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2009年03月07日

中教審(答申)に異議あり

昨年の中教審(答申)に「学士課程教育の構築に向けて」というのがあるので、目を通した。 なんせ毎日研究科長室にはいろんなものが運ばれてくる。 長と名がつくと「判押し」という仕事は仕方ない。 一目で判押しをしないと時間がもったいないが、時には少し読もうかという書類もある。 「中教審はムダ」というのが持論であるので、目にとまったのである。

案の定、都合のいい議論を展開している。 大学などへの進学率は過多という見方もあるが、そんなことはない。 OECD先進国の統計によると、日本の進学率はまだ低いほうである。 だから、「もっと進学率を上げる」という前提から始まっている。

フランスの例をあげると、高校卒業試験に合格すると、大学進学の資格が得られる。 100%と云わないまでも、大学進学しようと思えばできる。 (日本の国立大学も昔はそうだったが)学費は驚くほど安いから、家庭のために働かないといけないという事情がなければ、大学進学しようと思えばできる。 そういう意味では一時的な進学率は日本より高くなる。

「しかし」である。 1,2年でほとんどやめて行き、最後卒業するのは25%程度になる。 別に「学士力向上」なんて云わなくても、「学士力のある学生さんだけが残る」という仕組みが完成している。

つまり、進学率なんてどうでもいい。 「卒業率」が異常に高いのが問題なのである!


投稿者 tadashi : 2009年03月07日 06:53

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