ライブスチームの運転


389. アスターホビー製 森林鉄道 B形タンク機関車   (その2)   (R1.6.15掲載)

  (その1の続きです)

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運転室を出て、前方のシリンダー方向に向かった蒸気は、 シリンダーに直接入るのかと思いましたが、そうではなく、 ここ()を通って、 逆転機()に入るようです。 なお、は、排気管です。


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逆転機の操作は、機関車前部のレバーで行います。 左または右に倒して、前進後進を切り替えるようです。


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 逆転のメカニズムが知りたくて、 前の写真の、下から撮影した写真を送っていただきました。 給気管と排気管が四角のブロックに繋がっており、 その前に円形ブロックがあります。 円形ブロックは、逆転機のレバーの操作で回転します。 写真ではバネを取り外して、四角のブロックから離していますが、 バネの力で四角のブロックに密着しています。
 四角のブロックには、 4つ穴があります↓←↑→)。 4つの穴のうち、 一つが(おそらく、給気管に、 もう一つが(おそらく、 排気管に繋がっているものと思われます。 残りの2つの穴が、左右のシリンダーに繋がっているものと思われ、 一つの穴から二股に分かれて、左右のシリンダーに繋がっていて、 上側の穴()から蒸気分配板の上側のポートに繋がっていて、 下側の穴()からは蒸気分配板の下側のポートに繋がっているものと思われます。 そのイメージとしては、下図のようではないかと推定しています(間違っていたら、ごめんなさい)。


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 円形ブロックには、 円弧状に溝が2つ彫られています→ ←)。 この溝により、給気管と排気管を、四角のブロックの上下の穴とを繋げているようです。 例えば、給気管を上側の穴に繋げると、排気管は下側の穴に繋がります。 逆転機を操作すると、給気管は下側の穴に、排気管は上側の穴に繋がります。 このようにして、前進、後進を切り替えているものと思われます。 下図がそのイメージですが、推定ですので、間違っていたら、ごめんなさい。

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 この図では、円形ブロックの溝により、排気管と上側の穴が繋がっており()、 給気管と下側の穴が繋がっています()。 つまり、上側の穴が排気の通路となり、下側の穴が給気の通路となります。
(お断り:円形ブロックの溝は、前の写真の通り、円弧状であり、△ではありません。接続のイメージとして表現しています。)


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 次に、逆転機を操作すると、排気管と下側の穴が繋がり()、 給気管と上側の穴が繋がります()。 つまり、上側の穴が給気の通路となり、下側の穴が排気の通路となります。

 四角のブロックの4つの穴は、90度ずつずれていますので、 逆転機の操作で、円形ブロックは90度回るように思われます。
 ところで、左右の動輪のクランク位置の位相差は何度なのでしょうか?。 2シリンダーで往復運動する通常の機関車では90度ですが、 片押しのオシレーティングエンジン2気筒ですので、180度なのでしょうか?。
 それにしても、よく考えて作られており、ビックリです。 オーナーさまもメールで、「上手くできています。感服しました。」とのことです。 また、”前進のみ走行すれば良い”と考えれば、このような凝った作りをしなくても良かったわけで、 アスターホビーさまの”こだわり”を感じます。


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円形ブロックを、バネで四角のブロックに密着させているようです()。 蒸気の通り道ですので、漏れを防止するためかと思われます。


公式側のオシレーティングエンジン           非公式側のオシレーティングエンジン
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オシレーティングエンジンです。 シリンダーはピポットにはめてあるバネとナット()で、蒸気分配板に密着しています。


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 非公式側のバネとナットをアップしてみます。 以前、横浜ライブスチームクラブさまの月例運転会にお邪魔させていただいたとき(46. 久しぶりの1番ゲージライブスチーム (その9)参照)、 メンバーの方から、「オシレーティングエンジンは安全弁の役目を果たす。」旨、 伺ったことを思い出しました。 バネで蒸気分配板に押しつけられているシリンダーが、高圧になるとバネの力に勝って蒸気分配板から離れることにより、 蒸気を逃がすものと思われます。実機でいう、シリンダー安全弁のような機能を果たすのです。 よく考えられています。


(その3に続きます)  


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