ホームフェルメールと巨匠たちグウェン・ジョン(1)>(2)

グウェン・ジョン(2)

 グウェン・ジョン(1876〜1939年)のこの自画像は、1900年頃に描かれたとされています。つまり、パリに移る前に描かれてことになります。この肖像画については、ホームページを歩き廻ると、色々なところで、出くわすのですが、私のつたない英語力では、他の情報を得ることはできませんでした。


 この絵を最初見た感想からすると、『恐ろしい』という感じでした。自画像は、内面を表すものなので、グウェン・ジョンは、自分にも、他の人にも厳しいものがあったのではないか?と思いました。


 小さなイヤリングと首につけたカメオが印象的で、赤いブラウスも素適ですが、襟元の黒が印象的です。グウェン・ジョンは、黒の色使いが上手いと思います。女性の割りに眉がしっかりあるのは、意志の強さを表し、鼻が高いのは、西洋人独特な顔立ちだと思います。フェルメール作品では、ほとんど眉がない女性が多いのと比べると、同じ女性の顔でもかなり違います。


 また、右目の方が瞼が上がりぎみで、大きさが違うように見えます。清楚な女性を連想します。

 

赤いブラウスを着た自画像

 グウェン・ジョンの描く女性に、着飾った女性が少ないのは、彼女のこの人間性によるものかもしれません。その面でも、フェルメールの作品の絵とは異なります(フェルメール作品では、手紙を書くのに、そんなにおしゃれをしなくても・・・、というような女主人が登場します)。


 次のページでは、グウェン・ジョンの室内画の名作『画家の部屋の片隅』について掲載したいと思います。


(2002年10月3日作成)


ホーム   戻る   次へ