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グウェン・ジョン(1876〜1939年)のこの絵は、1907年頃に描かれたとされています。つまり、パリ時代のものです。1911年にパリ郊外のムートンに移るわけですから、多分この絵は、パリ時代自分が下宿している部屋の片隅を描いたものではないかと思います。
清潔に片付けられた女性の部屋というイメージがあります。壁が斜めになっているのは、その場所が階段か、屋根なのではないでしょうか?小さな空間を、居心地良いものにしています。
彼女は、きっとこのイスに座り、この窓辺で、本を読んだりして、過ごすのでしょう。その姿が、目に浮かびます。傘は、日傘(パラソル)で、何気なくかけられたブルーのカーデガン?から、お出かけから返ったばかりかもしれません。
窓に掛けられたレースの白いカーテンが素適で、レースが裾に入ってます。窓辺から入る光の描写が見事です。テーブルの上には小さな花瓶があり、紫の花が入ってます。フェルメールの窓辺とは少し違う描写ですが、とても奇麗です。
画家の部屋の片隅 |
グウェン・ジョンの描く、パステル調というか、独特の淡い色使いの、和紙のような絵は、彼女にしか描けないものだと思います。でも、この絵は、とても奇麗で、淡い薄さが、私は大好きです。
次のページでは、グウェン・ジョンの名作『猫を抱く若い娘』について掲載したいと思います。
(2002年10月3日作成)