きれいな思い出
(1)
(まじ話です。ノンフィクションですが、登場人物は全て仮名です。)



17歳 4月

俺の高校では、毎年4月は昼休みに1年生を

全員屋上へ集め、応援練習をしていた。

応援団の副団長をしていた俺は、毎日応援の仕方を教えていた。


他の団員は、皆がちゃんとやっているかどうか見てまわっていた。

団員の一人が男子生徒を前へ連れて来た。

応援歌を歌っていなかったという理由で。


”何故歌わないんだ?”と聞く俺に

高慢な態度を取り続ける男子生徒。

思わず怒鳴りつけていた。


らちがあかないので、解散させた。

放課後屋上に来いと言って。


一人の女子生徒が前へ出てきて言った。


”あたしも応援しませんでした”


かわいい顔してるくせにいい度胸してるな(^_^;)


”なぜなんだ?”


”あたし、○○教徒で応援とかできないんです”


応援もできねえ宗教なんかあるか?と思った俺たちは

怒鳴りつけていた。


授業も始まるので、放課後に呼び出して、話した。

2人共○○教徒で、神以外のものを崇拝する事に

つながるので、できないとの事だった。

いくら、話しても翻意させられない事を悟った俺は、


”わかった。応援はしなくていい”

”だが、士気に関わるから応援をする場には絶対に来るな”


と言って2人を返した。



17歳 9月

家へ帰ると、親父が俺の顔を見て、

ニタッと笑った。(^_^;)

気持ち悪いなと思ったら、手紙が来ていた。


開けてみると、英文のラブレターのようだった。

無記名だったので、友達のいたずらかと思ったが、

いたずらにしちゃあ、これほどの文を書くのは手が混みすぎで、

本当のようだった。


訳すとこうなる。

○○先輩へ

あなたに初めて会った時、

”○○先輩はなんて素敵なんだろう”と思いました。

あなたが一所懸命応援している姿はとても男らしく見えました。

その時から私はあなたの虜になりました。

あなたの事を思うと夜も眠れません。

私の気持ちをわかっていただけますか?

全て、あなたに恋している女の子がいるという事を

知って欲しかったからなのです。

名前を書く勇気はありません。

でも、あなたに臆病だとは思って欲しくないのです。

どうか、お身体を大切にして、受験勉強をがんばって下さい。

心からあなたの合格を祈っています。

お元気で。


あなたを心から愛する少女




辞書にかかりっきりでやっと訳した(^_^;)

俺は3年で彼女はおそらく1年なのに・・・

なんかすげえ情けない気がした。

いくら、理系とは言え。



18歳 3月

卒業式が終った。

俺は教室に一人でぼおっとしていた。

3年間。本当にいろんな事があった・・と回想していた。

やっと、在校生としての高校に別れを告げられる気分になり、

教室を出て階段に向かった。




”キャーーーーー!かえっちゃうよおお!”



女の子の声に振り向いた。



女の子がこちらへ走ってくるのが見えた。



1年近く前に怒鳴りつけた女の子だった。



”卒業おめでとうございます”


”ありがとう”


”受験がんばって下さいね”


”うん。がんばるよ”





沈黙(^_^;)




”じゃあね”



”あ。。はい。”



ちょっとだけ、気分を良くして俺は帰った。



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