ライブスチームの運転


470. 令和元年12月 パーパス製 5インチゲージ C57 (その2)  (R2.3.25掲載)

  (その1の続きです)

公式側を斜め後方から見た写真です。何か、お気づきでしょうか?。


この写真がヒントです。お分かりでしょうか?。


新設したインジェクターが、左右反対に付いているのです。 本来は、ここから()蒸気が入り、 ここから()送り出され、逆止弁を経て、 ボイラーに給水されます。 水の取り込み口()に近い側が入側()で、 遠い側が出側()です。


 インジェクターは使えませんが、 ハンドポンプ軸動ポンプがありますので、 先に進めます。オーナーさまによると、久しぶりの運転とのことですので、念のため、 ボイラーに水を張って、ハンドポンプで水圧をかけてみることにします。 ところが、ハンドポンプのレバーを前後動しても、 ボイラー圧力計の針がまったく上がらないのです。 そこで、どこまで送水されているのか、切り分けていきます。 写真は、ハンドポンプからボイラーへの送水管の、テンダー側からエンジン部側への接続箇所を外して、 そこまで送水されているかをチェックしているところです。


 
しかし、テンダー側からエンジン部側への接続箇所からは、水が出てきません。 よって、もっとハンドポンプ側が疑われます。 次にハンドポンプ(テンダーの右前部に配置)を出た直後の配管接続箇所()を外してみます。 そして、ハンドポンプのレバーを前後動してみます。 しかし、ここ()からも、水が出てきません。


 ということは、ハンドポンプ自体が疑わしいです。 ハンドポンプの中に入っていると思われる、ステンレスボール(上下で2個)の固着かもしれません。 そこで、ハンドポンプを覆っているカバーの上側を取り外し、 ハンドポンプ上部のネジ()を外してみることにします。 ところが、写真の通り、ハンドポンプを覆っているカバーが3方にあり、 スパナをかけづらいのです。いっそうのこと、テンダーの水を抜いて、 お湯を入れることを考えましたが、容量が大きく、大量のお湯が必要ですので、躊躇します。 そうこうするうち、何度もやっていたら、スパナが滑ってしまい、 結果、ハンドポンプに衝撃を与えることになりました。 もしかしたらと思い、ハンドポンプのレバーを前後動させると、 なんと、ハンドポンプを出た直後の接続箇所(前の写真の)から、 水がピュッピュッと出てきたのです。ハンドポンプ上部のネジ()を外すことなく、 回復したのです。衝撃で、固着していたステンレスボールが離れたようです。 一体、何が幸いするか、分かりません。やれやれです。


 外した箇所をすべて接続し、ハンドポンプでボイラーに水圧をかけてみます。 運転室内の、ブレーキ弁(蒸気により、ブレーキをかけますので)と、 シリンダー排水弁の作用コック(蒸気により、シリンダー排水弁を開閉しますので)から、 僅かに水漏れが見つかりましたが、 ボイラー圧力計の針が下がっていく速度は、ゆっくりですので、まずまずの状態です。
 ボイラーの水圧試験において、テスト圧力から全く下がらないのが理想です。 が、ゆっくりと下がっていく程度なら、ヨシとして、いいかと思っています。 ポイントは、テストポンプの圧力計の針が下がっていく速度だと思います。 ポンプを動かす手を休めると、瞬く間に下がっていくようでは、問題です。
 圧力計の針が、5kgf/cmを超えると、安全弁から水が噴き出しましたので、 安全弁の動作は良好のようです。
久しぶりの運転とのことでしたので、ボイラーに水圧をかけてみることにしたのですが、 その過程でハンドポンプの不調を発見することができました。


 
 次に火を入れます。が、その前にボイラーは満水ですので、 水面計の真ん中あたりまで、抜きます。水を抜いている間に、 以前、製作したショベル(138. 5インチゲージ大型蒸気機関車用ショベルの製作 (H29.1.18掲載) 参照)が使えるのか、 試してみます。写真のショベルは、 5インチゲージの8620形(セントラル製)C56形(動輪舎製)で、 私が使用しているもので、ご覧の通り、このC57でも使用できます。


 
 写真のショベルは、前の写真のショベルより、1段大きいショベルです。 ご覧の通り、焚口から入りません。左右端を少し内側に曲げれば、入るかもしれません。 なお、どちらのショベルもステンレス製ですので、運転を終えて、 火室内で真っ赤に燃焼している石炭を掬い出しても、平気です。 また、柄は木製ですので、熱が伝わりにくく、金属製と違って、熱くならない利点があります。


(その3に続きます)  


トップページへ戻る