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第三室11作品が並べられ、9作品目に置かれた『窓辺で手紙を読む女』は、私が一番メモを沢山取った作品でした。初期の作品とされる(⇒制作年別全作品)この作品に、この画家の力量の凄さを、まざまざと見せ付けられました。メトロポリタン美術館で『眠る女』を観た時には、未完のものが、そのままそこにあったのが、次の作品とされるこの作品では、見事に完成されてました。
フェルメールの描写力は、この時点で、すでに完成されていることがよくわかりました。
窓辺で手紙を読む女 手紙を読んで喜んでいるのか、 悲しんでいるのか、 それを、はっきりさせたかった。 でも、わかりませんでした。 |
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1.カーテンレールの輪が不揃いに並べられているのが描かれています。一つ、一つが丁寧に描かれています。その光の反射までも描かれてます。 2.ここに、『キューピット』が描かれていたのが、その消されたと思うラインで、何となくわかります。 3.赤色のカーテンが窓にかけられているのが、よく描かれています。開かれた窓から、風を感じる描写があるか、探したのですが、ありませんでした。 4.窓の影が、壁に描かれています。壁は、このあたりが一番明るいです。 5.窓に映った顔が描かれてます。そこからの、喜怒哀楽を見たのですが、やはり読み取れませんでした。 6.後ろに編みこんだ髪の描写が、実に奇麗に丁寧に描かれてます。 7.耳元を、髪が落ちるように流れています。清流の流れのような、この描写は、実に、実に素晴らしいです。 8.肩のすぐ下にとめるように来る、この衣装は、『ワイングラスの女』と同じもののようです。この肩の辺りの皺の描写も素晴らしい。 9.この手紙を持つ手は、働いている女性のものです。そこには、繊細さより、逞しさをみることができます。 手紙は、『青いの女』の時と同じく、紙なのに、厚く描かれてます。 |
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10.イスにライオンの飾りが描かれてます。これは、『眠る女』の時と同じようです。 11.黒と黄緑が織り成す衣装が、繊細で、清楚であるけど、素敵です。 12.カーペットでしょうか?その模様が、束ねられていることで、微妙に変化していることが、見事に描かれ、その淡い青色(コバルト・ブルー)が素敵です。 13.禁断の実を現すのでしょうか?果実が12個、そのうち見事な大皿に乗っているのが8個で、あぶれ出ているのが、4個です。大きさも大小不同で、果実の種類も不揃いです。 14.カーテンは、裾野の模様まで丁寧に、コツコツと描かれています。 この作品は、『フェルメール作品』の中で、その全体の色調としては、珍しい黄緑、緑、黄色、黒、赤が中心となっています。 この清楚さと気品は、誰からも愛される作品であることを物語っています。 |
今回の『フェルメール展』で、一番長い時間立っていたのは、この作品です。場所が開けば、そこに行ってました。沢山の人が来られているので、なるべく迷惑にならないように、それでも、ずっとその場にいたい、そういう気持ちにさせてくれる作品です。
次のページでは、第四室について掲載します。