ライブスチームの運転


723. タカダモケイ 5インチゲージ Bタンク機 (その4)  (R5.6.21掲載)

 (その3の続きです)

運 転 室
タカダモケイ 5インチゲージ Bタンク機の運転室です。 引き続き、各機器を見ていきます。

 J : 圧力計
      
      ボイラーの圧力計です。重要な機器です。大きくて見易く、好ましいと思います。


 K : ハンドポンプ
      
      ハンドポンプです。OS製コッペル、フォルテ、ドルテ、クラウスなどはサイドタンクの中にありますが、 OS製T5ーSUPERと同様に、運転室にあります。 ボイラー蒸気圧の高低や水温に関わらず、常に給水できるのが特徴です。 とても重要な機器で、火を入れる前にボイラーに給水できるかテストし、不調な場合は火を入れません。


      
      ハンドポンプから送り出された水は前方に送られ、非公式側の煙室近くにある逆止弁()を経て、ボイラーに給水されます。


さて、こちらは公式側の足回りです。弁装置はワルシャート式でしょうか。


軸動ポンプから送り出された水は、公式側にある逆止弁()を経て、ボイラーに給水されます。 これ()は何か分かりますでしょうか。


 アップして見てみます。 ここ()にオイルを入れて、チューブをつたって、軸受に給油します。オーナーさまが工夫されました。 1番ゲージの機関車なら上下逆さにして給油できますが、5インチゲージの機関車はそのようにはできませんので。


非公式側です。サイドタンクの前、煙室の横に、機械式給油器があります()。


駆動源は加減リンク()の往復運動で、蒸気室/シリンダーにスチームオイルを送り込みます。


今回は試運転ということで、昼休みの時間を利用して、試験走行します。


最大のポイントは、ボイラー蒸気圧の維持です。


 
しかしながら、走りはじめると徐々に下がっていくようです。


 
サイドタンクの水槽の水が無くなりました。ヤカンで給水しています。


 
再び、試験走行します。

 オーナーさまご兄弟のご厚意で運転させていただきました。 ボイラー蒸気圧4kgf/cm2で走行開始しました。 加減弁ハンドルをゆっくりと引くと動きはじめました。ボイラーの圧力計を注視していると、少しずつ低下していきます。 3kgf/cm2をきり、2kgf/cm2に近づいたところで、加減弁ハンドルを戻して停車しました。 これ以上走行を続けたら、自力での圧力回復が難しくなってしまいます。 ボイラー蒸気圧低下に至ったのは、走行のための蒸気の必要量(需要)に対して、 蒸気の発生(供給)が間に合わないからだと思います。
 では、どうしてそうなったのでしょうか?。 この原因を解明するのは、容易なことではありません。考えられる要因は多数あり、多くの場合、原因は複数あるからです。 そこには、「機関車等の整備状態」「燃料」「運転操作技術」の3つの要素があり、 それぞれの要素毎に複数の要因があり、それらの総合結果として(AND条件)、走行にあらわれると考えています(詳細は、6.運転のポイント(H27.11.11掲載)を参照してください)。 要素毎に満点を1とすると、「機関車等の整備状態」は0.8、「燃料」は0.8、「運転操作技術」は0.8の場合は、 0.8×0.8×0.8=0.512となります。 総合評価として、1×1×1=1でないとチャンと走らない訳ではありません。 評価を大きく下げているものと思われる要因から順に改善していくといいと思います。 思い出深いこのBタンク機関車が、元気よく走行する日が来ることを楽しみにしています。

(その3へ戻ります)  


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