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2005年07月19日
数えられるフランス語1
一週間ほどまえ石原さんが「数えられないフランス語なんかやめてしまえ」と言って話題になった。 告訴までされたとか、、 言いたい放題の爺さんだから仕方ない。
この件でフランス語を弁護するわけではないが「数えられるフランス語もある」というお話をしよう。 まぁ、数えられるかどうか、の判断は「簡単に」という条件つきの話である。
場所はベルギー南部の街ナミュール(Namur)の郊外。 パン屋さんで昼のサンドイッチを3つほど買った時のこと。 サンドイッチにはそれぞれ1個いくらという張り紙がある。 こういう時はいつも合計金額をまず自分から軽い疑問形で言うようにしている。 正確な値段は忘れたが、コンマ以下の値段(サンチーム)はたしか91だったので「XX.91?」と言った。 91=4x20+1なのでキャトルヴアン、アン?と私は言った。
ところが、おばさんの答えはナファ、アンだった。 これは90+1、英語でいえば ninety one 、これなら「数えられるフランス語」と言える。 もちろん、ベルギーのフランス語は正確にはワロン語といい、フランス人からみれば田舎の方言。 スイスのフランス語もそう。 (もっともジュネーブ北部ヌーシャテルのフランス語は正統という説もある。)
ベルギーの言語は、北はオランダ語系のフラマン語、南はフランス語系のワロン語に二分されている。 ワロン語で91を 4x20+1 でなく 90+1 というのは北のオランダ語の影響だろうと思う。
首都ブリュッセルは完全にバイリンガルな街でフラマンもワロンも両方をしゃべる。 店での買い物で同時に同じ値段を言うとすれば 90+1 のほうが言いやすい。 というのが私の推測。
投稿者 tadashi : 2005年07月19日 09:51