北京漂流記
by kana

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1日目:移動(京都→北京)
(2001/12/26)



関西国際空港国際線カウンター前にコンさん、カオさんと14時集合の約束。
京都からはJRはるかちゃんで行けば関空直行なのだけど、特急料金が高いのと時間に余裕があるのとで、私は在来線を乗り継ぎ、大阪駅からJRの関空快速で行くことにする。
マンションを出ると雨。最寄り駅まで歩いていこうかと思ったのに、仕方なくタクシーに乗車。

しかし、スーツケースが重い。
平坦な道はキャスター移動できても、ちょっとした段差では持ち上げなければならないので大変。
階段も、スロープやエレベーター・エスカレーターを探すのが一苦労。
おまけに背中には二胡背負ってるし。
手のひらにはマメが出来かけているし、腕は間違いなく筋肉痛の予感。
いったいこのスーツケースは何キロあるのだろう?

大阪駅で関空快速を待っている間、偶然カオさんに合う。
カオさんも家を出るときは雨で苦労したらしい。
二人で関空快速に乗り込む。
これに乗ってしまえばあとは関空に到着するだけなので、ほっと一息。

関空でコンさんと合流。チェックイン。そして手荷物検査。
同じ飛行機と聞いていたパイさんを探すが見あたらず。
座席指定終了直後にパイさんの姿を見つける。なので座席がちょっと離れちゃったのが残念。
とりあえず北京のホテルに到着するまで4人一緒に行動することにする。
また、北京で行われる日中友好昆劇公演で伴奏を務める、京都江南絲竹会のメンバー2人の姿も見つける。
同じ飛行機のようなので、後ろにくっついていくことにする(笑)

二胡はワシントン条約の関係で税関手続きをしないと帰国時日本に持ち込めないため、4人そろって税関のカウンターへ。
事前に先生から税関に連絡してもらってたので、税関の対応もスムーズだった。
「みなさん中国でレッスンですか?」と笑顔で尋ねられる。(^^;;
『外国製品の持出し届』の書類に記入し、証明印を押してもらう。
(この証明書を帰国時に税関で見せると二胡の皮を没収されない。)

みんなでシャトルに乗り搭乗ゲートに向かう。
シャトル内で他の日本人客に、「それはなんですか?」と二胡のソフトケースを指される。
kana「なにに見えますか?」
観光客「うーん・・・、ゲートボール?」
全員「・・・・・・・。」(硬直)

国内線は乗ったことあるけど、国際線は私は初めて。
つまり、海外に出るのはこれが初めて。
搭乗待ちの時にみんな(コンさんもカオさんもパイさんも海外旅行の達人)から「初の海外脱出のお気持ちはいかがですか(^^?」とからかわれる(笑)

飛行機は、中国国際航空大連経由北京行き。
15時半に搭乗が始まり、16時過ぎにテイクオフ。
乗務員もみんな中国人。機内標準語は中国語(^^;; 機内アナウンスは中国語・英語・日本語の順。
乗ってすぐに飲み物と機内食のサービス。機内食は和食のみ。
しかし茶そばといなり寿司をナイフとフォークで食えと? さすが海外(謎)

私は通路側の席なので、窓側のコンさんのところに私の二胡を立てかけさせておいてもらう。
さすがにコンさんのと私のと、2本だとかさばるなぁ。
でもまだ二胡だからいいけど、揚琴とか箏を飛行機で運ぶにはどうするんだろう?

機内で中国の入管に提出する入国カードが配られる。
中国人は漢字で、外国人はアルファベットでかかなければならない。
アルファベットなんて面倒くさい。
ホテル名も英語名で書かないといけないから、いちいち旅行社のハンドブック取り出して綴りを確認しないとならないし。漢字なら「○○飯店」ですむのに。
日本人にも漢字で書かせろー!

経由地の大連が近づいてきたとのアナウンス。
「現地の気温はマイナス2度でございます。」
いきなり氷点下の世界かよっ(滝汗)
中国は日本より1時間の時差があるので、腕時計を1時間遅らせる。

やがて飛行機が下降し始めて・・・どんっ(着地)・・・ぱかっ(振動で頭上荷物入れのフタが開いた)・・・がくがくがくっっっ(全力滑走)・・・ききーーっ(急ブレーキ)・・・がくっ(急停止)
「こんな荒っぽい着地は初めてだっ!」
海外渡航経験約20回を誇り、おおよそ日本人が行かないようなところばかり回っている秘境探険家カオさんですら叫ぶ。(^^;;
それに、着地直後まだ飛行機が全力滑走していて機体ががくがくしているのに、みんな一斉に立ち上がり、通路をうろうろして荷物入れから荷物を取りだしているのにもびっくり。
乗務員が飛び出してきて中国語で何か怒鳴り制止しようとしていたけど、誰も言うことを聞いてないし(^^;;
びっくりする私たちとは対照的に、中国渡航経験の多いパイさんは「いつもこんなもんよ」と落ち着いていた(笑)

大連着。
全員ここで一旦飛行機を降り、入国手続き。
機内で書いておいた入国カードとパスポートを提示して入管をくぐる。
ここで飛行機を下りてしまう人と北京まで行く人とでは通路が違うので、進路を間違えないように緊張する。
江南絲竹会の人の背中を見つけてホッとする。でもって追いかける(笑)

大連の搭乗待ちロビーで、機内で前の座席に座っていた年輩の夫婦に声を掛けられる。日本人だったらしい。
中国が大好き(特に西安)で、定年退職後何度も中国を旅行しているとのこと。
北京で泊まるホテルも私たちと同じらしく打ち解ける。
が、二胡を聞かせて下さいとの要望は固辞する(笑)
この夫婦は年末まで北京に滞在し、その後西安に行ってしまうのだそうだ。

再び飛行機に乗り込んで、北京へ出発。
またまたすぐに飲み物と機内食のサービス。
機内食は、ラップに包まれた冷たいハムバーガー。投げるように配る中国人乗務員(^^;;
中国のハムはちょっとクセがあるのか、なんとなく食べにくかった。

現地時間19時半に北京着。免税店は全部閉まってる(^^;;
大連と同じくマイナス2度。
いろんな手続きを経てスーツケースを受けとり、現地添乗員さんに連れられてホテルまでミニバスで移動。
江南絲竹会の人たちや大連で話しかけてきた年輩夫婦も一緒。
日本人に囲まれているので、異国に来たという実感がなかなかわかない。
が、ミニバスが左ハンドルで右車線を走るのに、「ほぉ・・・」と思う。

外資系の企業が多いのか、高速道路の脇の看板やネオンも見たことがあるのがちらほら。
しかし、中国の看板ってどれも派手ねぇ。

21時、ホテル着。
当たり前だけどケータイに電源を入れても圏外表示。
ロビーで前日から北京入りしていたティエン父子に偶然会う。感動の再会(笑)
ティエンファミリーとパイさん(1日到着が遅いチエンさんと同室)は8階、私たちは6階になった。
私たちの部屋はエキストラベッドのせいで少し狭いけど、まぁまぁきれい。

すでにホテルの両替カウンターは閉まっていたので、みんな無一文状態。
仕方ないのでコンさんが日本から持ってきたカップラーメンを部屋で食べる。(北京到着第一食目がこれかい・・・)
部屋の電話が突然鳴りだし、カオさんが出ると、研修期間中(12/27〜12/30)にお世話になる通訳さんだった。
明日8時10分にロビー集合の確認をする。

荷物の整理をし、貴重品を備え付けのセーフティボックスに入れようとすると、セーフティボックスが動かない。
ダイアル式ではなく、デジタル表示の画面にパスワードを打ち込む方式なのだけど、何度やってもパスワード入力途中にデジタル画面が消えてしまうのだ。
どうやら電池切れ? とにかく明日通訳さんが来たらフロントに訴えてもらうことにする。

順番にお風呂に入り、研修期間中の全体会計をどうするか3人で話し合い、午前1時半就寝。

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