ライブスチームの運転


781. ”安全”について (その5)  (R6.2.10掲載)

 (その4の続きです)

3.列車の安全
(1)走行開始前に線路設備などの点検を行います。 線路内の小枝や小石や落ち葉や線路に寄りかかった草木などの障害物を取り除くと共に、 線路と線路との繋ぎ目の、段差や左右のズレがないかなどを点検します。 また、ポイントの切替え動作を確認し、正しい方向に切り替えておきます。 そして、できれば運転日誌を用意しておき、これらの点検結果を記録しておくといいと思います。 また、当日の運客終了後にも点検し、線路設備などで気づいた事項などがあれば運転日誌に記録しておき、 今後のメンテナンス・改善に向けて、役立てるといいと思います。
  <運転日誌の記載項目の例>
   年月日、天候、運営スタッフの氏名、参加者名と持参した車両名、 安全点検表(走行前と走行後に点検を実施した結果を記載)、運客人数(午前、午後、合計)、 気づいた事項などを記載する連絡事項欄
 
線路設備の点検で、本線側から支線側に切り替えられているポイントがありました。 本線側に切り替えておきます。


 
 こちらでは、線路内に障害物が見つかりました()。 線路の間の小さな落ち葉ならともかく、支障のあるものは取り除きます。 このレイアウト内には木々がありますので、そこから落ちたものと思われます。


(2)走行開始前に乗客の皆様が乗車される車両の点検を行います。 台車と車体とが確実に接続されていることなどを確認しておきます。
 OS製軽量形の乗用台車です。 車輪、車軸、ボルスター部(カーボルスター(車体側)とボギーボルスター(車輪側)とを繋いでいるネジ(キャップスクリュー)が緩んでいないか)などを点検します。


(3)ブレーキの装備は必須です。テンダーや乗用台車に装備した、列車のブレーキの効き具合いを確認しておきます。 特に大勢のお客さまが乗った重量列車や、下り坂が長く続くレイアウト(例えば、白馬ミニトレインパークのトンネルコースの下り坂)では、ブレーキは重要です。 ブレーキが効かない、あるいはブレーキを装備していないといって、両足を地面に着けて列車を止めるのはいただけません。
OS製軽量形の乗用台車です。 ブレーキハンドル()を引いて、 ブレーキブロックが車輪に圧着してブレーキが効くことを走行前に確認します。


(4)スチームアップにおいてボイラー蒸気圧が上がったら、汽笛がチャンと鳴ることを確認しておきます。 汽笛は発車の合図のほかに、列車が近づいていることを知らせたり、 線路や敷地内に立ち入っている方への警告、並びに運営スタッフに危険な状態や事故発生を知らせる時などに必要です。
 
 OS製MOUNTAIN 4−8−2が運客走行しています。 鉄橋を渡ると踏切がありますので、汽笛を鳴らして列車が近づいていることを知らせています。


(5)機関車と乗客の皆様が乗車される乗用台車との連結や、乗用台車同士の連結は、 走行による振動により、外れることのないよう、しっかりと連結しておきます。 板カプラーでボルト・ナットで連結する場合は、ネジが緩んで外れることの無いよう、 Rピンなどを使って留め置く方法も有効だと思います。 また、万一に備えて、連結器に加えて、鎖も繋いでおくと更に良いと思います。
 画像の左側がOS製コッペルで、右側が乗用台車です。 コッペル側の板カプラーと、乗用台車側の板カプラーをカプラーボルトで連結しています。 カプラーボルトを下から、乗用台車側の板カプラーの穴と、コッペル側の板カプラーの穴に差し込んで、 カプラーボルトの穴にRピン(スナップピン)()を横から差し込んで抜けないようにしています。 なお、高さを合わせるため、乗用台車側の板カプラーを下に少し曲げてあります。 コッペルの朝顔形連結器()はダミーとし、 実際の連結に使用していません。余談ですが、駅で停車中に列車の後ろから追突されたことがありますが、 乗用台車側の板カプラーが曲がることで、衝撃を吸収してくれました。


(6)線路設備と運客列車の点検後、運客走行区間を試運転し、問題のないことを確認しておきます。 はじめは乗用台車に人を乗せずに試験走行し、問題なければ、乗客の皆様に見立ててスタッフなどが乗った状態で試験走行し、 線路設備と運客列車の両方の安全確認をしておくと、更に良いと思います。


(7)テンダーもしくは、タンク機関車の次位に連結した運転台車に乗った状態で、加減弁を開きます。 乗らずに加減弁を開きすぎて、暴走してしまったら危険です。慌てて、列車を追いかけることになります。


(8)運転される方は、運営スタッフの方の指示に従い、発車します。
動輪舎製C56150が牽引する運客列車です。 発車の合図がありましたら、汽笛を鳴らして発車します。


(9)走行中は前方を注視し、前の列車に追突しないよう注意します。 脱線等で、思わぬところで前の列車が停車していることがあります。 そして、途中停車した場合、後続の列車に追突されないように注意します。 特に後続列車からの見通しが悪い位置に停車した場合は要注意で、列車を停車させた後、後方に走り、 後続列車を運転されている方に停車の合図をおくったり口頭で伝えます。 高速道路を走行中、前方が渋滞している場合に、ハザードランプを点滅して後続の運転手に知らせるのと、似ています。


(10)前方のポイントが他方向になっていないか、中途半端でないか確認します。 確認がとれないときは、ポイントの手前で停車して確認します。 また、昼休みなどに列車を側線に留め置くため、ポイントを側線側に切り替えた場合は、 必ず本線側に戻しておきます。 午後の運客再開時、誤って側線に進入し、留め置かれた列車に追突するのを防止します。 なお、ポイントの進行方向を示す標識があると、分かりやすいと思います。
 つくで高原模型鉄道倶楽部の定例運転会が開催されるレイアウトです。 運客走行中のOS製コッペルの前方にポイント()がありますので、 標識()で進行方向を確認します。

 標識をアップして見てみます。 左側がで、右側がですので、 左側に進行することを表しています。 ポイントに近づく前に進行方向の確認ができ、好ましいです。

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