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2009年03月08日
高学歴社会
進学率は別にして「大卒の多さ」という意味では、日本はアメリカと並んでいる。 ヨーロッパの先進国では(昨日書いたように)大卒となるとぐっと数は減る。 理由は何か? イギリスには(アメリカの原型になったように)私立はあるが、ヨーロッパ大陸には(宗教系など例外を除いて)ほとんど存在しない。
日本流に云えば、原則大学は国立で学費は全然安い。 税金で出来てるから、原則全員入学する権利はある。 だから、入学はさせておいてから、向いていない人にはヤメてもらうのである。
日本も昔は授業料も安かった。 が、戦後経済成長が進むにつれて余裕ができた。 親が(国に代わって)学費を出してやる(アメリカ流の)社会になってしまった。 1960年で云えば国立大学で年6000円、当時の初任給は(フランク永井の歌のタイトルにもあるように)13,800円。 当時の国立大の授業料は初任給の半額程度だから、今で云えば初任給20万の半分ほぼ10万円に相当する。 それが段々あがって約60万円になった。 約100倍になるが、経済成長を考慮しても10倍の値上げである。 この値上げは、見方を変えれば、「私学のため」でもある。 国立が値上げしてくれるから、私学も値上げができ経営が成り立つのである。
国立大値上げのおかげで、「税金使って卒業させたのに」という後ろ指をさされることが(殆ど)なくなってしまった。 だから、京大出て「お笑い芸人」やってても許容できる社会になっている。 それどころか、高学歴芸人がひとつのウリにまでなってしまった。
現在の日本は羨ましい成熟社会なのである。
投稿者 tadashi : 2009年03月08日 07:01