(その1の続きです)
公式側を斜め後方から見た写真です。何か、お気づきでしょうか?。
この写真がヒントです。お分かりでしょうか?。
新設したインジェクターが、左右反対に付いているのです。
本来は、ここから(→)蒸気が入り、
ここから(→)送り出され、逆止弁を経て、
ボイラーに給水されます。
水の取り込み口(↑)に近い側が入側(→)で、
遠い側が出側(→)です。
インジェクターは使えませんが、
ハンドポンプと軸動ポンプがありますので、
先に進めます。オーナーさまによると、久しぶりの運転とのことですので、念のため、
ボイラーに水を張って、ハンドポンプで水圧をかけてみることにします。
ところが、ハンドポンプのレバーを前後動しても、
ボイラー圧力計の針がまったく上がらないのです。
そこで、どこまで送水されているのか、切り分けていきます。
写真は、ハンドポンプからボイラーへの送水管の、テンダー側からエンジン部側への接続箇所を外して、
そこまで送水されているかをチェックしているところです。
しかし、テンダー側からエンジン部側への接続箇所からは、水が出てきません。
よって、もっとハンドポンプ側が疑われます。
次にハンドポンプ(テンダーの右前部に配置)を出た直後の配管接続箇所(→)を外してみます。
そして、ハンドポンプのレバーを前後動してみます。
しかし、ここ(→)からも、水が出てきません。
ということは、ハンドポンプ自体が疑わしいです。
ハンドポンプの中に入っていると思われる、ステンレスボール(上下で2個)の固着かもしれません。
そこで、ハンドポンプを覆っているカバーの上側を取り外し、
ハンドポンプ上部のネジ(↓)を外してみることにします。
ところが、写真の通り、ハンドポンプを覆っているカバーが3方にあり、
スパナをかけづらいのです。いっそうのこと、テンダーの水を抜いて、
お湯を入れることを考えましたが、容量が大きく、大量のお湯が必要ですので、躊躇します。
そうこうするうち、何度もやっていたら、スパナが滑ってしまい、
結果、ハンドポンプに衝撃を与えることになりました。
もしかしたらと思い、ハンドポンプのレバーを前後動させると、
なんと、ハンドポンプを出た直後の接続箇所(前の写真の→)から、
水がピュッピュッと出てきたのです。ハンドポンプ上部のネジ(↓)を外すことなく、
回復したのです。衝撃で、固着していたステンレスボールが離れたようです。
一体、何が幸いするか、分かりません。やれやれです。
外した箇所をすべて接続し、ハンドポンプでボイラーに水圧をかけてみます。
運転室内の、ブレーキ弁(蒸気により、ブレーキをかけますので)と、
シリンダー排水弁の作用コック(蒸気により、シリンダー排水弁を開閉しますので)から、
僅かに水漏れが見つかりましたが、
ボイラー圧力計の針が下がっていく速度は、ゆっくりですので、まずまずの状態です。
ボイラーの水圧試験において、テスト圧力から全く下がらないのが理想です。
が、ゆっくりと下がっていく程度なら、ヨシとして、いいかと思っています。
ポイントは、テストポンプの圧力計の針が下がっていく速度だと思います。
ポンプを動かす手を休めると、瞬く間に下がっていくようでは、問題です。
圧力計の針が、5kgf/cm2を超えると、安全弁から水が噴き出しましたので、
安全弁の動作は良好のようです。
久しぶりの運転とのことでしたので、ボイラーに水圧をかけてみることにしたのですが、
その過程でハンドポンプの不調を発見することができました。
次に火を入れます。が、その前にボイラーは満水ですので、
水面計の真ん中あたりまで、抜きます。水を抜いている間に、
以前、製作したショベル(138. 5インチゲージ大型蒸気機関車用ショベルの製作 (H29.1.18掲載) 参照)が使えるのか、
試してみます。写真のショベルは、
5インチゲージの8620形(セントラル製)やC56形(動輪舎製)で、
私が使用しているもので、ご覧の通り、このC57でも使用できます。
写真のショベルは、前の写真のショベルより、1段大きいショベルです。
ご覧の通り、焚口から入りません。左右端を少し内側に曲げれば、入るかもしれません。
なお、どちらのショベルもステンレス製ですので、運転を終えて、
火室内で真っ赤に燃焼している石炭を掬い出しても、平気です。
また、柄は木製ですので、熱が伝わりにくく、金属製と違って、熱くならない利点があります。
(その3に続きます)
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