2012年04月22日
数学の人とつきあったころ 〜古い話ですが〜
ここのところ数学づいていて、「位相」の関係だけでも5冊ほど本が出てきた。 数学の人といえば、広大で70年代初めのころの話。 機嫌よくアメリカ(ハワイ)の国際会議から帰ってきたら、「理学部数学科のY教授からお呼び出しあり」とのメッセージがあった。 広島市にあった旧キャンパスでは理学部は1kmほど離れてた。 都合をつけて行ってみたら、私の「完全グラフのスター分解」という論文(といってもショートノート)を読んでられて、いわく「うちはもっと一般的なクロー分解をやってる」とのこと。 それはけっこうなことですね、ぐらいのことを言ったかも知れないが、こちらは30代初めでY教授は50代でしかもボス。 結局、Y研究室とつきあうことになった。
土曜日の午後がY研究室の「研究セミナー」で、これに1年ほどつきあった。 「組合せ論」がメインテーマだったので、それなりに面白かったが、工学と理学の違いも感じた。 証明ができたらそれで次へ行けばいい、と思うのに、「証明がエレガントでない」からもう一度やり直そうという。 たぶん足が自然に遠のいた理由のような気がする。 向こうは数学がメインテーマだけど、こちらはサブの話でしかなかったから。 「スター分解」もそうで、n=3の証明が出来たから「発表した」という私に対し、一般的なnの場合の証明がすんでから発表しよう、としたとのこと。 学会は違うのでこっちは全然気にしてないのに、向こうは「n-3を先に発表されたこと」が気にいらなかったようだ。
もっともこのおかげで、同世代の数学科の人と知りあうきっかけになった。
投稿者 tadashi : 2012年04月22日 06:37