(その1の続きです) 3.5インチゲージ OS製ボールドウィンB1 ボイラーの水圧試験
3.5インチゲージ OS製PORTER MOGUL(ポーターモーガル)の次に、
3.5インチゲージ OS製ボールドウィンB1のボイラーの水圧試験を行っています。
オーナーさまによると、譲り受けられた機関車だそうで、はじめて運転されるとのことで、ボイラーの水圧試験を行うものです。
状態が不明な場合、火を入れる前にボイラーの水圧試験を行うことは、賢明なことだと思います。ところで、ボイラーの水圧試験において、どういった状態なら"合格"で、どういった状態だと"不合格"なのでしょうか?。 ボイラーの水圧試験のやり方を書いた文献はありますが、判定の仕方が書かれた文献はほとんど見たことがありません。 そこで、これまでOS法隆寺定例運転会などで拝見させていただいた試験模様を整理して、どう判定したら良いのか、考えてみます。 ○テストポンプの圧力計の針がテスト圧力から全く下がらないことは稀で、10輌中、1〜2輌程度です。 今回の試験結果のように、ほとんどの場合、圧力計の針が下がってきます。 私のOS製コッペルやOS製クラウスもそうです。 ○テストポンプの圧力計の針が下がる場合、どこから漏れているのか、丹念に調べます。運転室内や室外にある機器類、 更に煙室戸を開けて煙室内も調べます。また、漏れる箇所は一箇所とは限りません。 程度の差はありますが、複数箇所あることが少なくないのではないでしょうか。 私のOS製コッペルです。煙室内において、水が見つかりました。 更に、汽笛からも水が漏れ出ています。 ○水漏れ箇所を特定するため、必要に応じて配管の接続を外して、切り分けていきます。例えば、通風弁を出て煙室に向かう配管や、 汽笛弁を出て汽笛に向かう配管や、ハンドポンプ/ドンキーポンプ/インジェクター/軸動ポンプを出て逆止弁に向かう配管などです。 ○もし、水漏れ箇所がボイラー自体であれば”不合格”とし、火入れ不可と判定した方がいいと思います。 OS法隆寺定例運転会でのOS製ボイラーにおいては、このケースを見たことはありません。 なお、水漏れ箇所がボイラー自体と判定するには、全てのボイラーの口(逆止弁や水面計などを取り付ける口)をプラグで塞いで、水圧試験を行います。 ○ボイラー自体ではなく、各機器などから漏れが見つかった場合、一つ一つ対処していきます。 例えば、水面計の場合、ガラスパイプの上下のネジを増し締めします。但し、締めすぎるとガラスパイプが割れるかもしれません。 それほど締めなくても漏れなくなるはずです。もし漏れるのであれば、ネジの中に入っているOリングが劣化しているかもしれません。 その場合はOリングを交換します。 汽笛弁や通風弁の場合、ごく僅かであればそのままでもあまり支障はないかと思いますが、 テストポンプの圧力計の針がまたたく間に下がるのであれば、修理するか交換した方がいいと思います。 汽笛からの水漏れは、汽笛弁が原因だと分かりました。漏れが多かったので、新品と交換しました。 ○対処後、再度、水圧試験を行います。テストポンプの圧力計の針がテスト圧力から全く下がらなくなることが理想です。 しかしながら、針がゆっくりと下がる程度であれば、”良し”としてもいいかと思います。 多少漏れる程度であれば、あまり支障はありませんので。このあたりは程度の問題だと思います。 但し、漏れが多ければ多いほど、ボイラーの蒸気圧と水位を維持することが難しくなることは、覚えておいた方がいいと思います。 せっかくつくった蒸気を、常に無駄に大気に放出しているのですから。 汽笛弁を新品と交換しましたので、再度、水圧試験を行っています。 定例運転会に戻ります。ボイラーの水圧試験を終えたOS製PORTER MOGULが、 走行に向けて準備を行っています。蒸気室に直接、スチームオイルを給油しています。 フレームの内側には、スチーブンソン式弁装置や軸動ポンプがありますので、撮影を試みました。 (その1へ戻ります) (その3に続きます) |