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2006年01月06日

論文の価値

CHAOS学会主催のCASYSという国際会議では、選別した論文を親学会であるAIP(アメリカ物理学会)発行のプロシーデイングスに載せる。 Duboisさんと誰か(毎回変わる)が編集者となり、ブック形式に近いものにする。 優秀論文賞の論文もこれに含まれる。

これ自体ハードカバーの立派なものであるが、重くてかさばる。 だから、すべて前大学に置いてきた。

ところが、Duboisさんのアイデアの素晴らしいのは、選定にもれた論文の多くをCHAOS学会発行のジャーナル誌に載せる。 このジャーナル誌は、かなりの論文の救済に役立っている。

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ここまではいいのだが、日本の大学での評価は、1にジャーナル論文、2にプロシーディングス論文と格付けされることが多い。 優秀論文は、アメリカ物理学会(AIP)というデカい学会のプロシーディングスに掲載される「栄誉」を受けるのだが、日本では「たかが国際会議論文」という位置づけになってしまう。

最初に選定された論文は、選に洩れて救済された子学会のジャーナル論文より、低い評価を受けることになる。 ジャーナル論文数の欲しい人は、優秀論文ではなく、つぎの選定のほうを望むことになる。

日本の大学における業績評価は、「中味の評価」ではなく、「形式評価」に陥っている。 つまり、本当に評価するという手間を省いているし、もし、本当に評価したとしても、評価した人を信用しなくなっている。
まともな評価をしているのは、東大と京大ぐらいかな。 ジャーナル論文数は少なくても優秀な人を教授にしている。

もっとも、この子学会のジャーナル論文のおかげで学位の条件をクリアーさせた例もあるので、Duboisさんには感謝している。


投稿者 tadashi : 2006年01月06日 14:49

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