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2011年04月20日

原発10km圏内に1年間住んだ 〜古い話ですが〜

場所は時々思い出話に出てくるグルノーブル(フランス)で、37年もまえの話。 原発はグルノーブル郊外にある。 郊外とはいえ、リヨンとつながる高速にのると、数分ですぐ脇に見えてくる。 街の中心から5kmくらいだから、原発と同居している街である。 フランスは、電力の70〜80%を原発に依存する国で、ドイツとは対照的である。

グルノーブルは、四方が山に囲まれた盆地。 山といっても、日本の山と違って岩盤で出来た2000メートル級の山で、フレンチ・アルプスとつながっている。 シャモニーへ行って、モンブランを眺めるエギュー・ドュ・ミディへのロープウェイに乗った人はわかると思うが、尖った山の先端とロープがつながっている。 エギュー・ドュ・ミディは富士山より高い。 岩盤でないと崩れ落ちるから、日本ではムリな構造である。 日本は砂地の国で、どこに何をつくっても砂上の楼閣になる。

周囲が屏風みたいな山で囲まれた街だから万一原発事故があっても、グルノーブル圏内で収まるから、市街地に原発がつくられたのだろう。 フランスでも最初につくられた原発は、南仏であまり人がいないところ。 グルノーブルは2番目だけど、市街地原発である。 圏内といっても、30万人ほど住んでるから大変な事態になるが、「事故は起こらない」という感覚でないと住めない。

岩盤に囲まれた盆地で、グルノーブルは地震とは縁がない。 事故が起こるとすれば、「テロのような人為的なもの」と考えられている。 だから、敷地の入口には、ライフルを肩にかけた警備員が立っている。

投稿者 tadashi : 2011年04月20日 05:29

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