリケーションの登録数が5つに拡張(DS-110では4つまで)
    そして上記の拡張された機能を収めるために、PDA側の階層化の見直しがされている。

    DS-110の場合はメールの自動受信できるのはNifty-Serve、PC-VAN、peopleだけ(しかもTTY手順のみ)
    であったが、インターネットメールに対応した事で、ほぼすべてのISPに対応が可能となった。
    また、インターネットメーラーは選択受信の方式を取っていたので、
    メールの全てを受信する必要はなく一端未読リストを落とした上で読むメールを選択する事が出来た。
    ただでさえ空きメモリの少ないDataScopeにとっては現実的な選択である。

    また、私はインターネットブラウザはDS-110の拡張キットにしかお目に掛かった事は無いが、
    それと同等であるのならば、私のようなテキスト主体のページならば何の問題も無い筈である。

    但し、DS-320は短期間しか触っていないのだが、DS-110に比べて明らかな問題も内在していた。
    最大の問題は「空きメモリが更に少なくなった」という事である。
    物理メモリやメモリマップそのものも構成はDS-110とDS-320ではなんら変る事が無い。
    にも関わらず機能が拡張されているのだから、空きメモリがDS-110に比べて増える筈が無いのである。
    これはメールを大量に読み込んだり、さまざまなユーザーアプリケーションを自分でインストールする人には
    さぞかし苦痛であったに違いなかったろう。
    (それゆえ、アプリケーションローダー等、すばらしいフリーウェアが開発されたのだが)

    #個人的にはインターネットメールやPメールに対応した時点で、TTY手順はなくした方が良かったのでは
    #無いかと思ったりしたのだが・・・。

    あと、PDA側の階層メニューが深くなったので、一つのアプリケーションを呼び出すのにアクションが
    多くなってしまったのもマイナスと言えばマイナスである。

    但し、DataScopeを紹介しているサイトではDS-320に非常に否定的な意見が多いので、
    あえて反論をさせていただければ、DS-110が単一目的でガンガン使い込むタイプであるのに対し、
    DS-320はむしろ「あれもこれも」少しずつ使う人向けの端末では無かろうかと思う。
    それにDS-110ではPIAFSを導入するだけでもインストールに苦労するのだが、その辺りが少ないのは
    それなりに美点ではあると思う。

 DS-110BE
    DataScopeを使っていた人でもこのDS-110BEの存在はあまり知られていない。
    記憶に有る限り、販売されたのは2000年頃の話で、その頃は携帯電話のPDA機能は
    軽い機能ならば問題無く使えるレベルであったのだから、誰も見向きもしなかったに違いない。
    しかし、一部のDatraScopeユーザーでは「購入しそこなった」事を後悔した人が少なからず居た事は事実である。

    DS-110BEは京セラのネットショップで数量限定(確か50台か100台だったか)で売りに出され、
    それもDDIポケットとの新規契約が前提であった。
    その為に「機種変更でなんとかならないか」という話も聞かれたほどである。
    (実は私も購入しそこなって悔しい思いをした一人である。)

    DS-110BEはその名の通りDS-110を直系に持つ機種である。
    一度メニュー画面を見た事が有るのだが、明らかにDS-320ではなく、DS-110と同じ画面であった。

    ではDS-110とDS-110BEでは何か変ったかというと、
    1、インターネットブラウザ、メーラーの標準装備
    2、TTY手順ターミナルソフトの廃止
    3、PIAFSの標準装備
    という事で、インターネットメールを追加しか代わりに、ファームウェア(正確上、ファームウェアとは言えないが)
    レベルで不要な機能が取り除かれている。

    この事により、空きメモリがかなり増大しており。アプリケーションを組んだり、データを持ち歩いたりする者には
    かなり便利になったのでは無いかと思われる。

    但し、これらも伝え聞くレベルの話である。
    現時点でこの機種を手に入れられる見込みはまったく無い。
    (個人的に、使うかどうかはなんとも言えないのだが)
    そしてこれを最後にDataScopeは舞台から消える事になる。

 DataScope for DoCoMo
    DataScopeはPHS系列だけではなく、800MhzPDCについても販売された。
    これが「DataScope for DoCoMo」である。
    基本的なメニュー構造はDS-110にむしろ近く、PHSと800MhzPDCそれぞれの独特の機能、そして
    キャリアに依存するサービスが異なっている。

    はっきりわかっているだけでも以下の通りである。
    1、PIAFS、αDATA32の廃止
    2、Pメールの廃止、ショートメールの採用。
    3、ユーザーメモリーの拡張

    で、ユーザーメモリーの拡張という点ではこれで心がゆれる人は非常に多い。
    いかに今までのDataScopeユーザーがメモリに泣かされていたのかわかる話なのだが。
    ただ残念ながら、これ以上の情報は私は知らない、ごめんなさい。

    ちなみに以前、中村正三郎氏が使っていた話を聞いた事があるなぁ、という程度でして。
 

  DataScopeを使う上で
    「止めておきなさい」
    と声を大にして言っておきたい。(笑)
    ともかく、苦労の多い機種である事は確実である。
    私の様に「メールのブラウジングと通話を一つの端末でこなしたい」という人とか
    よっぽどトンガッた目的意識が無いと最後には逆キレして放り投げる事請け合いである。

    それに人から好奇の目で見られる事も覚悟した方が良い。
    着信がついた時に、このドでかい端末を持ち出して話をし始めると、多くの人はヒく様である。
    私にとっては丁度良い大きさなんでしゃべりやすいんですけれどね・・・ってどんな大きさの頭だ>オレ

    それに今の人達の価値観にもちょっと・・・と思う時がある。
    一時期モトローラのマイクロTAC(とてもマイクロとは言えないくらいバカでかいのだが)が
    流行っていた時期があって、赤目TACなんかものすごい高値で取り引きされていたのだけれども、
    その理由が「なんとなく格好良さそうだから」という話なんだけれど、
    まぁマイクロTACって一応充電器あるから良いんだろうけれど、同じ感覚でDataScopeを使ったら
    多分にヘコたれると思う。だってACアダプタを挿さなきゃいけないんだもん。
    DataScopeって見た目にも変な端末だから、馬鹿にされる事も多いかも。
    それに笑って済ませる心構えも必要です。
 

    「それでも使ってみたい」という人にいくつかのアドバイスを。
    1、PCカードが使えるPCが必須です。
        ファームウェアをインストールしたり。アプリケーションをインストールしたりする時に必須です。
        「俺、アプリケーションを入れないから大丈夫」といわない事。
        元のファームのままだと、電番が10桁表示です。
        それに、バグが有ったりするので、やっぱりPCカードの使えるPCは準備してください。
    2、Windows95が必要です(笑)
        一応Windows98やMeでも使えるという情報がありますが、それでも敷居が高いみたいです。
        私の場合、DataScopeのサポートの為「だけ」に1台PCを設置しています。
    3、ロータスオーガナイザーも用意するべきです。
        これは住所録とかスケジューラを入力するために必要なんですが、
        特に必須という物ではありません。
        でもDataScopeで入力するには相当の忍耐が必要です。
        出来ればPCで住所録やスケジューラを作成して、それをDataScopeに流すのが良いでしょう。
        メールを送信する時でも出来るだけ前もって定型文だけで送信できるようにする方が良いでしょう。
        ちなみにDataScopeの入力システムでは「:」を入力する事が出来ません(笑)
    4、寿命は2年と思ってください。
        ユーザーの殆どが「2年程度で壊れる」事を良く口にします。
        私の場合も例外ではなくて、2年程度でメモリ周りがおかしくなった為か、完全に暴走するようになりました。
        ですから、使う場合はその辺りの「覚悟」は必要です。

  私の所有するDataScope
    でお決まりの自分の持っている奴の紹介ですけれどね。
    同じ機種が2台有るんで区別の為に恥ずかしい分類をしています。
    どうか許してやってください。
        DS-110(零号機)
        DS-110(初号機)
        DS-320(弐号機)

    えらくあっさりとしているように思うんでしょうが、ちょっと駄文を書きすぎています。
    この辺りでご勘弁という事で、(陳謝)

    まぁ、そんな人は居ないと思うんですが、DataScopeについて質問がお有りの方は
    掲示板にでも書いていただけたら、対処させていただきます。