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2日目:打楽器レッスン〜チャイナ採寸〜昆劇鑑賞 (2001/12/27) 研修1日目。 6時起床。かすかに喉が痛い。 空気が乾燥しているようだ。前夜、バスタブにお湯をはり、バスルームのドアを開けっ放しにして寝たのにな。 テレビを付けたら気功の番組をやっていた。さすが中国。 昨日重たいスーツケースを持ち運んでたので、右腕が激しく筋肉痛。(^^;; ホテルのブッフェで朝ご飯。 今日は早朝からお出かけ(打楽器レッスン)なので、たくさん食べておく。寒いときには食べて血糖値を上げないとね。 ブッフェの料理は外国人観光客が多いのか、完全に洋式。 中華料理はあんの入った包子、お粥くらい。 お粥とザーサイがおいしい。 朝食後、両替カウンターで円から元に両替。 円安ドル高でレートが変動しているらしい。だいたい1元=16円。少し前まで1元=15円だったのに。ちっ。 全体会計係のカオさんがみんなから雑費、通訳さん日当、本日のレッスン料を徴収。 雑費はみんなでご飯を食べたりみんなで移動するときの食費や交通費。 8時10分、ホテルのロビーでコンさん、カオさん、パイさん、ティエンファミリー、そして私の7人が集合。通訳さんと初顔合わせをする。 挨拶もそこそこに、通訳さんにセーフティボックスが動かない事情を話し、フロントに交渉してもらう。 立ち会わないとフロントは部屋に入れないとのことだったので、本日別行動でホテルに残るパイさんに立ち会ってもらうことにする。 今日は午前中は打楽器レッスンの予定。 レッスン会場の某民族楽団の練習場に向け、通訳さんの先導で、パイさんを除く6人が外出。 初めて北京の道を歩き、初めて北京の地下鉄に乗る。 見渡す限り、生中国人である。何一つ言葉が理解できない。 異国に来たんじゃなくて、宇宙の果てに飛ばされた気分。 地下鉄の放送は中国語と英語。日本ではジャマに思える英語放送も、ここではありがたい。 (ちなみに、この時点で私の理解できる中国語は、「ニィハオ/イ尓好(こんにちは)」「シェシェ/謝謝(ありがとう)」「イーアルサンスー/一二三四」「ペイチン/北京」「リーベン/日本」「アルフー/二胡」だけでした。マジで。 周囲の言葉が100%理解できないという環境が初めてだったので、慣れるまで泣きそうでした。(^^;; この後帰国までに、「ハオ/好(良い)」「プーハオ/不好(悪い)」「トイプチー/対不起(ごめんなさい)」「メイグアンシ/没関係(かまいません)」「ウー/五」「OK(←英語だけどかなり通じる)」を実地で覚えました。) 地下鉄やら町を歩いていると、やたらと「○○集団」という広告が目に付く。 「集団」っていったい・・・ 通訳さんに聞くとどうやら企業グループのことらしいが、意味が分かってからもすごい違和感を感じる。どうしても「武装集団」「集団攻撃」などの物騒な単語がちらつくんだもの(^^;; 地下鉄を降りて某音楽院の前で打楽器の老師と待ち合わせ。 少し早く着いたので、某音楽院の購買を見学する。 CDや楽譜がいっぱい。楽器のパーツや消耗品も売ってた。 9時、約束の時間ちょうどに老師が到着。 中国では時間はあまり守られないと思っていたのは間違いだったらしい。 老師に連れられて、老師の所属する某民族楽団の練習場に向かって道を歩く。 北京の大通りは片道3〜4車線が普通で、道幅がとっても広い。 その大通りを歩行者や自転車の人々が横切っていく。 歩行者が道を横切っていても車はスピードを落とさないし、道に横断歩道の白線が書かれていても信号はないし、めっちゃ怖い。クラクション鳴りまくり。突っ込んでくる車。とにかく怖い。 私たちも老師の横断に合わせてあわてて道を何度も横断する。ちょっとでもタイミングが遅れようものなら車にはねられるか、みんなとはぐれて迷子になっちゃう(^^;; 出発前に旅行保険に入っておいて良かった・・・と心底思う(笑) 北京は寒い寒いと聞いていたので厚着をしていたのだけど、緊張しながら一生懸命歩いたせいか、そんなに寒さを感じない。 某民族楽団の練習場着。 広い練習場が借りられなかったとのことで、老師の控え室(個室)で練習することになる。ずっと暖房を入れっぱなしにして下さってたようで、とても暖か。 「他のメンバーは地方公演に行ってしまったから、大きな音を出しても大丈夫。」と老師。 翌日から始まる地方ツアーのために他の楽団員はみんな出かけてしまったのだけど、老師は私たちのために出発を1日遅らせてくれてたらしい。^^; 練習曲は『金蛇狂舞』と『武術』。 一人一つずつ楽器を持ち、フレーズを短く切ってリズム練習。 老師はどちらかと言えば、楽器の持ち方や音色を厳しくチェックするのではなく、他の打楽器とのアンサンブル(リズム)重視で指導されてたような。
特に打楽器部門で指揮者になるのは大鼓なので、大鼓担当者はそれを意識して腕を大きく振り上げて大鼓をたたき、他の打楽器奏者も大鼓の指揮に注目してアンサンブルを合わせなさい、とも。 通訳さんは中国の大学に通う日本人留学生さんで、同時通訳のプロではなく、また音楽が専門でもないので、なかなか大変そう。 老師が私に何か質問し、その質問内容が複雑だったらしく老師と通訳さんとのあいだで二言三言中国語のやりとりがあり、内容を了解したのかくるりと通訳さんが私の方に振り返って、
レッスン終了は13時近く。 老師に紹介された、近くのちょっと高級な中華料理店(全席個室のお店)で昼食。 ナマズっぽい魚の丸蒸しとか野菜炒めとか。あと主食に水餃子。 中国では餃子は主食なんだってね。日本のように餃子をおかずに白米を食べるのは中国ではやらないらしい。 老師の紹介のおかげで割り引いてもらえて、だいぶ安く食べられた。(老師は午後から地方ツアーに出かけるのでご一緒できなかったけど。) 食事終了後、タクシーで前門駅前に移動し、女性陣はチャイナドレスの採寸。男性陣(ティエン父子)は付近の散策をすることに。 向かった先は前門駅前の路地裏商店街(歩行者天国)で、年末だからか買い物客で大賑わい。 通訳さんを先頭に人混みをかきわけながら移動する私たち。すると突然私の後ろで悲鳴が。 悲鳴の主はコンさんで、トートバッグに財布を入れて肩から下げていたところ、見知らぬ男が後ろからバッグに手を突っ込んできたとのこと。 その男は悲鳴ですぐに人混みの中に消えてしまい財布は無事だったのだけど、人混みの中を歩くときは貴重品の管理をしっかりしないと危ないということをみんな再認識。 本日チャイナドレスを作るのは、コンさん、カオさん、ティエンママ、私の4人。(パイさんは遅れて北京入りするチエンさんと一緒に30日に採寸。) 2軒お店を回って、大通りに近い方のお店にする。(コンさんが路地裏恐怖症になったため。) 店に置いてあるカタログを見てデザインを決め、布を選び、採寸し、出来上がり日を確認し、お金を払って終了。 デザインも古典的な型からほとんど通勤スーツと変わらないようなものまで、布も伝統的な双喜をあしらったものから斬新な柄まで、いっぱいいっぱい。目移りしてなかなか決められず。(^^;; 結局私は七分袖の上着と足首タイトスカートの同生地ツーピースにし、下のスカートを換えることで着回しできるようにする。 上はチャイナの上着で下は黒のフレアースカートという組み合わせもよく見かけるので、自分で黒のスカートを買えば長く着られるかなと思って。 布はあれこれ迷ったあげく、「かな坊の選ぶ柄はどれも地味やなぁ」とみんなに笑われながら、白地に黄色の模様が入ったのにする。 衿とすその縁取りは店員さんのお薦めでオレンジ。仕立て上がりのイメージがちょっと想像できない。 料金は布代と仕立て代に特急お仕立て料金をプラスして一人630元。 本当は680元だったのだけど、ティエンママが値切ってくれたらしい。(^^) ドレスショップを出た後は、ティエンファミリーは一旦ホテルへ、通訳さんと残された私たちは夕食を取って、18時半にみんなで昆劇を鑑賞する中国児童劇場で落ち合うことにする。 夕食はラーメン。注文を通訳さんに任せたのでなんのラーメンなんだか分かんなかったけど、コシのある細麺、キノコの入ったあっさりスープでおいしかった。 トイレ休憩とタクシーを捕まえるために(本当はホテルのタクは高いが、夕方で流しが捕まらなかった)、北京国際飯店に入る。 設備は超一流だしピアノの生演奏もあるし、さすが五ツ星ホテル。(うちらのホテルは三ツ星。) タクシーで王府井大街から少し通りを入ったところにある、中国児童劇場に向かう。 ホテル発着タクシーなので初乗り2元。流しだと1.6元、少し小型の流しだと1.2元。 中国のタクシーは運転席が鉄格子で囲まれており、1人客だと助手席(左ハンドルなので右側の席)に乗るのが普通らしい。 私は中国語が出来ないのでずっと後部座席に乗っていたのだけど、この鉄格子がクセモノで、乾燥した北京では鉄格子に触れるたび、びりびりばしばし静電気の被害に遭うのだ。(--;; (北京の冬の静電気はそれはもうものすごく、ホテルのドアノブとかはもちろん、ひどいときには誰かとものを手渡しするだけでびりっと来る。みんな自家発電装置になったみたい。) 中国児童劇場の前でティエンファミリーと無事合流。 劇場内に入ってすぐ、通訳さんから某戯劇学院の教授という人に紹介される。(たまたま通訳さんとその教授が知り合いで、たまたま劇場内で出会ったらしい。) その某戯劇学院の教授は私たちが明日から二胡を教わる某音楽学院の元教授とも知り合いで、また京都江南絲竹会のメンバーとも面識があるらしく、私たちも京都から来たというととても喜んで親しく話しかけてきてくれた。 その教授も二胡を教えているらしく、日本人生徒が20人いるらしい。 何年二胡をやってるの?と聞かれ、3年目と答えると、「じゃあなんでも弾けるね、二泉映月でもなんでも。」と言われて、みんなで固まる。 それから、気功はやってるか?とも聞かれる。曰く、「二胡を弾くには気功が大切。二胡の手の動きは気功そのものだからね。ぜひ気功を始めなさい。」とのこと。 開幕前、劇場の売店で国産(この場合中国企業の商品という意味)のミネラルウォーター(500ml)を買う。3元。通訳なしの、初めての一人でのお買い物。 ミネラルウォーター、ホテルの冷蔵庫に入ってるのだと、国産500mlで15元、欧米系350mlで20元だったかな。日本円に直したら20元=320円だよ。高すぎる。 今夜中国児童劇場で行われるのは『UNESCO無形遺産昆劇日中合同公演−日中国交回復三十周年を記念して』(これは日本人向けの日本語タイトル)という3夜連続公演の初日。チケットは無料。 この日の出し物は『伝統劇鑑賞会』と題して、有名な昆劇俳優たちによる伝統劇5つのハイライトシーン連続公演である。 18時50分、開幕に当たってまず「京都江南絲竹会」が舞台に上がり3曲演奏。 続いて司会による開幕宣言。次に日本大使から挨拶が。 駐中国大使ってこんな人だったのね。でも中国語で挨拶されたら何言ってるのか分かんないわ・・・^^; この後UNESCO大使(日本人だけど英語で挨拶)とか北京文化局の偉いさんたちの挨拶が続き、やっと第一話が始まったかと思うと字幕は中国語で分かんないし、そのうち気が付くと私は夢の中へ(爆) 早起きだったし朝から終日外出だったし、疲れてたのよぅ・・・f(^^;; 起きたのは第3話の後半。続いて第4話、第5話はちゃんと見てたよー。 特に第5話は『関大王独赴単刀会』より『刀会』のシーンで、これはすごい迫力。 セリフとかストーリーは何にも分かんないのだけど、なんだかよく分からないままとても引き込まれて見てた。 後で聞いたらみんなそうだったよう。 終わったのは21時半くらいだったかな。幕間に全く休憩がなかったのでしんどかったー! 劇場を出ると通りに屋台が広がっていて、おなかが空いてたのでみんなで買い食いをする。 私は胃腸が弱いので肉系は避け、ゆでトウモロコシ(4元)を買う。が、ぜーんぜん甘くない・・・ 日本とは野菜の味が違うのか? この後通訳さんと別れ、タクシーでホテルに帰る。 順番にお風呂に入り、本日到着のチエンさん(上海経由北京入り)と、別行動だったパイさんの2人が部屋に遊びに来て、みんなで会計の話し合い。 研修期間は12/27〜12/30の4日間なのだけど、日割り計算だから一部別行動者が出ると計算が複雑になるし、雑費もどこまでをみんなのお金として認めるか、どこまでを私費とするかでそれぞれ見解が違うようで、会計の話し合いをするときは毎回一騒動。 私たちは、会計係のカオさんがそのうちキレるか心労で倒れるんじゃないかとビクビク。 それから、朝パイさんに頼んでおいたセーフティボックスの動作確認立ち会いだけど、ホテルの人が動かしたら何にも問題なく動いたとのこと。 試しに私が動かしたら、本当に何ともなかった。どないなってるんじゃ。 その後順番にお風呂に入って、午前0時45分に就寝。くたくた。 |
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