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2006年12月21日
理念第一主義
教育機関でも研究機関でも、まず「理念」を掲げる、ということになったのは、2000年ごろから。 それまでも、一応書いてはいたが、それほど重視されなかった。 お上(文科省、当時はまだ文部省)も、大蔵(現財務)からの予算獲得上もあり、各大学へうるさくいうようになった。
こういう風潮にすぐ乗れるのは、やはり、優等生あがりの大学の方々。 理念もオハコであるし、作文もうまい。 研究費獲得も、実質よりまず「理念」である。 こういう場合、ファン、つまり、興味第一主義の研究者は弱い。 が、幸い興味第一主義ではあるが、作文も好きなので、なんとかやってきた。 「つまらないことに時間を使わせやがって」とつぶやきながら、、、、
「なにがいけないか」といえば、明白。 結果を判定する審判とその組織が弱体なので、最初の作文がすべて、ということになる。 もっとも研究上は「論文数」だけ機械的に評価するようになった。 被参照数とか、3人連名だと1/3にして、などと変な計算をした書類をよく書かされた。 論文の中味の議論なんか聞いたことがない。
この流れが「教育」にもやって来た。 「数字化できないもの」も数字化し始めた。 こうなると中味を議論するより、数字を議論することなるのは明白。 もっとも「問題である教員がいる」のも確か。 しかし、「数字」で追い詰めるのは本末転倒。
どちらにも同情せざるを得ない。
投稿者 tadashi : 2006年12月21日 02:13