ライブスチームの運転


819. 5インチゲージ ALICEの試運転 (その4)  (R6.8.4掲載)

 (その3の続きです)

5インチゲージ ALICEの運転室
引き続き、5インチゲージ ALICEの運転室の各機器を見ていきます。

 J : フィードバックバルブ
      
      フィードバックバルブです。 運転室の右側(非公式側寄り)にあります。走行中における軸動ポンプからの給水量を調整するバルブです。


      
      非公式側から見た画像で、画像の右側が機関車の前方向です。 軸動ポンプ)は、第2動輪(主動輪)の車軸にあるエキセントリックとエキセントリックストラップ()の前後動で駆動します。


      
      公式側から見た画像で、画像の左側が機関車の前方向です。 これ()が軸動ポンプで、 これ()がエキセントリックとエキセントリックストラップです。


      
      エキセントリック()とエキセントリックストラップ()です。 第2動輪の車軸()の中央にあります。 同じ車軸の、左側と右側には弁装置(スチーブンソン式?)の前進・後進の偏心輪/偏心棒があります(画像の左上と右下)。 車軸()の芯からズレた位置(偏心)に、エキセントリック()があることが分かります。 この偏心により、車軸の回転運動から前後動をつくりだしています。


      
      軸動ポンプです。


      
      水の流れを見ていきます。 サドルタンクから ↓ ← ↑ と通って、軸動ポンプの下側まで、水は常にきています。


      
      車軸()の回転運動から、エキセントリックとエキセントリックストラップ()により前後動をえて、 ここ()で繋がっているラム(プランジャ)を動かします。 そして、サドルタンクから送られてきた水()は吸い込まれて軸動ポンプ内に入り、 上から送り出されて ← ← ← ← と通って、運転室に送られます。


      
      運転室に向かった水は ↓ ↓ ↓ と通り、2方向に分かれます。 フィードバックバルブに向かった水()は、フィードバックバルブが全閉されていると行き止まりとなり、 水は ↑ ↑ と通り、逆止弁を通って、ボイラーに送り込まれます()。 一方、フィードバックバルブが開いていると、水は ↑ ↑ と通って、機関車前方に向かいます。


      
      機関車前方に向かった水は ↑ を通って、サドルタンクに戻ります。 サドルタンクから軸動ポンプに向かった水()は、ボイラーに給水されるか、 給水されなかった場合は ↑ を通って、サドルタンクに戻ることになります。
 軸動ポンプからの給水の流れは以上ですが、何かお気づきでしょうか?。→ → →  「本当にボイラーに給水されているのか?」、「どれだけボイラーに給水されているのか?」 気になります。

      OS製コッペル 公式側のサイドタンク
      
      OS製の機関車の場合、水タンクの上方に戻りの配管の出口があり、戻り量が目視できるようになっています。 この画像は、OS製コッペルの公式側のサイドタンクを上から見たもので、 ここ()が戻りの配管の出口で、 走行中、ここを見て、ボイラーに給水されていることを確認します(フィードバックバルブを開けたときに、ここ()から水が戻ってきたならば、 フィードバックバルブを閉めたとき、ここ()から水が戻ってこなければ、ボイラーに給水されているものと推定)。 この機関車においては、サドルタンクの下から(一つ前の画像の)戻していますので、目視できないのです。 そうかといって、サドルタンクの上部の一部を開けて、そこまで戻りの配管を伸ばして目視できるようにしたのでは、スタイル・見栄えを壊してしまうかもしれませんし・・・。 設計思想が、「水面計で水位を監視していれば、ボイラーに給水されているか、分かるでしょ!。」ということかもしれませんが・・・。

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