(その2の続きです) 2.蒸気機関車の安全 (1)ボイラーに火を入れる前に、蒸気が無くても給水可能な、軸動ポンプとハンドポンプが正常に動作することを確認します。 特にハンドポンプはエマージェンシーポンプとも言われている重要な給水機器です。 もし、動作不良なときは、原則として火を入れません。 ![]() ボイラーに水を入れる前に、ブローダウンバルブを開いた状態でハンドルを前後に動かすと、 ブローダウンバルブから水が排出されればハンドポンプは正常に機能しています。 あるいは、ブローダウンバルブを全閉した状態でハンドルを前後に動かすと、 水面計の水位が上昇すれば、ハンドポンプは正常に機能しています。 ![]() テンダーの水槽に水を入れ(タンク機の場合はサイドタンクなどの水槽)、 ボイラーに水を入れる前に、フィードバックバルブを全閉した状態で機関車を前又は後ろに動かすと、 ブローダウンバルブから水が排出されること、あるいは、フィードバックバルブを全開した状態で機関車を前又は後ろに動かすと、 水槽に水が戻ってくる(フィードバック)ことを確認します。 (2)スチームアップ時に蒸気圧を上げて、安全弁が正常に動作することを確認します。 ボイラーの圧力計を見て、所定の圧力で吹くこと、所定の圧力まで低下すると吹き止まることを確認します。 特に長期間、火を入れていない場合、ステンレスボールが固着している可能性がありますので、注意します。 ![]() 動輪舎製5インチゲージ C56150です。
安全弁から蒸気が吹き上がりました。 (3)水面計を監視し、適宜給水し、ボイラーの空焚きを防止します。 水面計から見えなくなりそうまで水位が低下しているにも拘わらず、蒸気圧の低下をおそれて、給水しないのは危険です。 ![]() (4)水の欠乏とならないよう、お客様が乗降りされる駅などに補給用の水タンクを置いておきます。 万一無くなると、ボイラーへの給水が遅れてしまいますので、多めに置いておくと安心です。 ![]() (5)”火が入っている機関車から目を離さない”ことが、原則だと思います。 それゆえ、私はスチームアップ時、火を入れる直前にトイレに行くことにしています。 また、午前中走行し午後も走行するため、昼休みも有火状態とする場合、目を離さないよう、 昼食は機関車のすぐ横で摂り、水面計を監視し、適宜投炭とボイラーへの給水をしています。 また、トイレに行くときは、水面計の上方までハンドポンプ等で給水してから行きます。 なお、その際、機関車が動き出さないよう、加減弁は全閉状態で、逆転機はミッドギアにセットしてあることを確認し、 ブレーキをかけておくといいと思います。 ![]() (6)有火状態において、故障等で全給水機能が失われた時は、ためらわずに火をすみやかに消します。 (7)シリンダー・蒸気室に適宜給油します。そのため、走行により、オイルタンク内のスチームオイルが減少していることや、 煙突の内側にオイルが付着していることを確認します。そして、適宜、オイルタンクにスチームオイルを補充します。 ![]() 私のOS製5インチゲージ コッペルです。
運転室左側にある機械式給油器のタンクにスチームオイルをいっぱい入れたところです。 (8)走行終了後、火室から取り出した燃え残りの石炭は、空き缶などに入れます。 そして、灰箱を開けると、灰や小さな燃え殻が落下するので、枯草などに引火しないよう、 灰箱の下に灰受けを置いてから灰箱を開けると、いいと思います。 また、火室から取り出した火格子は高温になっていますので、火傷しないよう注意し、 他の方が踏んだり触れたりしないよう、置き場所にも注意します。 ![]() 動輪舎製5インチゲージ C56124のオーナーさまが、
製作された灰受けです。私もこれを参考にして、製作しました。 ![]() 動輪舎製5インチゲージ C56150の火格子です。
踏んだりしないよう、少し高い線路上に置いています。 (9)蒸気圧が0.0MPaまで下がる前にボイラーの水を抜く場合、ブローダウンバルブを開いた途端に、 蒸気・熱湯が噴き出しますので、周辺に人がいないことに注意して、ゆっくりと開けます。 また、ボイラーは冷めるまで時間がかかりますので、ミニSLに興味を持ったお子さまが近づいて触らないよう、注意します。 ![]() (その2へ戻ります) (その4に続きます) |