(その15の続きです)
午後1時になり、運客を再開します。オーナーさまのご厚意でビッグボーイで、運客走行させていただきます。もちろん、この機関車を運転するのははじめてです。これまでの5インチゲージの 8620やC57などの大型機の運転経験を踏まえて、チャレンジしてみます。
昼休みに運転していた倶楽部のメンバー(中学生)に、「運転してみてどうでしたか?」と尋ねてみると、「加減弁ハンドルが熱かった」とのこと。加減弁ハンドルは運転室にありますが、加減弁自体は一般には、運転室の前方のボイラー上などにあり、加減弁ハンドルとは少し離れていますが、この機関車ではハンドルと弁が一体であり、ハンドル(↑)のところまで蒸気が常に来ていることから、熱いのだと思われます。
自作のガーラット式(Garratt)機関車の運転室
こちらは、令和7年10月12日(日)に開催されました市川蒸気鉄道クラブさまの運転会にお邪魔した時に見させていただいた自作のガーラット式(Garratt)機関車です。この機関車も、ハンドル(↓)と弁が一体になっています。蒸気を蒸気分配箱(マニホルド)から取っているようで、↓ ←と通ってバルブまで蒸気が常に来ており、バルブ(流量を調整できる玉形弁/グローブバルブでしょうか?)を開けると、← ↓と通って、前後の蒸気室/シリンダーに向かいます。
さて、乗用台車を連結したビッグボーイのテンダーに乗り、つくで駅に向かいます。加減弁ハンドルを少し左に回したのですが、動き出しません。動輪舎製 C56などにおいて、テコハンドルの引きが少しだと動き出さないのにちょっと似ています。オーナーさまよりもっと回すよう指導していただきました。運客列車をつくで駅につけると、倶楽部のメンバーの方の案内で、お客さまが乗車されます。乗車完了となり、発車合図を受けて、汽笛を鳴らし加減弁ハンドルを動き出すまで左に回します。皮の手袋をしているのですが、ハンドルに触れ続けると熱いので、ハンドルを回したら、すぐに手を放すこととします。画像は加減弁ハンドルから右手を放したときの画像です。ちなみに、軍手だと熱湯が中に浸み込みますので、私はご覧の皮の手袋をしています。なお、ここからの画像はオーナーさまにを撮影(動画像)していただいたものです。オーナーさま、ありがとうございました。
このレイアウトの運客列車は、内側と外側の線路で2周走行します。つくで駅発車前のお客さまの乗降中に火室内を見て、火かき棒で火床を均します。火かき棒で火床を均す理由は、@火床の凹凸を無くすこと、A本当の火床の厚さを知ること(燃え尽きようとしているものの、形のある石炭に惑わされ、実際より厚く思ってしまうことを防ぐ)、B灰殻類を灰箱に落とす、C石炭の燃焼具合いを確認する、ためです。
そして、2周走行に必要な石炭を投炭し、運客走行中は投炭しなくてもよいようにしておきます。走行中、特に力行中は焚口戸を開けたくないのです。通風により、冷たい空気を火室内に取り込んでしまい、火室内を冷やしてしまうからです。そうならないよう、2周走行できるよう、ちゃんと投炭してから発車します。
と、分かってはいるものの、実際にはなかなかうまくいきません。発車時は蒸気圧がちゃんとあったものの、発車直後の右曲線の上り勾配での大量蒸気使用などにより、ボイラー蒸気圧が下がってきます。そうなると、要注意です。最悪、負のスパイラルに入ってしまいます。つまり、ボイラー蒸気圧の低下 → フィードバックバルブを開けて、ボイラーへの給水を止める。→ 水面計の水位が少しずつ下がっていく。→ ボイラーへの給水を止めたことにより、ボイラー蒸気圧が上昇に転じれば、それに応じて、フィードバックバルブを閉めて、ボイラーへの給水を再開できるのですが、ボイラー蒸気圧が上昇に転じなければ、ボイラーへの給水をためらってしまいます。でも、水面計から見えなくなるほど低下してしまうと、空焚きする恐れがあり、やむなく給水すると更にボイラー蒸気圧が低下してしまい、遂には運客走行を中止せざるをえなくなってしまいます。ボイラー蒸気圧が上昇に転じても、ボイラーへの給水を再開すると、またまた、ボイラー蒸気圧が低下しはじめる恐れがありますので、水位の確保と蒸気圧の確保とのバランスをうまく取りながら、少しずつでよいので、両方の上昇を目指します。と、書くのは簡単ですが、運客走行を続けながら、水位と蒸気圧の両方を上昇させることは、とても難しいです。
今回、ボイラー蒸気圧0.4MPaぐらいで出発したものの、発車直後の右曲線で0.3MPaまで低下させてしまい、それ以上低下しないよう、フィードバックバルブ3つすべて全開することがありました。オーナーさまに話すと「火室の前方にも、投げ込むように投炭するように」とのアドバイスをしていただきました。
つくで駅での発車待ちの間に、テンダーから降りて、火室内を見て投炭していたのですが、見えている範囲が火室全体と思って投炭していたのです。ですので、見えない前方への投炭が足りず、蒸気を十分発生させていなかったのです。火室の前方が見えにくい大型機を運転するときの盲点かもしれません。
投炭に使用するショベルです。石炭を掬って、勢いをつけて前方へ投げ込むように改善しました。
(その15へ戻ります) (その17に続きます)
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