ライブスチームの運転


780. ”安全”について (その4)  (R6.2.3掲載)

 (その3の続きです)

2.蒸気機関車の安全(続きです)
(10)2年に1回、ボイラーの水圧検査(使用圧力の1.5倍の水圧で検査)を行います。 水面計やブロアーバルブ、ホイッスルバルブなどから水漏れが見つかることがあります。 その場合は、水漏れ箇所のネジを増し締めしたり、Oリングなどの消耗品を交換するなどの必要な対処をした後、再度、 水圧検査を行い、対処具合いを確認します。 また、この機会に、ボイラーの圧力計と、水圧検査のために取り付けた精度の高い圧力計との指針の差を確認しておくと良いと思います。 なお、私はOS製機関車において、水面計から水漏れが見つかり、Oリングを交換する時は、併せてガラスパイプも交換することとしています。 そして、水圧検査の結果を小型蒸気機関車製造者協会さまの模型ボイラー検査カードに、 検査日、水圧テスト圧力、所見の記入と、検査立会者の方にサインをしていただきます。 模型ボイラー検査カードは、運転時に常に携帯します。
  なお、はじめはベテランの方に立ち会っていただくと、良いと思います。 また、ボイラーの水圧検査に関しては、小型蒸気機関車製造者協会さまのホームページが参考になると思います (296. ボイラーの水圧試験 (その1)(H30.7.25掲載)363. OS製クラウスのサイドタンクの修理と”模型ボイラー検査カード” (その1)(H31.3.16掲載)も参照してください)。

OS製コッペルのボイラーの水圧検査模様
テストポンプとボイラーを高圧ホース()で接続しています。

テストポンプ
市販(アサダ製TP50N)のテストポンプです。

接続アダプタ
 
 市販のテストポンプの高圧ホースは、機関車のボイラーの口には、径やピッチなどが合わず、接続できません。 そのため、両者を接続するためのアダプタが必要となります。 が、アダプタの市販品はありませんので、自作します(注、OSさまはアダプタを販売されていることを最近、知りました)。 私は所属する倶楽部のメンバーの方に、快削黄銅六角棒を材料に、旋盤やダイスなどを駆使して製作していただきました。

テストポンプのハンドルを上下動させて水圧をかけると、 非公式側運転室下にある、汽笛から水がポタポタと漏れてきました()。

 
 汽笛からの水漏れが見つかったため、ホイッスルバルブを取り外し、そこを栓して(内)、 水漏れ箇所は他にもないか調べるため、再度、水圧をかけてみます。 なお、左の画像の内をアップして見たのが右の画像です。

 
 煙室戸を外して、煙室内を見てみると、下部に水が溜まっています()。 水漏れ箇所を特定するため、切り分けたところ、ホイッスルバルブに加え、ブロアーバルブからも漏れていることが判明しました。 水漏れ箇所は一カ所だけとは限らないのです。

模型ボイラー検査カードです。 検査日、水圧テスト圧力、所見の記入と、検査立会者の方にサインをしていただきます。


(11)メーカー製機関車の場合は、運転説明書を熟読すると良いと思います。メーカーさまはその機関車に熟知されていて、貴重なノウハウがいっぱい書かれています。 ただ、さりげなく記載されていて、それがノウハウだと気づかないことが少なくないように思われます。 メーカーさまも朱書きするなどの工夫をしていただければと思います。
   なお、最近は、インターネットのオークションなどでメーカー製機関車を入手することもあろうかと思います。 もし、運転説明書などが添付されていないのであれば、ベテランの方や同じ機関車所有の方にアドバイスを求めると良いと思います。 また、メーカーさまにおかれましては、運転説明書・組立説明書などのドキュメントのみの販売に応じていただけると、助かると思います。
OS製コッペルの運転説明書です。


(12)模型蒸気機関車のボイラーの安全性確保に関しては、小型蒸気機関車製造者協会さまが作成された「模型用ボイラー安全規格」や、 日本小型鉄道倶楽部さまが作成され、ホームページで公開されている「模型蒸気機関車ボイラー安全指針」に示されています。 ボイラーを設計・製作する場合は、これに則り、安全性を確保します。
小型蒸気機関車製造者協会さまが作成された「模型蒸気機関車ボイラー安全指針」です。

(その3へ戻ります)   (その5に続きます)  


トップページへ戻る