(その2の続きです) 68621の運転室
引き続き、68621の運転室の各機器などを見ていきます。 G : 加減弁ハンドル 加減弁ハンドル(←)です。 ご覧の通り、テコ式です。 実機同様、手前に引くと加減弁が開いて、蒸気室/シリンダーに蒸気が送られて、走りはじめます。 私は加減弁ハンドルを引く瞬間、ゾクゾクワクワク&緊張します。 H : 焚口戸 焚口戸です。実機では鎖を引き上げて焚口戸を開けますが、こちらは、横(右)に開きます。 実機通りの作りにすると、左手で鎖を引き上げて焚口戸を開き、右手でショベルで投炭することになり、 両手が必要となることから、片手で投炭できるよう、このような作りにされたのかもしれません。 停車中ならともかく、走行中は両手を使って投炭するのは、困難そうですし。 I : ボイラーの圧力計 ボイラーの圧力計です。ボイラーの蒸気圧を知る上で、とても重要な機器です。 水面計と共に、火を入れたら、しっかりと注視します。 J : 手ブレーキハンドル 手ブレーキハンドルです。勾配線路上に留め置くときにハンドルを回して、 ブレーキをかけるといいと思います。 なお、走行時は、手ブレーキハンドルではなく、テンダーのブレーキを効かせる方がいいと思います。 K : 灰箱のワイヤー 灰箱を開くワイヤーです。 走行終了後などに、ワイヤーを引いて(↑)、灰箱を開きます。 L : ハンドポンプからボイラーへ送水する、接続口 テンダーに搭載されている、 ハンドポンプから送り出された水が通る、機関車側の接続口です。 圧力がかかりますので、水漏れしないよう、しっかりとねじ込んで接続します。 M : インジェクターと軸動ポンプへ送水する、接続口 テンダーの水槽から、インジェクターと軸動ポンプへ送水する、機関車側の接続口です。 こちらは圧力がかかりませんので、一つ前の写真の接続口と形状が異なっています。 N : ハンドポンプ・軸動ポンプから送り出された水の戻りの、接続口 ハンドポンプと軸動ポンプから送り出された水が、 テンダーの水槽に戻る、機関車側の接続口です。 こちらも圧力がかかりませんので、一つ前の写真の接続口と形状が同じです。 フィードバックバルブを閉めるとボイラーに給水され、フィードバックバルブを開けると、 ここを通ってテンダーの水槽に戻ります。 一般に、フィードバックバルブは、軸動ポンプからボイラーへの給水量を調整します。 また、ハンドポンプから送り出された水は全量ボイラーに給水されます。が、 この機関車の場合、少し異なり、ハンドポンプからボイラーへ給水する時は、フィードバックバルブを閉める必要があります。 ボイラーへの給水経路イメージと、L〜Nの接続口の位置は、 次の通りと思われます。 <ボイラーへの給水経路イメージ> →は水の進行方向を示しています。 ーーーーーテンダー側ーーーーーー┃ーーーーーーーーーーーエンジン(機関車)側ーーーーーーーーーーー インジェクター →→→→→→→→→→→→逆止弁→→→→ ↑ ↓ ↑ ↓ →→→→→→→→→→→→M→→→→→→軸動ポンプ →→→ ↓ ↑ ↓ ↓ ↑ ↓ ↓ ↑→→→ハンドポンプ→→→L→→→→→→→→→→→→→→→→→→→逆止弁→→→ボイラー ↑ ↓ ↑ ↓ ↑ フィードバックバルブ ↑ ↓ ↑ ↓ テンダーの水槽 ←←←←←←N←←←←←←←←←←←←←←← <解 説> 〇左側がテンダーで、右側がエンジン(機関車)です。 〇テンダーの水槽から、Mを通って、インジェクターと軸動ポンプに送水されます。 給水装置に入る前ですので、Mには、ほぼ圧力はかかりません。 〇インジェクターの逆止弁は、インジェクター専用となっています。 〇テンダーに搭載している、ハンドポンプから送り出された水は、Lを通ります。 〇軸動ポンプとハンドポンプから送り出された水の逆止弁は、共有となっています。 〇フィードバックバルブは、軸動ポンプとハンドポンプで共有となっており、 軸動ポンプ/ハンドポンプからボイラーへ給水するときは、 フィードバックバルブを閉めます。 フィードバックバルブの開閉量を調整することにより、 ボイラーへの給水量を調整することが可能です。 〇フィードバックバルブが開いていると、 軸動ポンプ/ハンドポンプから送り出された水は、Nを通って、 テンダーの水槽に戻ります。 〇給水装置(インジェクター/軸動ポンプ/ハンドポンプ)から送り出された水は、 ボイラーの蒸気圧に勝たないと、逆止弁を通過できず、ボイラーに給水することはできません。 (その2へ戻ります) (その4に続きます) |